ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ー広間ー
シャワーでさっぱりした後の夕食はスゴいというより豪華だった。
舌平目と伊勢海老のテリーヌ、スモークサーモンのゼリー寄せ、山羊チーズのピッツァ、ベーコン入りのキッシュ。
パーティ用のトレトゥール(洋惣菜)みたいなメニュー一緒に並べられた赤ワインもめちゃめちゃ美味い。
一気に平らげてるとマオが前に座っていった。
「悠。身体はどうだ…なの」
「そうだな……。今なら誰にも負ける気がしない。」
俺はワインを置いて続けた。
「って言えたなら安心させれたかも知れないな。ま、ダイジョブなんじゃないかな。」
マオウは可哀想な物を見るような目をした。
心が折れてはいけないので直視はしない。
ワインボトルに手を伸ばそうとしたら、小さな手が先に伸びてグラス並々に注いでくれた。
「質問を変える…なの。切り札は…幾つか用意できたか…なの」
「それは勿論。まぁ心配するなよ。俺には勝利の女神が着いてるんだからな。」
ワイングラスを掲げて俺は笑った。
マオウは口のなかでもう知るかといって二階に上がっていった。
あと、片付けをしていると洗い物はコマリが手伝ってくれてすぐに終わった。
俺は明日の準備をまだなにもしてなかったのですぐに自室に戻って着替えやなんかをバックに詰め込んでいるとドアがノックされた。
返事をするとパジャマに着替えたコマリが入ってきた。
「どした?」
「あの、クズリュウさん達から悠君にこれを渡すように頼まれてたのを忘れてまして。」
「バケモ……オッサンから?」
縦の長さが二十センチくらいの箱を受け取った。
紫の風呂敷を解いて見ると黒塗りで高級そうな箱に金で昇竜が画かれていた。
見た目に反してズシリと重い。
俺は蓋を開けてなかを見た。微かに香の匂いがする。
「扇子…ですね。」
「こいつは…鉄扇だな。しかもかなり重い五キロいや、十キロ近く有るんじゃないか。」
勢いをつけて、それを開くとバンッと空気が破裂した様な音がした。
骨組みも和紙も漆黒色で中央には陰陽玉のマークに左右から二匹の龍が向かい合った絵が描かれている。
正直価格は不明だし、材質もわからないがただの鉄扇じゃ無いのだけはわかった。
「こりゃ、また高そうな鉄扇だな。」
「それ、クズリュウさん達がいつも大切に持ってたものですよ」
「そうなのか?」
「はい、私も一度だけ見たことがあるんです。たしか…愛弟子が出来た時に渡すんだった皆さんがよくお酒の席で話してました。」
「……それは俺が弟子として認められたって事かな。」
「悠君は時々、酷いくらいに鈍感ですよね。皆さんそんなこと初めから認めてるに決まってるじゃないですか。私だって応援してるんですから。」
コマリはお休みなさいといって部屋から出ていった。俺は二三回、鉄扇を閉じたり広げたりしてから荷造りを始めた。
終わった時刻は深夜一時過ぎ、たしか明日(今日)の集合予定は朝の六時にうちだったな。
「残り四時間半か……。」
ベッドに倒れて眠くなるまで、どうしても気になる事を考えていた。
けど、睡魔は泥のように俺の意識を沈めるのに時間は掛からなかった。
シャワーでさっぱりした後の夕食はスゴいというより豪華だった。
舌平目と伊勢海老のテリーヌ、スモークサーモンのゼリー寄せ、山羊チーズのピッツァ、ベーコン入りのキッシュ。
パーティ用のトレトゥール(洋惣菜)みたいなメニュー一緒に並べられた赤ワインもめちゃめちゃ美味い。
一気に平らげてるとマオが前に座っていった。
「悠。身体はどうだ…なの」
「そうだな……。今なら誰にも負ける気がしない。」
俺はワインを置いて続けた。
「って言えたなら安心させれたかも知れないな。ま、ダイジョブなんじゃないかな。」
マオウは可哀想な物を見るような目をした。
心が折れてはいけないので直視はしない。
ワインボトルに手を伸ばそうとしたら、小さな手が先に伸びてグラス並々に注いでくれた。
「質問を変える…なの。切り札は…幾つか用意できたか…なの」
「それは勿論。まぁ心配するなよ。俺には勝利の女神が着いてるんだからな。」
ワイングラスを掲げて俺は笑った。
マオウは口のなかでもう知るかといって二階に上がっていった。
あと、片付けをしていると洗い物はコマリが手伝ってくれてすぐに終わった。
俺は明日の準備をまだなにもしてなかったのですぐに自室に戻って着替えやなんかをバックに詰め込んでいるとドアがノックされた。
返事をするとパジャマに着替えたコマリが入ってきた。
「どした?」
「あの、クズリュウさん達から悠君にこれを渡すように頼まれてたのを忘れてまして。」
「バケモ……オッサンから?」
縦の長さが二十センチくらいの箱を受け取った。
紫の風呂敷を解いて見ると黒塗りで高級そうな箱に金で昇竜が画かれていた。
見た目に反してズシリと重い。
俺は蓋を開けてなかを見た。微かに香の匂いがする。
「扇子…ですね。」
「こいつは…鉄扇だな。しかもかなり重い五キロいや、十キロ近く有るんじゃないか。」
勢いをつけて、それを開くとバンッと空気が破裂した様な音がした。
骨組みも和紙も漆黒色で中央には陰陽玉のマークに左右から二匹の龍が向かい合った絵が描かれている。
正直価格は不明だし、材質もわからないがただの鉄扇じゃ無いのだけはわかった。
「こりゃ、また高そうな鉄扇だな。」
「それ、クズリュウさん達がいつも大切に持ってたものですよ」
「そうなのか?」
「はい、私も一度だけ見たことがあるんです。たしか…愛弟子が出来た時に渡すんだった皆さんがよくお酒の席で話してました。」
「……それは俺が弟子として認められたって事かな。」
「悠君は時々、酷いくらいに鈍感ですよね。皆さんそんなこと初めから認めてるに決まってるじゃないですか。私だって応援してるんですから。」
コマリはお休みなさいといって部屋から出ていった。俺は二三回、鉄扇を閉じたり広げたりしてから荷造りを始めた。
終わった時刻は深夜一時過ぎ、たしか明日(今日)の集合予定は朝の六時にうちだったな。
「残り四時間半か……。」
ベッドに倒れて眠くなるまで、どうしても気になる事を考えていた。
けど、睡魔は泥のように俺の意識を沈めるのに時間は掛からなかった。