ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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何処からか聞き慣れた声がした。
「アニキ!ま、待ってくれだぞと!」
飛び出してきたのはイヌヅカだった。
俺とシシマルの間に入り込んで両手を広げる。
「アニキ。コイツはその悪い奴じゃ無いんだぞと。その今回のは…」
俺はいった。
「わかってるよ。別に止めを刺そうとしてる訳じゃないから退け。」
間抜けな顔をしたイヌヅカを避けて俺はシシマルの頬を軽く叩いた。
「へ?わかってる?」
「ぅぅ…」
「起きたな。イヌヅカ、立たせてやれ。」
「あ、わかったぞと!」
タフな奴だ。
シシマルはすぐに意識を取り戻してイヌヅカの肩を借りて立ち上がった。
「あれ…アニキ、鼻血が出るぞと。」
「えっ…あ、ホントだ。まぁすぐ止まるだろ。」
俺たちはとりあえずベンチの所まで移動した。
俺は自販機でミネラルウォーターのペットボトルを三本買って来てシシマルとイヌヅカに投げ渡してベンチに腰を降ろした。
座り心地よりもただ腰を据えられただけでスゴく楽な気持ちになった。
よっぽど疲れてるみたいだ。
このまま寝たいくらいだが俺はいった。
「っで、どーして、こんな悪戯をした?」
イヌヅカは気まずそうに視線を反らして「あ~」とか「え~と」とかいってまごついている。
飼い主とはぐれた犬みたいだ。
「……」
なんか面白いので黙って見てるとデコにペットボトルを押し当てているシシマルがいった。
「マコトは悪くないよ。怒らないでやってくれ。俺が頼んだことだ。」
別に怒ってはなかった。
多分無言でイヌヅカを見てたからそう思ったんだろうな。
俺はいった。
「だから、なんでこんな悪戯をしたかを聞いてるんだ。」
シシマルがいった。
「アンタを誘き出すためだ。さっきも言ったけど俺はこの学園最強を名乗ってたのはホントだし。小鳥遊悠という男の力を見たかったってところだ。」
ただ腕試しがしたいだけで俺は呼び出されたのか。
ハッキリいって大迷惑も良いところだ。
シシマルがポケットから携帯を抜き取りイヌヅカに渡した。
「それでマコトに協力してもらったんだが……アンタは気づいてたみたいだな。いつからだ?」
「いつも、なにも、ハナッからだ。仮にイヌヅカが本当に何かしらのトラブルに巻き込まれても呼び出すとしたら俺じゃなく普通はセンヤだろ。」
まぁ、それにイヌヅカは絶対俺を売る真似はしないだろうし。
シシマルがいった。
「なんだ、じゃあ回りくどい真似したうえ負けた俺はおお恥かよ。」
俺は小さく笑って立ち上がった。
「まぁ、そうだな。じゃ、俺はもう行くぞ。」
二人を残して帰ろうとしたら背中からシシマルの声がした。
「ちょっと待て、アンタ最後に何をした?」
俺は振り返らずにまっすぐに上を指差した。
「さぁ……月の狂気にでも酔ったんじゃないか?」
「……俺はやっぱ、アンタの事嫌いだわ。」
俺はヒラヒラと手を振って月明かりを頼りに学校から出ていった。
「はぁ、いってて…。」
シシマルは自分の額を押さえた。
前髪の生え際辺りからブクリと皮膚が膨れ上がっていた。
「まったく、大丈夫かだぞと。」
「ああ、大丈夫。…けど、マコト。」
「なんだぞっと。」
「あれ人間ですか?」
「わかっねぇぞと」
「アニキ!ま、待ってくれだぞと!」
飛び出してきたのはイヌヅカだった。
俺とシシマルの間に入り込んで両手を広げる。
「アニキ。コイツはその悪い奴じゃ無いんだぞと。その今回のは…」
俺はいった。
「わかってるよ。別に止めを刺そうとしてる訳じゃないから退け。」
間抜けな顔をしたイヌヅカを避けて俺はシシマルの頬を軽く叩いた。
「へ?わかってる?」
「ぅぅ…」
「起きたな。イヌヅカ、立たせてやれ。」
「あ、わかったぞと!」
タフな奴だ。
シシマルはすぐに意識を取り戻してイヌヅカの肩を借りて立ち上がった。
「あれ…アニキ、鼻血が出るぞと。」
「えっ…あ、ホントだ。まぁすぐ止まるだろ。」
俺たちはとりあえずベンチの所まで移動した。
俺は自販機でミネラルウォーターのペットボトルを三本買って来てシシマルとイヌヅカに投げ渡してベンチに腰を降ろした。
座り心地よりもただ腰を据えられただけでスゴく楽な気持ちになった。
よっぽど疲れてるみたいだ。
このまま寝たいくらいだが俺はいった。
「っで、どーして、こんな悪戯をした?」
イヌヅカは気まずそうに視線を反らして「あ~」とか「え~と」とかいってまごついている。
飼い主とはぐれた犬みたいだ。
「……」
なんか面白いので黙って見てるとデコにペットボトルを押し当てているシシマルがいった。
「マコトは悪くないよ。怒らないでやってくれ。俺が頼んだことだ。」
別に怒ってはなかった。
多分無言でイヌヅカを見てたからそう思ったんだろうな。
俺はいった。
「だから、なんでこんな悪戯をしたかを聞いてるんだ。」
シシマルがいった。
「アンタを誘き出すためだ。さっきも言ったけど俺はこの学園最強を名乗ってたのはホントだし。小鳥遊悠という男の力を見たかったってところだ。」
ただ腕試しがしたいだけで俺は呼び出されたのか。
ハッキリいって大迷惑も良いところだ。
シシマルがポケットから携帯を抜き取りイヌヅカに渡した。
「それでマコトに協力してもらったんだが……アンタは気づいてたみたいだな。いつからだ?」
「いつも、なにも、ハナッからだ。仮にイヌヅカが本当に何かしらのトラブルに巻き込まれても呼び出すとしたら俺じゃなく普通はセンヤだろ。」
まぁ、それにイヌヅカは絶対俺を売る真似はしないだろうし。
シシマルがいった。
「なんだ、じゃあ回りくどい真似したうえ負けた俺はおお恥かよ。」
俺は小さく笑って立ち上がった。
「まぁ、そうだな。じゃ、俺はもう行くぞ。」
二人を残して帰ろうとしたら背中からシシマルの声がした。
「ちょっと待て、アンタ最後に何をした?」
俺は振り返らずにまっすぐに上を指差した。
「さぁ……月の狂気にでも酔ったんじゃないか?」
「……俺はやっぱ、アンタの事嫌いだわ。」
俺はヒラヒラと手を振って月明かりを頼りに学校から出ていった。
「はぁ、いってて…。」
シシマルは自分の額を押さえた。
前髪の生え際辺りからブクリと皮膚が膨れ上がっていた。
「まったく、大丈夫かだぞと。」
「ああ、大丈夫。…けど、マコト。」
「なんだぞっと。」
「あれ人間ですか?」
「わかっねぇぞと」