ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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俺は首を左右に振って立ち上がった。
腕を挙げようとしたがジワッと両肩に熱が広がるし重たい。
それに内蔵にダメージが残っているらしく下半身に力が入らない。
俺はギリリッと奥歯を噛み締めてシシマルを見た。
「っ…ぁ…。野郎っ。」
ヤツは片方だけ口の端を吊り上げて笑っている。
けど、挑発的でも嘲りでもない顔だ。
「おいおい…マジか。普通立ち上がらねえよ。アンタ人間か…ほんとに。」
俺は唾を吐き出していった。
微かに血が混じっている。
「ぺっ…。多分人間だ。けど、なまっちょろい鍛え方はしてないんでな。」
シシマルはやれやれという感じに二、三度首を振った。
「まったく…何処までもムカつくなアンタ。」
獣が威嚇するように手を開き構えをとる。
どうやらアレがシシマルの喧嘩スタイルらしい。
野性的な感じ。
俺も重たい腕を伸ばして拳を握りしめる。
「どうしてかな。人からよくいわれるよ。ムカつくって。」
「自分で考えな!」
獣は叫びながら、腕を斜めから振り下ろしてくる。
俺は向かってくる腕を左拳で弾き返した。
バチンッと音がしてシシマルは顔を歪める。
「っ…」
俺は軽く息を吸い込み。
右拳を腹に叩き込んだと同時にシシマルは数メートル後ろに吹っ飛んだ。
ドッとした手応えがあった…完璧に鳩尾に入った証拠だ。
「ふぅ。」
ダランっと腕が落ちる。
弾き返しとパンチ一発でこの疲労感と肩の痛み…結構マズイかもしれない。
数メートル先の闇でモゾリと獣が動いた。
「うがっ…の…っ…やろ。」
どうやらシシマルはまだまだやる気らしい。
口元を腕で拭いながらこっちに歩いてくる。
「まだまだ、やれるよな。この程度じゃまだ俺は負けないぞ!」
そう言うシシマルは土にまみれより気迫を増していた。
俺は真上を見上げていった。
「…今日はいい夜だ。」
「あ?」
「見てみろよ。満月…じゃないけどいい月だぞ。」
シシマルもいぶかしそうに夜空を見上げる。
獣の目にもあの月が映っているだろう。
「…確かにいい月だな。」
夏の夜は綺麗だ。
こんな都内でも星が見えるし今日は雲もない。
痛みと火照りとを冷ます様な夜風もキモチイイくらいだ。
俺は呟いた
「なぁ、シシマル。知ってるか…月には人を狂わす力があるんだ。」
「へぇ…。だから?」
「俺がさっき実験っていったの覚えてるか?既にお前は狂気に呑まれてる。終わりだ。」
ゆっくりと視線を戻して互いを見つめた。
シシマルがいった。
「なんの冗談だ?」
俺はいった。
「冗談じゃない。…解らないか?」
「なんの…っ?!」
シシマルはブンッと回転するように真後ろに拳を振り抜いた。
ヒュッと風を切る音…大きな空振り。
シシマルは叫んだ。
「な、なんだ…!?」
俺はシシマルの頭を両手で押さえておもいっきりヘッドソバットをぶつけた。
ガゴッン!
「ぐぁ…っ」
ズルルっともたれ落ちる様にシシマルは崩れた。
「よそ見は危ないぞ。って…聞こえてないか。」
俺はゆっくりと倒れたシシマルの首に手を伸ばした。
腕を挙げようとしたがジワッと両肩に熱が広がるし重たい。
それに内蔵にダメージが残っているらしく下半身に力が入らない。
俺はギリリッと奥歯を噛み締めてシシマルを見た。
「っ…ぁ…。野郎っ。」
ヤツは片方だけ口の端を吊り上げて笑っている。
けど、挑発的でも嘲りでもない顔だ。
「おいおい…マジか。普通立ち上がらねえよ。アンタ人間か…ほんとに。」
俺は唾を吐き出していった。
微かに血が混じっている。
「ぺっ…。多分人間だ。けど、なまっちょろい鍛え方はしてないんでな。」
シシマルはやれやれという感じに二、三度首を振った。
「まったく…何処までもムカつくなアンタ。」
獣が威嚇するように手を開き構えをとる。
どうやらアレがシシマルの喧嘩スタイルらしい。
野性的な感じ。
俺も重たい腕を伸ばして拳を握りしめる。
「どうしてかな。人からよくいわれるよ。ムカつくって。」
「自分で考えな!」
獣は叫びながら、腕を斜めから振り下ろしてくる。
俺は向かってくる腕を左拳で弾き返した。
バチンッと音がしてシシマルは顔を歪める。
「っ…」
俺は軽く息を吸い込み。
右拳を腹に叩き込んだと同時にシシマルは数メートル後ろに吹っ飛んだ。
ドッとした手応えがあった…完璧に鳩尾に入った証拠だ。
「ふぅ。」
ダランっと腕が落ちる。
弾き返しとパンチ一発でこの疲労感と肩の痛み…結構マズイかもしれない。
数メートル先の闇でモゾリと獣が動いた。
「うがっ…の…っ…やろ。」
どうやらシシマルはまだまだやる気らしい。
口元を腕で拭いながらこっちに歩いてくる。
「まだまだ、やれるよな。この程度じゃまだ俺は負けないぞ!」
そう言うシシマルは土にまみれより気迫を増していた。
俺は真上を見上げていった。
「…今日はいい夜だ。」
「あ?」
「見てみろよ。満月…じゃないけどいい月だぞ。」
シシマルもいぶかしそうに夜空を見上げる。
獣の目にもあの月が映っているだろう。
「…確かにいい月だな。」
夏の夜は綺麗だ。
こんな都内でも星が見えるし今日は雲もない。
痛みと火照りとを冷ます様な夜風もキモチイイくらいだ。
俺は呟いた
「なぁ、シシマル。知ってるか…月には人を狂わす力があるんだ。」
「へぇ…。だから?」
「俺がさっき実験っていったの覚えてるか?既にお前は狂気に呑まれてる。終わりだ。」
ゆっくりと視線を戻して互いを見つめた。
シシマルがいった。
「なんの冗談だ?」
俺はいった。
「冗談じゃない。…解らないか?」
「なんの…っ?!」
シシマルはブンッと回転するように真後ろに拳を振り抜いた。
ヒュッと風を切る音…大きな空振り。
シシマルは叫んだ。
「な、なんだ…!?」
俺はシシマルの頭を両手で押さえておもいっきりヘッドソバットをぶつけた。
ガゴッン!
「ぐぁ…っ」
ズルルっともたれ落ちる様にシシマルは崩れた。
「よそ見は危ないぞ。って…聞こえてないか。」
俺はゆっくりと倒れたシシマルの首に手を伸ばした。