ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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って考えるのが素人。
俺の経験上、時間稼ぎ…いや、どうも何かを探っている感じがする。
シシマルは俺の真正面に近づきいった。
「ぼーっとして考えごとか?余裕だ…な!」
左斜め下から切り上げるフックが来る。
俺は身体を右にひねりソレを避けた。
だが、ピシャッとした痛みが唇の辺りに走り、かすかに鉄の味がする。
「っ…ぉ!(口内が切れたか。)」
俺はタンッと地面を蹴り。跳ねるように後退した。
シシマルは俺を追わずに言った。
「なんだ、逃げるのか?」
夜の校庭にシシマルの声が響く、だけど、それは夜の黒に吸い込まれていきすぐに辺りは静かになった。
夜空を見上げた。
満月…ではないが夏の澄んだ闇夜に月が輝いている。
俺はたっぷりと夜の空気を吸い込み…言った。
「…………いや、もうわかった。」
「あん?」
「アンタの手品(トリック)がわかったって言ったんだ。だから…これからは俺の実験タイムに入る。」
「なにを…なにをごちゃごちゃいってんだ!」
シシマルは飛び付く勢いで間合いをつめて、高速フックを振りかぶる。
俺は首をひいてフックを避けた。
だが、バチン!っと肉を打った音が鳴った。
「はは!どした!何がわかっ…た…だ…?」
俺は右手の甲でフックを受け止めた。
「不可思議なフック…の正体。それは遠心力と拳の握り方だ。」
「っ…」
図星だったようだ。
シシマルがやっていたのは正確にいえばフックでは無く長拳と言われる武術の一つ。
「肩の力を抜いて、拳のみに力を加え、振り子のように打つ。」
拳は重りの役割を持ち。
遠心力によって腕はゴムの様に伸びて打撃の射程を伸ばして、悠の読みを狂わせていた。
人間の筋肉とは他の生き物に比べ、ものすごくしなやかで実際に伸びる。
勿論限度はあるが、訓練次第では実に数十㎝も伸ばせる事実もある。
「それに加えて拳が当たる瞬間に緩めて更に加速して指の骨だけをぶつけてたんだろ」
「くっ…なろぉ!」
シシマルは左拳を振り抜いてきた。
バチン!っとまた同じような肉を打った音が鳴った。
たが、今度は完璧にシシマルの手首を掴んで防いだ。
「多分。誰かに習ったんじゃなく独自で身に付けたんだろ。」
「るせぇ!」
シシマルは自由の効く右腕を振り上げてくる。
俺は掴んでた左手首を離しまた、後ろに跳ねた。
だが、ヤツは俺から離れなかった。
「逃がすかぁ!」
ビタリと張り付くように懐に潜り込んでくる。
俺は右足を一歩分だけ後ろに引き、踵を地面に打ち付けるようにブレーキをかけた。
「はっ!無駄だ、俺に打撃はきかねぇ!」
身体が止まると同時に右手を伸ばしてヤツの肩を掴み左掌を打った。
飛び掛かる勢いのシシマルの腹に難なく突き当たる。
「…がっ?!」
ズムッンと肉を打つ音がこだましてシシマルの身体は逆くの字に曲がる。
「ほい、残念。言っただろ。もうお前のトリックは解ったって。」
俺は掴んでいたシシマルの肩を押すように突き放した。
俺の経験上、時間稼ぎ…いや、どうも何かを探っている感じがする。
シシマルは俺の真正面に近づきいった。
「ぼーっとして考えごとか?余裕だ…な!」
左斜め下から切り上げるフックが来る。
俺は身体を右にひねりソレを避けた。
だが、ピシャッとした痛みが唇の辺りに走り、かすかに鉄の味がする。
「っ…ぉ!(口内が切れたか。)」
俺はタンッと地面を蹴り。跳ねるように後退した。
シシマルは俺を追わずに言った。
「なんだ、逃げるのか?」
夜の校庭にシシマルの声が響く、だけど、それは夜の黒に吸い込まれていきすぐに辺りは静かになった。
夜空を見上げた。
満月…ではないが夏の澄んだ闇夜に月が輝いている。
俺はたっぷりと夜の空気を吸い込み…言った。
「…………いや、もうわかった。」
「あん?」
「アンタの手品(トリック)がわかったって言ったんだ。だから…これからは俺の実験タイムに入る。」
「なにを…なにをごちゃごちゃいってんだ!」
シシマルは飛び付く勢いで間合いをつめて、高速フックを振りかぶる。
俺は首をひいてフックを避けた。
だが、バチン!っと肉を打った音が鳴った。
「はは!どした!何がわかっ…た…だ…?」
俺は右手の甲でフックを受け止めた。
「不可思議なフック…の正体。それは遠心力と拳の握り方だ。」
「っ…」
図星だったようだ。
シシマルがやっていたのは正確にいえばフックでは無く長拳と言われる武術の一つ。
「肩の力を抜いて、拳のみに力を加え、振り子のように打つ。」
拳は重りの役割を持ち。
遠心力によって腕はゴムの様に伸びて打撃の射程を伸ばして、悠の読みを狂わせていた。
人間の筋肉とは他の生き物に比べ、ものすごくしなやかで実際に伸びる。
勿論限度はあるが、訓練次第では実に数十㎝も伸ばせる事実もある。
「それに加えて拳が当たる瞬間に緩めて更に加速して指の骨だけをぶつけてたんだろ」
「くっ…なろぉ!」
シシマルは左拳を振り抜いてきた。
バチン!っとまた同じような肉を打った音が鳴った。
たが、今度は完璧にシシマルの手首を掴んで防いだ。
「多分。誰かに習ったんじゃなく独自で身に付けたんだろ。」
「るせぇ!」
シシマルは自由の効く右腕を振り上げてくる。
俺は掴んでた左手首を離しまた、後ろに跳ねた。
だが、ヤツは俺から離れなかった。
「逃がすかぁ!」
ビタリと張り付くように懐に潜り込んでくる。
俺は右足を一歩分だけ後ろに引き、踵を地面に打ち付けるようにブレーキをかけた。
「はっ!無駄だ、俺に打撃はきかねぇ!」
身体が止まると同時に右手を伸ばしてヤツの肩を掴み左掌を打った。
飛び掛かる勢いのシシマルの腹に難なく突き当たる。
「…がっ?!」
ズムッンと肉を打つ音がこだましてシシマルの身体は逆くの字に曲がる。
「ほい、残念。言っただろ。もうお前のトリックは解ったって。」
俺は掴んでいたシシマルの肩を押すように突き放した。
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