ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「だ!!!」
俺は踏み込みながらの右ストレートを打った。
シシマルは身体を軽く右にひねり避わした。
避けられた俺は上半身が伸びきってしまうが止めない。
振りかぶった勢いを追撃に利用し、右足を振り上げ顔面を目掛け横に蹴り抜いた。
「ふっ…」
シシマルも大した実力者だった。
右に避けたのなら、蹴りに向かってくるため直撃するはずだった。
半円を描くようにスウェイで蹴りを避け後ろに跳んだ。
俺はグラウンドの土を削りながら足を地面について、体勢を立て直していった。
「ふぅ…器用だな。」
「アンタこそ。あんな位置からよく蹴れたもんだ。…(けど、わかった。いまの攻防だけで息をきった…体調不良か知らないが…小鳥遊悠、その程度なら俺の方が強い。)」
「ふぅ……」
シシマルの判断は間違ってはいなかった。
睡眠不足に連日朝から夕方までの組み手にくわえ自主トレーニング。
現段階で悠のコンディションは最悪に近いものだった。
戦闘能力とは環境や状況によって大きく影響する。
現状で悠の出せる実力は……
「……(本調子の30%前後か。)」
「来ないならこっちから仕掛けるぞ。」
左側面から引っ掻けるようなフックが来た。
「っ…(速い!)」
俺は首を振り拳を避けた…が…右、左、右…フックのラッシュは止まらない。
「っ…(反撃の隙を与えない気か。)」
ヒュンヒュンと風を切る音が耳元スレスレに聞こえ、拳が過ぎた後の肌はピリピリとした殺気が刺さる。
「っふ…(しかも、デタラメに仕掛けてくる訳じゃなく、的確に顔面狙い…少しでも気ぃぬいたら…貰うなこりゃ…)」
「はは!どした!」
シシマルはフックのみで攻め立ててくる。
やられっぱなしではいられない。
俺は反撃に出た。
左のフックを避け。
右が放たれるより先に、俺はシシマルの腹めがけ拳を打った。
「はぁ!」
「ったぁ!」
出は俺の突きが速かったが、拳速ではシシマルのフックが凌駕し互いの拳が交差する。
俺は首を思いきり左に振った。
右顔面の頬と顎の中間くらいに拳が過ぎていく。
右足に力を込めた。
靴底がジャリリとグラウンドを削る。
「ごっ…」
ボディブローが入りシシマルは後ろに跳んだ。
「っち…」
紙一重でフックを避けたつもりだったが微かに頬をかすったらしい。
ほほがヒリヒリする。
夜の黒に栄える金髪を揺らし、シシマルは右の拳を解いて腹の辺りをポンポンと払いながら言った。
「…まさかカウンターでボディブローいれてくるなんて。」
俺は笑いながら考えていた。手応えはあったのに効いてない。
シシマルは腹筋で止めた様でもないし、それにあのフック…避けきれなかった。
さらに言えば…
不可解なダメージを受けた。
不可解な防御をされた。
この場合は距離をとり様子を見るのが得策……
俺は踏み込みながらの右ストレートを打った。
シシマルは身体を軽く右にひねり避わした。
避けられた俺は上半身が伸びきってしまうが止めない。
振りかぶった勢いを追撃に利用し、右足を振り上げ顔面を目掛け横に蹴り抜いた。
「ふっ…」
シシマルも大した実力者だった。
右に避けたのなら、蹴りに向かってくるため直撃するはずだった。
半円を描くようにスウェイで蹴りを避け後ろに跳んだ。
俺はグラウンドの土を削りながら足を地面について、体勢を立て直していった。
「ふぅ…器用だな。」
「アンタこそ。あんな位置からよく蹴れたもんだ。…(けど、わかった。いまの攻防だけで息をきった…体調不良か知らないが…小鳥遊悠、その程度なら俺の方が強い。)」
「ふぅ……」
シシマルの判断は間違ってはいなかった。
睡眠不足に連日朝から夕方までの組み手にくわえ自主トレーニング。
現段階で悠のコンディションは最悪に近いものだった。
戦闘能力とは環境や状況によって大きく影響する。
現状で悠の出せる実力は……
「……(本調子の30%前後か。)」
「来ないならこっちから仕掛けるぞ。」
左側面から引っ掻けるようなフックが来た。
「っ…(速い!)」
俺は首を振り拳を避けた…が…右、左、右…フックのラッシュは止まらない。
「っ…(反撃の隙を与えない気か。)」
ヒュンヒュンと風を切る音が耳元スレスレに聞こえ、拳が過ぎた後の肌はピリピリとした殺気が刺さる。
「っふ…(しかも、デタラメに仕掛けてくる訳じゃなく、的確に顔面狙い…少しでも気ぃぬいたら…貰うなこりゃ…)」
「はは!どした!」
シシマルはフックのみで攻め立ててくる。
やられっぱなしではいられない。
俺は反撃に出た。
左のフックを避け。
右が放たれるより先に、俺はシシマルの腹めがけ拳を打った。
「はぁ!」
「ったぁ!」
出は俺の突きが速かったが、拳速ではシシマルのフックが凌駕し互いの拳が交差する。
俺は首を思いきり左に振った。
右顔面の頬と顎の中間くらいに拳が過ぎていく。
右足に力を込めた。
靴底がジャリリとグラウンドを削る。
「ごっ…」
ボディブローが入りシシマルは後ろに跳んだ。
「っち…」
紙一重でフックを避けたつもりだったが微かに頬をかすったらしい。
ほほがヒリヒリする。
夜の黒に栄える金髪を揺らし、シシマルは右の拳を解いて腹の辺りをポンポンと払いながら言った。
「…まさかカウンターでボディブローいれてくるなんて。」
俺は笑いながら考えていた。手応えはあったのに効いてない。
シシマルは腹筋で止めた様でもないし、それにあのフック…避けきれなかった。
さらに言えば…
不可解なダメージを受けた。
不可解な防御をされた。
この場合は距離をとり様子を見るのが得策……
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