ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「はい?もしもし、誰だ?」
『……。』
電話口からはなんの返事もこない。
聞こえてなかったのかと俺はもう一度声をかけたが同じように返答は無い。
「…悪戯(イタズラ)か?」
俺は携帯のディスプレイを見た。
画面には【戌塚誠】と表示されている。
「ん?(イヌヅカ…彼奴がこんなイタズラするか?)」
「あ、悠君。お風呂いただき…」
「しっ…」
口元で指を立てて風呂から出てきたコマリに静かにとハンドサインをだした。
コマリはキョトンとした顔でうなずいた。
俺は言った。
「……イヌヅカか?」
『……違うよ。』
「誰だテメェ?」
『あはは。誰だろうな。』
「…イタ電の相手なら他を探せ。切るぞ。」
『いいのか、アンタのお友達がどうなっても?』
俺は髪をかきあげて受話口に集中した。
「どーゆ意味だ?」
『そのままの意味さ、この電話の持ち主。アンタ…小鳥遊悠のお友達だろ?』
どうやら相手はこっちの事を知った上でかけてきているようだ。
俺はいった。
「さぁ…どうかな。ただの知り合いかもよ?」
『ふぅん。じゃあ……腕とか折ってもいいかな。』
「…要件は?」
『陵桜のグランドに来てもらおうか。今すぐに。』
「学校のグランドだと?」
『じゃ、待ってるよ。』
電話は切れてしまった。
俺は頭をかいて、携帯を尻のポケットにねじ込んだ。
「コマリさん。俺ちょっと出てくるから適当にしててくれ。帰りが遅かったら先に寝ててくれてもいいから。」
「あ、はい…。あ、あの気をつけてください。」
コマリは何処から出したのかテーピングのロールを渡してくる。
俺はニッと笑って答えた。
「おう。さんきゅ。」
ー陵桜高校校門ー
俺はできるだけ早く車をとばし、学校近くに停車した。
もちろん路上駐車もいいところだが、夜になり周辺は既に人通りが無くなっているから問題ないだろう。
俺は校門の格子を確認した。
「開いてる訳ないよな。」
人のコブシくらいあるガッチリとした南京錠で格子はピシャリと閉じてある。
どうでもいいが、うちの学校はオールドなのか近代的なのか、わからんな。
俺は片手で格子を押さえてヒョイッと飛び越え、中に侵入した。
当たり前だが人の気配はまるでなく、外灯で照らされた薄暗い校舎がなんだかオドロオドロしい。
「おっ…」
グラウンドに誰かが居る。約四メートル先…数は一人だな…。
俺は軽く叫んだ。
「お前が電話の相手かー?」
薄闇から人影がザッザッと土を踏む音が此方に近づいてくる。
人影がいった。
「驚いた。よく、俺がいたのがわかったな。」
「あぁ…なんとなくな。」
ぼやりと動いてた人影がはっきりと見える位置に止まった…
クリーム色に近い金髪を靡かせた男…
「お前…」
「あははは。やぁ、小鳥遊悠また、あったな。」
神埼獅子丸…
『……。』
電話口からはなんの返事もこない。
聞こえてなかったのかと俺はもう一度声をかけたが同じように返答は無い。
「…悪戯(イタズラ)か?」
俺は携帯のディスプレイを見た。
画面には【戌塚誠】と表示されている。
「ん?(イヌヅカ…彼奴がこんなイタズラするか?)」
「あ、悠君。お風呂いただき…」
「しっ…」
口元で指を立てて風呂から出てきたコマリに静かにとハンドサインをだした。
コマリはキョトンとした顔でうなずいた。
俺は言った。
「……イヌヅカか?」
『……違うよ。』
「誰だテメェ?」
『あはは。誰だろうな。』
「…イタ電の相手なら他を探せ。切るぞ。」
『いいのか、アンタのお友達がどうなっても?』
俺は髪をかきあげて受話口に集中した。
「どーゆ意味だ?」
『そのままの意味さ、この電話の持ち主。アンタ…小鳥遊悠のお友達だろ?』
どうやら相手はこっちの事を知った上でかけてきているようだ。
俺はいった。
「さぁ…どうかな。ただの知り合いかもよ?」
『ふぅん。じゃあ……腕とか折ってもいいかな。』
「…要件は?」
『陵桜のグランドに来てもらおうか。今すぐに。』
「学校のグランドだと?」
『じゃ、待ってるよ。』
電話は切れてしまった。
俺は頭をかいて、携帯を尻のポケットにねじ込んだ。
「コマリさん。俺ちょっと出てくるから適当にしててくれ。帰りが遅かったら先に寝ててくれてもいいから。」
「あ、はい…。あ、あの気をつけてください。」
コマリは何処から出したのかテーピングのロールを渡してくる。
俺はニッと笑って答えた。
「おう。さんきゅ。」
ー陵桜高校校門ー
俺はできるだけ早く車をとばし、学校近くに停車した。
もちろん路上駐車もいいところだが、夜になり周辺は既に人通りが無くなっているから問題ないだろう。
俺は校門の格子を確認した。
「開いてる訳ないよな。」
人のコブシくらいあるガッチリとした南京錠で格子はピシャリと閉じてある。
どうでもいいが、うちの学校はオールドなのか近代的なのか、わからんな。
俺は片手で格子を押さえてヒョイッと飛び越え、中に侵入した。
当たり前だが人の気配はまるでなく、外灯で照らされた薄暗い校舎がなんだかオドロオドロしい。
「おっ…」
グラウンドに誰かが居る。約四メートル先…数は一人だな…。
俺は軽く叫んだ。
「お前が電話の相手かー?」
薄闇から人影がザッザッと土を踏む音が此方に近づいてくる。
人影がいった。
「驚いた。よく、俺がいたのがわかったな。」
「あぁ…なんとなくな。」
ぼやりと動いてた人影がはっきりと見える位置に止まった…
クリーム色に近い金髪を靡かせた男…
「お前…」
「あははは。やぁ、小鳥遊悠また、あったな。」
神埼獅子丸…