ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「っ…」
嬢ちゃんはバットの直撃を避けるため後ろに跳んだ。
その隙を俺は逃さなかった。無理やり踏み込んだ。
身体は当然、前倒れになっていくが受け身も考えないでがむしゃらに右手のバットを振り抜いた。
「おっと…」
嬢ちゃんは下がりきれないと悟ったのか【真上】に跳んだ。
倒れていく俺の頭を押さえて更に高く飛び上がる。
「甘かったな…なの。」
「どうかな?」
俺は笑う。
飛び上がった先には…岡崎君がいるんだからな。
「はぁぁぁっ!!」
亮の拳が空を裂き、真桜を打つ。
ダダムッ…っと鈍く肉を叩く音が聞こえた。
「やっ…」
俺は起き上がろうとしたが隣に岡崎君が倒れてくる。
「ぐぁっ」
岡崎君はドダンとうつぶせに畳みに倒れ込み痛そうに顔を押さえる。
俺はいったい何があったのか聞こうとしたが、嬢ちゃんの声がした。
「発想は良かった…が…無駄なの」
無傷で息切れひとつしてない嬢ちゃんがおれと岡崎君の頭もとにたつ。
「どうやって…」
「……確かに空中なら足腰を基準にした…武術の威力は半分以下…なの。だが…そんな弱点を残して…おくわけがない。…足がつかないなら…ついてる者を利用するだけ…なの。」
「ついてる者を?」
「まさか、そういうことか…。」
おれは意味がわからなかったが岡崎君は気がついたみたいだ。
「どゆこと?」
「延長コードだ…。秋宵月はおれを延長コードとして使ったんだ。」
真桜は空中にあがり確かに地に足はついていなかった。
自分の力の流れも計算に入れないと力道は使えない。
だが、亮はしっかりと地面を踏んでいた。
拳を打てば足から腰へ
腰から背中、背中から肩
肩から腕へ力の道が完成する。
「力道が通った…拳にさえ触れれば…真桜にも力道がつながり…。空中だろうが水中だろうが…力道流は成功する…なの。」
まさに、返しの極み。
おれは笑いながら起き上がる。
「へへっ…なんてこった。岡崎くん。まだやれるか?」
「干からびるまで余裕だ。」
「……ウニ頭。」
嬢ちゃんは急に構えていた手を下げて、岡崎くんを見る。
サンドバックを指差して指示する。
「…今の…もう一度やってみろ…なの。」
「今のを?」
言われるままに岡崎くんはサンドバックの前に立ち、拳を打った。
ダダムッと鈍い打撃音、次の瞬間に吹き飛び、前後に大きく揺れるサンドバック。
キィーキィーと鎖の擦れる嫌な音だけが聞こえる。
「あれ……?(今なんか…おかしかったような)」
ナニがおかしいのかが解らないが俺は首をかしげた。
「……羅漢の。いったいどんな…ことをさせた…なの」
「はっはっは。たまげたろぉ?街に出ていかしたら勝手に覚えてきやがってよぉ。」
羅漢のおっちゃんは大笑いする。
嬢ちゃんはいつも以上にムスっとして言った。
「それを…黙って…試させるとは…人が悪すぎるなの。」
俺には二人がナニを話してるのかついていけない。
ただ、それはどうやら岡崎くんも同じみたいでサンドバックの前で首をかしげている。
嬢ちゃんはバットの直撃を避けるため後ろに跳んだ。
その隙を俺は逃さなかった。無理やり踏み込んだ。
身体は当然、前倒れになっていくが受け身も考えないでがむしゃらに右手のバットを振り抜いた。
「おっと…」
嬢ちゃんは下がりきれないと悟ったのか【真上】に跳んだ。
倒れていく俺の頭を押さえて更に高く飛び上がる。
「甘かったな…なの。」
「どうかな?」
俺は笑う。
飛び上がった先には…岡崎君がいるんだからな。
「はぁぁぁっ!!」
亮の拳が空を裂き、真桜を打つ。
ダダムッ…っと鈍く肉を叩く音が聞こえた。
「やっ…」
俺は起き上がろうとしたが隣に岡崎君が倒れてくる。
「ぐぁっ」
岡崎君はドダンとうつぶせに畳みに倒れ込み痛そうに顔を押さえる。
俺はいったい何があったのか聞こうとしたが、嬢ちゃんの声がした。
「発想は良かった…が…無駄なの」
無傷で息切れひとつしてない嬢ちゃんがおれと岡崎君の頭もとにたつ。
「どうやって…」
「……確かに空中なら足腰を基準にした…武術の威力は半分以下…なの。だが…そんな弱点を残して…おくわけがない。…足がつかないなら…ついてる者を利用するだけ…なの。」
「ついてる者を?」
「まさか、そういうことか…。」
おれは意味がわからなかったが岡崎君は気がついたみたいだ。
「どゆこと?」
「延長コードだ…。秋宵月はおれを延長コードとして使ったんだ。」
真桜は空中にあがり確かに地に足はついていなかった。
自分の力の流れも計算に入れないと力道は使えない。
だが、亮はしっかりと地面を踏んでいた。
拳を打てば足から腰へ
腰から背中、背中から肩
肩から腕へ力の道が完成する。
「力道が通った…拳にさえ触れれば…真桜にも力道がつながり…。空中だろうが水中だろうが…力道流は成功する…なの。」
まさに、返しの極み。
おれは笑いながら起き上がる。
「へへっ…なんてこった。岡崎くん。まだやれるか?」
「干からびるまで余裕だ。」
「……ウニ頭。」
嬢ちゃんは急に構えていた手を下げて、岡崎くんを見る。
サンドバックを指差して指示する。
「…今の…もう一度やってみろ…なの。」
「今のを?」
言われるままに岡崎くんはサンドバックの前に立ち、拳を打った。
ダダムッと鈍い打撃音、次の瞬間に吹き飛び、前後に大きく揺れるサンドバック。
キィーキィーと鎖の擦れる嫌な音だけが聞こえる。
「あれ……?(今なんか…おかしかったような)」
ナニがおかしいのかが解らないが俺は首をかしげた。
「……羅漢の。いったいどんな…ことをさせた…なの」
「はっはっは。たまげたろぉ?街に出ていかしたら勝手に覚えてきやがってよぉ。」
羅漢のおっちゃんは大笑いする。
嬢ちゃんはいつも以上にムスっとして言った。
「それを…黙って…試させるとは…人が悪すぎるなの。」
俺には二人がナニを話してるのかついていけない。
ただ、それはどうやら岡崎くんも同じみたいでサンドバックの前で首をかしげている。