ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「まぁ…とにかくただの鍛練なら…100%悠には追い付けないなの。」
「なんか方法は無いのか嬢ちゃん。時間がないのは俺も悠も同じだろ?」
俺は嬢ちゃんを見た。
「…口を開けばなんとか…なんとか……はぁ。簡単なこと…なの。」
嬢ちゃんはゆっくりと手を伸ばした。
おれの腹の辺りに触れると背骨を引っ張られたように後ろに飛んだ。
畳の上に尻餅をついて俺はペタンっと座り込んでしまう。
ほんの一瞬のことなのに、時間が濃縮されたような一連…
「2人がかりでいい…なの。もし…今日中、真桜に一度でも膝をつかせたなら……悠と同等…いや、それ以上の成長になる…なの。」
俺は立ち上がり。
嬢ちゃんじゃなく、その後ろにいる岡崎くんを見つめた。
岡崎くんはあごさきだけでコクりとうなづいて言った。
「……子供相手に2人がかりでってのはいささか情けない話だけど」
「ぐだぐだ、言ってる場合じゃ…ないよな。」
俺は前から、岡崎くんは後ろから嬢ちゃんを挟み撃つように拳を放った。
嬢ちゃんは相変わらず前を向いたまま両手を伸ばしておれと岡崎くんの拳を撫でた。
同時におれと岡崎くんはそこだけ重量が急に重くなったように叩きつけられた。
「なにしてる…なの。」
嬢ちゃんが呟くと羅漢のおっちゃんが大笑いした。
「「くっ」」
俺たちは畳を叩いて立ち上がり、連続で拳を蹴りを放った。
けれど、かすりもしない。
それどころか嬢ちゃんのまわりにだけ見えない空気の壁でもあるみたいに一切の打撃が通らない。
小さな手で遮(とめら)れ、流され、倒される。
少女に大の男二人が本気で襲いかかっていく…本日二度目のおかしな話だ。
「ふぅ…はぁ…」
「…はぁ…」
五分もしないうちに俺たちは息切れし始める。
嬢ちゃんは無表情のまま言う。
「どうした…なの。どんどん遅くなってるし単調になってるぞ…なの。ほら。」
ぴっ…スパァン!
おれはアッパーカットをバカみたいに大振りしたような形で仰向けにひっくり返えされた。
「っ…はぁはぁ。嬢ちゃんちょっとタイムだ!岡崎くん来てくれ。」
おれが倒れたまま叫ぶと、嬢ちゃんはスッと動きをとめる。
岡崎くんは汗だくの胴着の上を脱ぎ捨てて、Tシャツ姿になっておれの隣に立つ。
「はぁ…はぁ…な…はぁ。なんだ?」
「ただ…がむしゃらに攻めてもダメだ。なにか手を考えよう。」
互いに息を整えながら話す。
「賛成。…赤木くんは、なにかきいてないのか、あの不可思議な武術のこと」
残念ながら、おれは不良の喧嘩屋であって武術家じゃない。
「全然…。ただ…悠や花王が言ってたけど、あらゆる力の向きや方向(ベクトル)に介入して流す技らしい…。」
「力に介入…攻略のヒントとしては薄いな。」
岡崎くんは苦笑いでいった。
たしかにノーヒントに近いけど…悠や花王は何かしらの攻略をここから見つけたんだから俺たちにだってわからないはずがない。
「なんか方法は無いのか嬢ちゃん。時間がないのは俺も悠も同じだろ?」
俺は嬢ちゃんを見た。
「…口を開けばなんとか…なんとか……はぁ。簡単なこと…なの。」
嬢ちゃんはゆっくりと手を伸ばした。
おれの腹の辺りに触れると背骨を引っ張られたように後ろに飛んだ。
畳の上に尻餅をついて俺はペタンっと座り込んでしまう。
ほんの一瞬のことなのに、時間が濃縮されたような一連…
「2人がかりでいい…なの。もし…今日中、真桜に一度でも膝をつかせたなら……悠と同等…いや、それ以上の成長になる…なの。」
俺は立ち上がり。
嬢ちゃんじゃなく、その後ろにいる岡崎くんを見つめた。
岡崎くんはあごさきだけでコクりとうなづいて言った。
「……子供相手に2人がかりでってのはいささか情けない話だけど」
「ぐだぐだ、言ってる場合じゃ…ないよな。」
俺は前から、岡崎くんは後ろから嬢ちゃんを挟み撃つように拳を放った。
嬢ちゃんは相変わらず前を向いたまま両手を伸ばしておれと岡崎くんの拳を撫でた。
同時におれと岡崎くんはそこだけ重量が急に重くなったように叩きつけられた。
「なにしてる…なの。」
嬢ちゃんが呟くと羅漢のおっちゃんが大笑いした。
「「くっ」」
俺たちは畳を叩いて立ち上がり、連続で拳を蹴りを放った。
けれど、かすりもしない。
それどころか嬢ちゃんのまわりにだけ見えない空気の壁でもあるみたいに一切の打撃が通らない。
小さな手で遮(とめら)れ、流され、倒される。
少女に大の男二人が本気で襲いかかっていく…本日二度目のおかしな話だ。
「ふぅ…はぁ…」
「…はぁ…」
五分もしないうちに俺たちは息切れし始める。
嬢ちゃんは無表情のまま言う。
「どうした…なの。どんどん遅くなってるし単調になってるぞ…なの。ほら。」
ぴっ…スパァン!
おれはアッパーカットをバカみたいに大振りしたような形で仰向けにひっくり返えされた。
「っ…はぁはぁ。嬢ちゃんちょっとタイムだ!岡崎くん来てくれ。」
おれが倒れたまま叫ぶと、嬢ちゃんはスッと動きをとめる。
岡崎くんは汗だくの胴着の上を脱ぎ捨てて、Tシャツ姿になっておれの隣に立つ。
「はぁ…はぁ…な…はぁ。なんだ?」
「ただ…がむしゃらに攻めてもダメだ。なにか手を考えよう。」
互いに息を整えながら話す。
「賛成。…赤木くんは、なにかきいてないのか、あの不可思議な武術のこと」
残念ながら、おれは不良の喧嘩屋であって武術家じゃない。
「全然…。ただ…悠や花王が言ってたけど、あらゆる力の向きや方向(ベクトル)に介入して流す技らしい…。」
「力に介入…攻略のヒントとしては薄いな。」
岡崎くんは苦笑いでいった。
たしかにノーヒントに近いけど…悠や花王は何かしらの攻略をここから見つけたんだから俺たちにだってわからないはずがない。