ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「いいね、いいね。岡崎くん、前より見違えたって感じだ。」
俺は拳を解いて、打たれたアゴを撫でた。
岡崎くんは口の端から流れる血を指先で拭って言った。
「ぺっ……こっちも伊達や酔狂で毎日やってる訳じゃないからな。…紅くんこそ、思ったよりユルいじゃないのか?」
始めてみた、すごく挑発的な岡崎くんに俺は大笑いした。
「ははは。いいね。やっぱり悠のツレだ。面白いわ。…さぁて、じゃ、も少し…」
俺はもう一度拳を握ると嬢ちゃんが言った。
「次で決めろ…なの」
「あ?」
「聞こえなかったか…なの。」
若干、嬢ちゃんの声に力がこもる。怒ってる訳じゃないみたいだけど。
「ふむ。……了解。」
俺は拳を更に強く握る。
両足の裏をしっかりと畳みに抑えつける。
「っ…(空気が…変わった。気合い…いや、殺気って感じか。)」
岡崎亮は無意識に押手構えから三戦の構えに切り替えた。
頭が理解するより身体が心が防御を選んだのだ。
「ん…」
対する紅は妙な感覚にとられた。
もちろん、俺は防御の構えなんか知らない。
だけど、理解(わかった)し…見えた。
ザッザッザッ…ドッ!
「が…ぁっ…ぁ?!」
ミシッ…
俺は気がつけば腹のど真ん中をぶん殴っていた。
岡崎くんは腕の中で身体をくの字に曲げてゲホゲホと咳き込んでいる。
「そこまで…なの。」
嬢ちゃんが終了のジャッジを下した。
俺は拳を解いて岡崎くんを床に座らせた。
背中を撫でて言った。
「大丈夫か?」
「ごほっ…えほっ…かはっ…だ、大丈夫だ。」
「なぁに、ちょっとやそっとで壊れるような鍛え方はしてねぇ。なぁ、亮?」
羅漢のおっちゃんはまだ呼吸が乱れたままの岡崎くんの頭を乱暴に撫でた。
岡崎くんは若干、つらそうに笑った。
その様子はまるで、親子みたいに見える。
「それより、兄ちゃん中々おもしれぇ技つかうじゃねぇか。」
羅漢のおっちゃんはズイッと近づいてしみじみと見る。俺より小さいのにすごい圧迫がある。
俺は間抜けな声を出した。
「へ?技?」
「なぁに、誤魔化してんだ。まぁ、たしかに完璧ったぁいえねぇが。十分かたちにはなってぜぇ。さっきの三歩破軍」
「さんぽはぐん?」
羅漢のおっちゃんが何を言ってるかさっぱりだった。
「ふぅ…羅漢の。そいつには…まだ何も教えない…なの。」
「ぁん?っーてぇと…あれか?黙ってたのかい?」
「別に…使えるか使え無いか判断してから話すつもりだった…だけなの。」
嬢ちゃんはスッーと目を細めて俺を見る。
「よくわかんねぇけど…?昨日からただ歩かされてたって訳じゃないんだな。それで…判定のけっかは?」
「当たりまえ…なの。……相変わらず…雑。歩法の動きは…バラバラ。最後の…力技はギリギリ合格……総合結果は……まぁまぁなの。」
嬢ちゃんはほとんど誉めてくれない微妙な評価をくれた。
俺は拳を解いて、打たれたアゴを撫でた。
岡崎くんは口の端から流れる血を指先で拭って言った。
「ぺっ……こっちも伊達や酔狂で毎日やってる訳じゃないからな。…紅くんこそ、思ったよりユルいじゃないのか?」
始めてみた、すごく挑発的な岡崎くんに俺は大笑いした。
「ははは。いいね。やっぱり悠のツレだ。面白いわ。…さぁて、じゃ、も少し…」
俺はもう一度拳を握ると嬢ちゃんが言った。
「次で決めろ…なの」
「あ?」
「聞こえなかったか…なの。」
若干、嬢ちゃんの声に力がこもる。怒ってる訳じゃないみたいだけど。
「ふむ。……了解。」
俺は拳を更に強く握る。
両足の裏をしっかりと畳みに抑えつける。
「っ…(空気が…変わった。気合い…いや、殺気って感じか。)」
岡崎亮は無意識に押手構えから三戦の構えに切り替えた。
頭が理解するより身体が心が防御を選んだのだ。
「ん…」
対する紅は妙な感覚にとられた。
もちろん、俺は防御の構えなんか知らない。
だけど、理解(わかった)し…見えた。
ザッザッザッ…ドッ!
「が…ぁっ…ぁ?!」
ミシッ…
俺は気がつけば腹のど真ん中をぶん殴っていた。
岡崎くんは腕の中で身体をくの字に曲げてゲホゲホと咳き込んでいる。
「そこまで…なの。」
嬢ちゃんが終了のジャッジを下した。
俺は拳を解いて岡崎くんを床に座らせた。
背中を撫でて言った。
「大丈夫か?」
「ごほっ…えほっ…かはっ…だ、大丈夫だ。」
「なぁに、ちょっとやそっとで壊れるような鍛え方はしてねぇ。なぁ、亮?」
羅漢のおっちゃんはまだ呼吸が乱れたままの岡崎くんの頭を乱暴に撫でた。
岡崎くんは若干、つらそうに笑った。
その様子はまるで、親子みたいに見える。
「それより、兄ちゃん中々おもしれぇ技つかうじゃねぇか。」
羅漢のおっちゃんはズイッと近づいてしみじみと見る。俺より小さいのにすごい圧迫がある。
俺は間抜けな声を出した。
「へ?技?」
「なぁに、誤魔化してんだ。まぁ、たしかに完璧ったぁいえねぇが。十分かたちにはなってぜぇ。さっきの三歩破軍」
「さんぽはぐん?」
羅漢のおっちゃんが何を言ってるかさっぱりだった。
「ふぅ…羅漢の。そいつには…まだ何も教えない…なの。」
「ぁん?っーてぇと…あれか?黙ってたのかい?」
「別に…使えるか使え無いか判断してから話すつもりだった…だけなの。」
嬢ちゃんはスッーと目を細めて俺を見る。
「よくわかんねぇけど…?昨日からただ歩かされてたって訳じゃないんだな。それで…判定のけっかは?」
「当たりまえ…なの。……相変わらず…雑。歩法の動きは…バラバラ。最後の…力技はギリギリ合格……総合結果は……まぁまぁなの。」
嬢ちゃんはほとんど誉めてくれない微妙な評価をくれた。