「よ、よよ、良かったぁ～。私、実はお医者さんに憧れてて…」

コマリは分かりやすく喜んでパァッとテンションが上がっている。

「医者…」

(『ほっほほ、少し検査しときますかな？』)

(『あ、悠さん！新薬の実験につきおうてくれまへんか？』)

「……」

柳と空の笑顔が浮かんだ…俺が知る医者と言う人種は……酷いな。

「……駒狸さん。」

「ひ、ひゃい？！」

「俺、応援する。頑張って良い医者になってくれ。」

ガシッ！
俺は両手で駒狸の手を握って真剣に応援した。

「は、はい…あ、ありがとうごさいますっ…///」

「んっ？……ちょっと悪い。」

「へっえっ？ひゃぁっ！」

ｻﾗｯ…
雷果の前髪を撫でた。
すると、健康的な肌色で緑と青のドットアイをした小柄な顔が出てくる。

「……………」

「あ、あのナニか？」

「いや、ストレートかと思ったら、結構癖毛だったりする？」

「か、髪ですか？凄い…正解です。」

ポケットから取り出した☆の髪どめで前髪を止めて、かなりの数のピンで後ろ髪をまとめる。

「今ストパー当ててるんですけど、凄い癖毛で…普段はこれぐらいピンで止めてるんですよ。」

まだ、後ろ髪はピシッ、ピシッ、ピシッと、いくつかツンツンにはねている。

「……………」

「悠君？」

「似てる……駒狸さん！」

「へ？ひゃっ？！」

俺はコマリの肩に手を乗せる。

「あ、あの、あの、どどうどーした…」

ガラララ…

「起きたか小鳥遊悠！」

ドアが勢いよく開いてゾロゾロと猿渡達が入って来た。

「「「「………」」」」

チィーン…

「ひゃぁ//」

バッ！とコマリは俺から離れて壁側に移動する。

「何だ、思ったよりピンピンしとるな。」

天馬が髭を撫でながら俺を見てくる。

「いやぁ、まさか雷果ちゃんとイチャついてるとはなぁ。」

対して猿渡はニマニマとエロオヤジ丸出しの顔だ。

「別にイチャついては無いが……待ってたぜオッサン方。」

コキコキっと首を鳴らして立ち上がる。

「私はオッサンじゃないけどねっ？」

たゆんっと爆胸を揺らして鳥井は鋭い視線をぶつけてくる。

「失礼……オッサン&爆乳さんと婆さん。」

「まぁ、よしね。」

「誰がババァだよ！」

まんざらでもない様子の鳥井とややキレ気味の駒狸。

「アンタ等が鬼強ぇのは良くわかった。それにいきなりの挑発。乗った俺もアレだが……再挑戦させて貰うぜ。」

「ほぉ、懲りない奴か？それとも馬鹿か？」

九頭竜が一歩前に出て来て質問する。

「マジゲンカ(真剣喧嘩)のルール。ボコボコになって倒されて…唾吐き掛けられようがな……此処が負けてなきゃ敗けじゃねぇんだよ。」

ドンっ…
俺は胸を叩き。
上着を脱ぎ捨てる。

「はわぁっ(悠君…)」

「ふん、真剣喧嘩かなんかは知らんがな、力の無い奴がほざくなや！」

ギャリリリィ！
九頭竜は怒鳴りながら、右腕と左腕を回転させ打ち込みと同時に踏み込む。

「っ？！！」

「悠君！！」

ドッバアァァァん……