「さて…遅ばせながら…紹介する…なの」

ｶﾗﾝ…ｶﾗﾝ…ｶﾗﾝ…
襲撃者たちは面を外しながら真桜に近づき。

「痛っ…猿渡。十神将が一人猿渡東(さるわたりあずま)だ。」

先ほど額が裂けた。
四十代後半位で…名前どおり猿っぽい顔をした、猿渡東。

「調子に乗って油断し、間合いにズカズカ入り込むからだろ……天馬将(てんままさる)だ。」

白髪混じりの黒髪を後ろでバッチリ結わえて中々立派な口髭を蓄えた、天馬将。

「ふふ、同じく十神将の1人、鳥井鳳(とりいほう)よ」

青白い長髪が肩くらいまであり、細い切目で…巨乳というか爆乳に胴着、袴姿の鳥居鳳。

「…九頭竜…九頭竜道玄(くずりゅうどうげん)」

やや跳ねた黒髪で…
デカクて腕や足がガチガチの石みたいな身体をした、九頭竜道玄。

「百目鬼雲水(どうめきうんすい)だ。」

中年～初老な見た目だが頭がモヒカンで左の額から崩し文字で【鬼】と刺青の入った百目鬼雲水

「駒狸水仙(こまりすいせん)、で此方が」

艶やかな黒髪で右目が青、左目が緑のおばさん…駒狸水仙

「あ…駒狸雷果(こまりらいか)です」

水仙の後ろから中、高校生？くらいで、黒髪が長すぎて顔が隠れている、駒狸雷果

「四季家が1人、夏喜家現当主…夏喜天地(なつきてんち)」

夏の夕暮れの様なオレンジ色の長髪に、ほりは深いが目元が海そっくりな顔をした、天地

「同じく四季家が1人、冬花家頭領…冬花夜見(とうかよみ)」

3人の中では一番若いが右の額から目を通り頬半ばまで一筋の傷がある…夜見

「同じく四季家が1人、春野家頭…春野琥珀(はるのこはく)じゃ」

3人の内で最年長で身長も一番低い…琥珀

「そして…四季家が1人…秋月改め…秋宵月真桜……なの。」

「もしかして、親父が言ってたコーチって…」


「この面子に鍛えて貰える何て普通あり得無い…なの」

真桜は淡白な表情ながら微かに笑みを浮かべる。

「はーい。質問、そんなに、凄いのか？」

ﾋﾞｼｯと紅が手をあげて質問する。

「当たり前なの。今、ここに居るのは…皆、その道の…達人なの。」

「ぼそぼそ(花王どう思う？)」

「ぼそぼそ(………私の記憶違いじゃなかったら。戦神と謳われる羅漢のライバルと言われてる人が琥珀だったはず…かな。)」

「(マジ？)」

「かっかっか、こんな若いお嬢さんがワシの名を知っとるとはのう。」

「「！？」」

琥珀の声に鈴猫と紅はビクッとなる。
それなり離れていて、ひそひそ話だったのに…恐ろしく地獄耳。

「いや、そんな事より、ちょっと待て！」

並んだ達人たちを無視して、俺はしゃがみながら真桜の両肩を掴んで視線を合わせる。

「どした…なの。」

「どっから俺をはめた(芝居だった)？」

「……は・じ・め・か・ら…なの。」

真桜は俺の鼻先をチョンと指で突いてくる。

「初めからって…じゃあ親父とは？」

「兜馬からの電話は…本当なの。冴えない愚息を…頼むと言われたなの。」

「……」

「頼まれたから…一芝居噛んで貰った…なの。あと、帽子も…共犯…なの」

「あはは…頼まれちゃって。」

優日はごめんね。っと手を合わせて笑う。