ー夏休み編ー悪と邪鬼
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「普通の拳(パンチ)は、こうです。」
ひゅ…パチン!
卯天は軽い拳を打つと俺の手のひらに当り小粋な音がする。
「もっとも一般的な打撃です。」
「あぁ。」
「次は掌打、かるい通背掌をやります。」
ぴと…
俺の手のひらに卯天は掌を重ねる。
「まず、腕の力を抜きます。」
すっ……
掌は重ねたままで手首から後ろだけ重心が下がる。
「では、いきます。」
ンッ!
「おっ?」
卯天の掌が微かに揺れたと同時に俺の腕の中に衝撃が走る。
「これが通背掌です。当てるでは無く…」
「振動を押し込むって感じだな。手っうか…掌で。」
「正解。そして、この技の最大の利点はそこで僕や摩耶さんには大きな武器になるんです」
卯天はパチパチと手を叩く。
「利点?」
「例えば…全身が鋼の様な筋肉に覆われた金剛さんには僕がいくら殴った所で大したダメージは期待できません。」
卯天はグラスを持ち上げ、コツンと叩く。
「そりゃ…な。」
あの身体を下手に殴ったら逆に自分の手が壊れる気がする。
「筋肉の鎧を破るのは無理です。だから中を揺らす。」
そう言いながら、今度はグラスの中身が波打つ様に叩く。
「中を揺らす??」
「ふふ、ここが揺れるとどうなります?」
頭を指差す。
「ん………あぁ!そうか!?」
俺は馬鹿だ。
今、やっと気がついた。
「そうです。外部(身体)が硬くて駄目なら中身(脳)を打つんです。」
卯天は穏やかだが何処か怖い笑顔をつくる。
「どんなに身体を鍛えても内部(脳や内臓)は鍛えれません。誰しもが持つ絶対的な【ウィーク】弱点【ポイント】です。」
「ぉ…ゴクッゴクッ…」
俺は酷く喉が渇いていて声が出なかったので烏龍茶を一気に飲み干た。
「驚いた…中国武術は理合が多いって聞いてたが、正にそれだな。凄いよ。」
「いえ、能弁垂れてますが僕の通背掌…というか心意六合拳じたいが未完成なんです。」
「えぇ?!あれでか?」
「はい。僕の掌は威力も貫通性も低いので脳を揺らすなら頭に近い部分を狙わないといけませんから。」
実際はまだ実戦に使える物じゃないと言われた。
「それなのに俺は敗けたのか…」
「あの時、岡崎さんは油断しましたからね。人中に当てれました。」
「はは……ん?なぁ、やられた俺が言うのもなんだが、人中より顎狙った方が確実じゃないか?」
「え、だって人中に打ち込んだ方が痛いしょ?」
卯天は笑顔で答える。
「……」
う~む…卯天君はSが入ってる気がしてきた。
「悠さんは知りませんけど、摩耶さんは片手で金剛さんをぶっ飛ばせるらしいですよ。」
「化け物かよ…」
「あはは(間違いでも無いですよ)。ところで、ヒントになりました?」
「……にっ。」
俺は笑顔をつくる。
「お力添えできたみたいですね。じゃ、僕はそろそろ失礼しますね。」
「あぁ、ありがとう。またな。」
ペコリっとお辞儀をして卯天は先に席を立つ。
ひゅ…パチン!
卯天は軽い拳を打つと俺の手のひらに当り小粋な音がする。
「もっとも一般的な打撃です。」
「あぁ。」
「次は掌打、かるい通背掌をやります。」
ぴと…
俺の手のひらに卯天は掌を重ねる。
「まず、腕の力を抜きます。」
すっ……
掌は重ねたままで手首から後ろだけ重心が下がる。
「では、いきます。」
ンッ!
「おっ?」
卯天の掌が微かに揺れたと同時に俺の腕の中に衝撃が走る。
「これが通背掌です。当てるでは無く…」
「振動を押し込むって感じだな。手っうか…掌で。」
「正解。そして、この技の最大の利点はそこで僕や摩耶さんには大きな武器になるんです」
卯天はパチパチと手を叩く。
「利点?」
「例えば…全身が鋼の様な筋肉に覆われた金剛さんには僕がいくら殴った所で大したダメージは期待できません。」
卯天はグラスを持ち上げ、コツンと叩く。
「そりゃ…な。」
あの身体を下手に殴ったら逆に自分の手が壊れる気がする。
「筋肉の鎧を破るのは無理です。だから中を揺らす。」
そう言いながら、今度はグラスの中身が波打つ様に叩く。
「中を揺らす??」
「ふふ、ここが揺れるとどうなります?」
頭を指差す。
「ん………あぁ!そうか!?」
俺は馬鹿だ。
今、やっと気がついた。
「そうです。外部(身体)が硬くて駄目なら中身(脳)を打つんです。」
卯天は穏やかだが何処か怖い笑顔をつくる。
「どんなに身体を鍛えても内部(脳や内臓)は鍛えれません。誰しもが持つ絶対的な【ウィーク】弱点【ポイント】です。」
「ぉ…ゴクッゴクッ…」
俺は酷く喉が渇いていて声が出なかったので烏龍茶を一気に飲み干た。
「驚いた…中国武術は理合が多いって聞いてたが、正にそれだな。凄いよ。」
「いえ、能弁垂れてますが僕の通背掌…というか心意六合拳じたいが未完成なんです。」
「えぇ?!あれでか?」
「はい。僕の掌は威力も貫通性も低いので脳を揺らすなら頭に近い部分を狙わないといけませんから。」
実際はまだ実戦に使える物じゃないと言われた。
「それなのに俺は敗けたのか…」
「あの時、岡崎さんは油断しましたからね。人中に当てれました。」
「はは……ん?なぁ、やられた俺が言うのもなんだが、人中より顎狙った方が確実じゃないか?」
「え、だって人中に打ち込んだ方が痛いしょ?」
卯天は笑顔で答える。
「……」
う~む…卯天君はSが入ってる気がしてきた。
「悠さんは知りませんけど、摩耶さんは片手で金剛さんをぶっ飛ばせるらしいですよ。」
「化け物かよ…」
「あはは(間違いでも無いですよ)。ところで、ヒントになりました?」
「……にっ。」
俺は笑顔をつくる。
「お力添えできたみたいですね。じゃ、僕はそろそろ失礼しますね。」
「あぁ、ありがとう。またな。」
ペコリっとお辞儀をして卯天は先に席を立つ。