「……そうだな、今のはお前が正しい。」

崇は視線を悠から外す。

「……」

そう、はっきり認められると恥ずかしい様な嬉しい様な気持ちなる…

「そ、そうだ、何でスーツ？」

「あぁ、葬式だ…ちょっと組の方で色々な…」

「色々…」

多分深くは聞かない方が言いに違い無い…

「悠、もしかしたら……」

「え？」

「…いや、何でも無いじゃあな」

崇はベンチから立つ…

「なぁ崇…」

後ろ姿に声を掛けると…

「……何だ？」

崇は振り返らずに呟く。

「もし、俺がお前を本気で好きだってたらどーするよ？」

負けっぱなしで行かして終うのがシャクだったので悠は、にひひと笑いながら質問した。

「……」

このまま、無視かキレたなら俺の勝ちと悠はニヤニヤ笑っていたが…

「その時は…アメリカにでも行って籍入れるか…お前が養えよ、俺は英語ダメだからな。」

「！」

崇は軽く手を挙げて、出入口に待たせてあるRVに乗って行ってしまう…

「………男で良かった…女なら落ちてたよ…」

悠は破裂しそうなくらい動いてる心臓を落ち着かせ、止まらない汗を拭うのに必死だった。


「悠～話しは終わったか？」

崇が行ったのを見計らって紅が近づいて来る。

「お…おぅ…終わった。」

「何かすげぇ汗だけど平気か？顔も紅いぞ？」

「夏の暑さは…恐いからな。帰るか…まおの鍛練が待ってるし。」

「だな…花王は愛美と少し話して行くってさ。」

「そうか…じゃ、行くか…」

「おう。」

また、一つ迷いが消えた気がした…

夏は…熱気と同時に牙を向けて来るが…

今なら…正面から挑める覚悟を決めれた気がする…




NEXT…