ｰ悠の部屋ｰ

「くぅ～…くぅ～…」

きぃ～…
扉がゆっくり開き…

トテトテ…

「くぅ～…くぅ～…」

「悠起きろなの…」

ペシペシと悠の頬を叩く。

「う…う～ん…あと少しだけ……むにゃ」

「……」

「ん～……鈴猫…優日…むにゃ…」

「………」

トテトテ……
一旦部屋から出ていき…


「……ほれ。」

ドゴッ！？

「オブッ？！」

腹部に何かが落下して悠はvの字に身体が曲がる。

「起きろなの。」

「が…がはっ…な、何？何が……スイカ？」

寝惚け眼を擦り自分の腹を見るとスイカが乗っている…

「ようやく起きたか…おはようなの…」

視線を横に向けると秋宵月がボーリングの玉を持ち上げている…

「お、おはよう……そのボーリング玉はどーする気だ？」

「起きなかったら、股間に落とす気だったの。」

「朝からこの仕打ちって…お前は何か俺の股間に恨みがあるのか？」

「別にぃ……けど、多少興味はあるなの」

秋宵月はじっ…と視線を移す。

「見るな……っか何の用事だ？」

何となく下半身の毛布を押さえつつ要件を聞く。

「ロードワークしてこいなの。」

「…は？」

「今4時だから7時まで走って来いなの」

「………マジすか？」

「マジなの。下の客は真桜がどーにかしとくからさっさと行けなの。」

「はぁい………」

悠は服を着替え出発した…

「……さて、おい、前髪御下げ起きろなの」

ソファーで寝転んでいる紅の御下げを引っ張って起こそうとする。

「う～ん……あと少し…」
「…ほれ。」

ズゴッ！
紅の腹部にスイカが投下された…

…………



ｰ広間(悠の家)ｰ


「はぁはぁ…あ、朝…朝から…本気で走ったの何か何年振りだ…か…」

ロードワークが終わり肩で息をしながら広間に入ると

「お帰り…なの」

「お帰りなさい。」

秋宵月と鈴猫が出迎えてくれる…

「お、おぅ…ただいま…」

悠は少し緊張気味に返事を返す。

「あ、大丈夫…「一応」昨日話しはついたから…」

「ふん…嫉妬猫の相手は厄介なの…」

「散々投げ飛ばしたくせに一発くらいお相子よ」

「……」

どうやら昨晩かなりやり合ったらしい…

「(っか…鈴猫はまおに一発入れれたんだ…。)み、皆は帰ったか？」

「何人かは後でまたくるって言ってたなの」

「そうか…」

「じゃ朝食の用意するの……そろそろ起きて来るだろうし…なの」

「起きて来る？」

話して居るとドアが開き

「っ～う～…秋宵月の嬢ちゃん少しは加減…を？悠おはよ。」

「お、紅居たのか、おはよ。」

「いゃあ…朝から反復横跳びして、その後ぶん投げられてよぉ…今まで伸びてた。」

悠の隣に座りながら苦笑いをする。

「反復横跳び？」

「御下げは身体に比べ足まわりが弱いそれに武道経験者じゃ無い、だからフットワークと受け身が必要なの」

悠と紅の前に味噌汁、ご飯、卵焼き、焼き柳葉魚を並べていく、鈴猫と真桜。

「お、うまそ……ちなみに俺が走らせたのは？」

「身体に入った煙草の毒を抜くためと少し寝言がムカついたからなの。」

「ｽﾞｽﾞ……(あれ？今何か私怨混じって無かった？)」

プルルル…
プルルル…

誰かの携帯が鳴る。


「はい？もしもし？うん、うん…はいはい。わかった。じゃ…」

紅は電話を切り…
いただきますと朝食を食べ始める。