「勁…「なんか」ってのは何よ…勁とは則ち氣、氣とは心胆。心技一体有らずして武の神髄は見えずよ！」

「心技一体は技に支えられ初めて一体となす、支えが細い状態で無駄に心をデカくしても意味がないの。」
「あ、あの…お二人さん？」

「心を学べば技が着いていくのは通りでしょ！」

「時間があればいいけど、時間が無いなの。今は一刻も早く……」

「ちょ！ストップ！2人ともストップ！ストッープ！」

悠は鈴猫と秋宵月の間に入り、言い合いを中断させる。

「と、とりあえず、仲良くな？仲良く…」

「悠はそんな猫の肩をもつなの？」

「誰が盛りの着いたメス猫よ！」

「落ち着け鈴猫、「盛りの着いたメス」は言ってな…」

「盛りの着いた雌猫～なの～」

秋宵月は悠の背中に登り、わざわざ言い直して挑発する。

「こ、この！もぉ怒ったわよ！悠退いて！」

鈴猫は膝を軽くまげ腰を落として構える。

「ちょ！」

「ヒステリックな猫はみっとも無いなの～」

ぺろ…
秋宵月は更に挑発する様に悠の頬をぺろっと舐める。

ブチ…

「ふ、ふふ……いいわ。悠！」

「は、はい？！わぷっ？！」

ぎゅう…
突然抱きしめられて、鈴猫の胸に顔を埋めてしまう…

「やっぱり、アンタは危険よ、危険。悪いけど、悠の側には置いとけない！」

「ムググ！ムガガ！(息が！っか首！)」

抱きしめられたまま引っ張られ首がイイカンジに絞まっている。

「…ほい、なの。」

悠の脚を弾く様に叩き…

「きゃ！」

ズデン！

「ゴぁッ！」

悠は鈴猫の腕(胸)から滑り落ちる様に畳に倒れる。

「これは真桜のモノなの勝手に手を出すななのー」

デン！
秋宵月は悠に馬乗りになる。

「何なら鍛練ダケでなく夜の鍛練も付き合ってやるのー……」

くいくい…
秋宵月は服の胸元をチラチラと見せつけてくる。

「お、お前は何を…っか、誰が誰のものぉっがぁ？！」

「あ、アンタね！そんな小さい胸で悠が満足するわけ無いでしょ！」

悠を引っ張る様に抱きしめ(首を絞めつつ)…
「じ、絞ま゛っでまず(…っか鈴猫ざん！頭に何かやわらい物が2つ乗ってますよー！！)」

「ふん、ロリが最凶なの…この未成熟をたしなむ通な男になるといいなの。」

「本性現して来たわね！凹凸無しっ娘！」

「五月蝿いなの、八極バカ淫乱猫～」

ドダダ！バギ！ズカ！ゴッ！

ｺﾞﾛﾛ…

「はぁはぁ…つ、付き合ってられるか…」

悠は何とかＳ級立ち入り禁止区域から転げながら廊下に出た。

「いやぁ…悠の側に居ると本当に色々面白いな…」

「…紅、何時からいた？」
「秋宵月の嬢ちゃんと来たけど入るタイミング無くてな…部屋まで運ぼうか？」

「…うん、お願い」

悠は紅の肩を借りて立ち上がり。

「…悠も大変だな。」

「…何かお前の優しい言葉が胸に染みて怖い…」

何とか部屋に向かって悠はベッド、紅はソファーで床についた。