「……え？と？」

「はい……昨日の一件覚えていまして…」

「……あの、俺はﾑｷﾞｭ？！」

鈴猫は悠の口を指で塞ぎ。

「先に聞いて……昨日の事に嘘は無いよ。私は…悠が好き……けど今日色んな人に色んな話を聞いて…色々分かっちゃた。」

「？」

悠は首を傾げる。

「だから…返事はまだ、いらない。と言うか…今言って何だけど………いったん忘れて。…きっと今の悠には重荷になっちゃう。」

「……」

「だから、今は頑張って強くなってください。」

鈴猫は心からの笑顔を見せる…

悠はスッと一歩分後ろに下がり

パァン！

っと服をただし…

「……この、小鳥遊悠、男…いえ、いち、喧嘩屋(武道家)として…桜花鈴音に感謝と敬意…そして、友愛の念を…払わせていただきます。」

土下座で精一杯の礼を伝える。

「～～～//…っはい。」

鈴猫は元気いっぱいの返事を返す。

「…俺からも1ついいかな？」

悠は土下座のまま呟く。

「何？」

「…八極拳を教えて下さい、俺は勁を打ち出すのがどうも下手で……是非御教示をお願いしたいです。」

「あ…そんな事なら全ぜ…」

ｶﾗﾗｧ…

「はい、御取り込み中失礼するなの」

「ずぁ？！」
「わぁ！？」


秋宵月がいきなり障子を開けて入ってくる。

「ま、まお！お前いつからいた！」

「格好悪い～の辺りからなの。」

まったく、悪びれた様子なく答える。

「つまり、ほとんど初めから聞き耳立てていたと…」

「まぁ、そうなるなの。それより……今、八極拳を習うのは許可しないの。」

「ど、どうしてよ！」


「どうしてもこうしても無いの…今、悠に必要なのは集中力…勁なんかは必要じゃない…なの。」
「勁なんか？」

ﾋﾟｷ…
真桜と鈴猫の回りの空気にヒビが入った気がする。