ｰ駐車場ｰ

海達はみなみと帰る事になり別れ。
悠は紅、鈴猫と合流したが…

「ﾊｧﾊｧ…くそ、やっぱやせ我慢する物じゃねぇか」

紅の肩を借りて悠はゆっくり歩いていく。

「かなり熱もってるな…平気か？」

「……悪い。」

「謝るなよ。」

「悠やっぱり車回してくるよ」

「…うん、頼む」

鈴猫は別で帰る予定だったが紅は免許を持って無いので着いてきた。

鍵を渡して悠達は病院に向かった。


ｰ医術総合病院ｰ

「これはまた…一体どんな店に行ったんですかな？」

寝る寸前だったらしく珍しく白衣姿でない天才老医こと柳は背中の傷を見て訪ねる。

ちなみに柳が居る理由は帰るのが面倒だから、ここで寝泊まりしているらしい。

「はぁ…悪りぃけど、結構限界だから…」

ツッコミを放棄する悠。

「ふむ…傷は安静にしておけば塞がりますが……流石に痕が残るかもしれませんぞ？」

柳は薬を傷に塗り込みながら話す。

「痛っ…あ、痕なんか気にしねぇよ痛っぅ…」

「背中はOK…次は前ですな…」

「うぅ…」

恐る恐る前を向き。

「ふむ…。殺法ですか…実に興味深い…」

薬を傷に練り込みながら柳はブツブツとマッドサイエンティストドクターモードになっていく。

「ぁ゛ぁ゛ちょ…や、柳染みる…」

「ほっほほ、私は染みませんから気にせんでいいですぞ。」

「い、いみふめいな事を言うな…痛っ！」

「ほっほほ、次は口の中いきますぞ」

「うぅ…」

何とか傷に薬を塗り終わり包帯とガーゼを着けて、痛み止を打ち傷の治療は終了した。

「明日の朝まで痛み止は効くと思いますので次の日は薬を飲んでくだされ。」

「あぁ…」

「それと、今日は入浴はいけませんぞ？まぁ明日には被膜が再生しておるでしょうから構いませんが…暫くは背中の傷に響くので両手を広げたり本気で拳を放たぬようにしてくだられ。」

「OKOK」

悠は適当に聞き流しながら行こうとしたが…

「……Jr.」

「ん？」

「右肩、無理やり外しましたな？」

「うっ…」

「やるなと言いったはずですが？」

悠を見ずにカルテを書きながら柳は呟く。

「…仕方なかったんだよ。」

「ふぅ…あまり無茶ばかりすると右肩壊れますぞ？」

「…わかったよ。もうやらねぇ。」

「ま、期待せず信じておくとしますかのぅ。」

「は、じゃあな。」

悠は病院を後にする…

………

ｰ小鳥遊家(悠の部屋)ｰ

礼がしたいと悠は2人を家に誘った。

「ま、散らかってるけど楽にしてくれ。」

部屋の電気を着けて悠は台所に降りていく。
「全然散らかってるとは思え無いんだけど…(これじゃ私の部屋のが散らかってるかも)」

「おー広いし本がいっぱいだな。」

紅は珍しい物でも見るように本棚にある本を確認していく。

「……(そういえば、悠しか居ないのかしら？)」

鈴猫はベッドに腰掛けふと玄関に自分達の靴しかなかったのを思い出す…