バダン！
奥の出入口の扉を叩き割らん勢いで開ける。

「海！翡翠！星凪！無事…？！」

3人の名前を叫び安否を確認しようとしたが…


「ぐぶっ…ぁ」

ドザッ…

「はぁはぁ…」

舞台の上では数人の男が倒れ、その中央で海が肩で息をしていて側では翡翠達がいる…。

「海！！」

「！！」

悠は観客席を飛ぶように降りていき海に近づく…

「来んな！」

「!!」

びたっ…
悠は一喝され動きが止まる…

「……何でや…」

「…海？」

悠に背中を向けている海の肩が震える

「約束したやん…うちらは平気やから…みなみ姉ちゃん頼むて……そんな、ボロボロでどうするんや！」

「う、海ちゃん…」

「……うみ…」

星凪、翡翠は海に近づき、困った顔で俺を見る。

「……」

ぎゅ…
悠は3人を無言で優しく抱き締め…

「っ…」

「ごめん…俺、馬鹿だからさ…お前らの事が心配だったんだ。…ごめんな。」

「アホ…悠のアホぉ…」

海は振り返り悠の胸に顔を埋める…

「うん…ごめん。」




「何かわかんねぇけど…どうやら無事だったみたいだな。」

「ほっ……良かった。」

「……全然意味がわかんねぇどーゆ事だよ…」

追いついた紅達が見ていると…

「っ…ぉ…このガキども…」

悠の背後でヨロヨロと黄色と黒の服を来た男が立ち上がる。

「……海、誰にやられた？」

「今立ち上がったボケや…」

すっ…
悠も立ち上がり男を睨み付ける。

「っ…た、小鳥遊！！あ、いや、こ、これは命令で…」

男は後退るが…

ｶﾞﾁｬ…

「ほぅ…じゃ誰の命令か聞かせて貰おうか？あ？」

炎銃は銃を構え

「俺も是非聞きたいな。」

紅は両手にバットを持ち

「私も…ね。」

鈴猫は拳を握りながら男に近づく…

「ひっ！！み、宮塚さんのめ…」

「それは違うな。」

「「！？」」

ギィィ…
舞台から見て右側の出入口が開き…

「金剛に宮塚…と誰だっけ？」

「…本郷だ。」

金剛、宮塚それと担がれ伸びたままの本郷……が入ってくる。

「悠、どうもおかしいぞ？宮塚言ってやれ。」

「あぁ…俺、花王、本郷の部隊に炎銃の隊から小鳥遊悠は此処に来るって伝達が入ってたらしい。」

「俺は本郷からの命令って伝達が来たぞ？」

宮塚の発言に炎銃はそう答える。

「そ、そう本郷さんが伝えるように…」

「…本郷は伝達前は俺といた…。」

しゅるる…
宮塚は鞭を伸ばす…

「うぁ…ぁ…」

「おいおい…どうゆう事だ？」

ﾍﾟｷｷ…
左拳を鳴らしながら悠はゆっくりと男に近づく…

「い、いや…待て…お、俺は…命令されてだな…」

男は三方から離れる様に後退り始めるが…

「あらあら～嘘は良くありませんデスワね～？」

「！」

舞台から見て左側の出入口から数人が入ってくる…

「あ？千夜に戌塚…と…！？金髪ツイテール女…」

「ご機嫌様、小鳥遊様…自己紹介が遅れましてワタクシはデイジー、デイジー・クロ…」

まるで演劇でもしているかの様にデイジーは自己紹介し始めたが…

『俺が説明しよう。』

ガグッ！
金剛並の身長を持つ黒人に止められる。

「ろ、ローガン！ワタクシの自己紹介を…」

『俺はその男から、小鳥遊悠の居場所を聞いた、そうしたら20万で確実に合わせてやると交渉してきたぞ？』

ローガンは叫びまくるデイジーを無視して話す。