振り替えると…

高身長で前髪の一部を細い三つ編みにしてあり。

濃いグリーンのズボンに白地に黒いラインがランダムに走った半袖シャツを着た男が笑顔で近づいてくる。

「…(誰だ？)」

亮は見たこと無い男に注意していたが

「紅…テメェ、よくノコノコと…」

千夜は紅の胸ぐらを掴みあげ様としたが…

「おっと、待ちなって。」
パシッ…
紅は直前で千夜の手首を掴む。

「俺も悠の味方だ…っても信じらんないか？」

紅は笑顔のまま、聞き返す。

「あぁ、それだけなら今すぐテメェの頭に蹴りを入れる…」

ﾋﾟﾘｯ……
ザリッ…

気迫…
千夜から放たれる殺気に亮は距離を開ける中…

「千夜、もう少し話聞くべきだぞっと。」

戌塚が紅と千夜の手を引き離す。

「ふぅ…戌塚が居て助かった。詳しく説明してる暇は無いが…動いてるのは、花王、炎銃、宮塚恭司、北郷千春。多分指揮してるのは炎銃だ。あと花王は関係してないはずだ。」

「……情報を代わりに信用しろってのか？」

千夜は何時でも蹴れる体勢に身体をずらす…

「千夜～」

だが戌塚が間に入り蹴らせ無いように牽制する。

「俺が出せるのは情報と…これだ…」

紅はポケットから数枚ほどチケットを出し千夜に見せる。

「禅っう、うちの情報屋と知り合いの仔猫ちゃんから受け取った。これが有れば中にすんなり入れるぞ？」

「………わかった、けど忘れるな、組むのは悠を助けるまでだ。」

チケットと紅を交互に見て千夜は構えを解いて、手を伸ばす。

「OK…」

ｶﾞｼｯ！
紅と千夜は握手を交わす。

「なら、行こうぜ。面白くねぇ喧嘩を止めにな。」

「あぁ……戌塚、お前はタクシー使え。」

「ぬぁ？！そんな金無いぞっと！」

「金ならほれ。」

紅は戌塚に茶封筒を投げ渡す。

「これは…？」

「経費だ。要らねえてのに禅から渡された、使え。」
「助かるぞっと！」


戌塚はタクシーを捕まえに走って行く。

「さて、じゃ…千夜行こうぜ。」

「あぁ…」

2人は行こうとしたが…

「お、おい…」

亮が2人を呼び止める。

「えと…？君は？」

「俺は岡崎亮…悠の友達でランカーの1人だ…。頼む連れてってくれ。」

「「………」」

千夜と紅は一度顔を見合せ

「岡崎君…」

ﾋﾟｯ…
亮の前髪に何かが触れる…

「っ…？」

いつの間にか…
赤い物が亮の視界を塞ぐ…

「今のはだいぶゆっくり振った。受けも避けも視覚的反応も出来てない……残念だけどＤ級。良いとこＣ-級だ。悠を狙ってるのはそのレベルを遥かに超えてる奴だ。」

紅は亮に突き付けていたバットを背中に終う。

「むしろ君の後ろで居る仔猫ちゃんの方が面白い…(ＢＢ…いやＡ級か？)すぐ動ける様に間合いをとってる。」

「……」

千草はピクッと肩を動かす。

「何にしろ、岡崎君は連れて行けない。安心してくれ、悠はきっちり守る。何せ、大きな貸りがあるからな。」

ポンポン…

「…行くぞ」

「おう。」

紅は亮の肩を2、3度叩くと千夜と走って行く。




………