「初めから素直に言えば良いんだよ。…じゃあな。」

すっ…
銃を禅の頬から外し…

「ふっ…」

北郷は小さく鼻で笑い…

「おら、お前ら行くぞ」

炎銃と本郷は直ぐに店から出ていく……

「……宮塚…さん…」

禅はまだ残っている宮塚の背中に声を掛ける…

「……俺も炎銃のやり方は納得出来ない。っが、このまま黙っても居られない…」

崇ほどとは言わないが冷たい風の様な声…

「……わかり…ました…任せ…ます。」

「あぁ…」

宮塚は禅の方を見ずに返事をして炎銃の後を追う。

「どうも厄介な事になって来たわね。」

「…面目…無い…です」

隣に戻って来た稲葉に禅は頭を下げる。

「今のは仕方無いわ。私なら直ぐに伝えてた、一度でも抗おうとした貴方は立派よ。」

稲葉は左手で禅の肩を優しく叩き、右手で携帯を操作する。

「どちら…へ？」

「悠の事だから大丈夫とは思うけど………一応海ちゃん達も居るし助っ人を1人ね……あ、もしもし？」

「……助っ人…成る程…なら」

禅も携帯の短縮ボタンを押して、誰かに連絡を取り始める…

がっ…ダダダ…


この時、稲葉も禅も近くに居た男が慌てて飛び出て行った事に気付いて無かった。

………


～迫る脅威Ｂ・続～



ｰ外車(車内)ｰ

「Is an… whereabouts understood at a place?(所で…居場所は解っていますの？)」

ﾏｷﾏｷ…ｼｭﾙﾙ…ﾏｷﾏｷ…ｼｭﾙﾙ…

デイジーは自分の髪先を指でクルクルと巻いてはほどいてを繰り返し遊んでいる。

「Well is heard from the source who has that.(あぁ、ある情報筋から聞いている。)」

運転をしながらローガンはバックミラーで後ろを確認する。

「… which is where is it?(何処に居る…なの？)」
薄いワンピースの少女は相変わらず淡白な表情で窓の外を眺める。

注・以後『』は英語と思ってください。

『ﾋﾞﾌｫｱﾗﾝﾄﾞとか言う場所だ。』

『ビフォアランド！ですの？』

『え、あぁ…はい。』

髪の毛弄りを止めて、デイジーはグッと運転席に身を乗り出す。

『何でもいいなの…最後位楽しめばいい…なの。』

『あらら、やっぱり話し合いはしませんの？』

デイジーは少女の隣に座り顔を覗く。

『話し合い………』

『はっ…お嬢、親類を滅茶苦茶にする様な鬼ガキに話しが通じんのかい？』

『ローガン…口が過ぎますわよ？私はどうも悪い人には思えませんでしたの…』

『…1000や10000の言葉より１の拳…なの』

『日本の諺か何かで？』

『私の自伝、意味は自分で考えて…なの』

『私にはわかりませんわ…』

デイジーは始めから考える気が無いらしく。
また、髪の毛弄りを始める。

『馬鹿だから…なの』

対してワンピース少女も始めから期待してないと言う目でデイジーを一度だけ見る。

『だ、だから誰が馬鹿ですの！』

『デイジーお嬢あんまり騒がんで下さいうるさいんで。』

『確かに五月蝿いなの』

『うぅ～…』

………

不思議な三人を乗せた車は確実にビフォアランドに向かって行く…