～迫る脅威～

ｰ池袋西口(？？区室内闘路)ｰ

会議室の様に広く殺風景の一室…

「何だと？」

壁際で黒の長ズボンに灰色のタンクトップを着て、部屋にそぐわないウッドチェアーに座り。
足をパイプ机の上に投げ出し、不機嫌に聞き返す。

「は、はい、ですから禅さんから「小鳥遊悠には手を出すな」と伝達が各隊に回って来ています。」

B系のファッションで室内でもサングラスを掛けた男はもう一度伝達内容を伝える。

「……どの隊まで伝わってる？」

少し間を置いて灰色のタンクトップが男を見ずに訪ねると

「えと…虎琥狗さんは勿論。6番隊の紅さん。7番隊の天音さん。10番隊の禅さんは既に納得済み。8、9番隊は今虎琥狗さん自ら動いてるそうです。」

「……2、4、5番隊は？」

「は、花王さんは多分、小鳥遊の存在にすら気づいてません。てか紅さんの件も知らないかと…ですがどうも部隊が1人歩きしてるらしいです。」

ｷｨ…がちゃ…

「………今すぐ4、5番隊に連絡入れろ。」

ウッドチェアーから立ち上がり、側に置いてあるアタッシュケースを机の上に放り投げ…

「はっ？…ですが既に連絡は回っているか…どっぉ？！」

ｶﾞｷｯﾝ…
B系の男の口に冷たい金属…
ベレッタM92の銃口がねじ込まれる…

「なぁに勘違いしてる？」

「ひゃ、ひゃんひがい？(か、勘違い？)」

「俺が言ってるのは…小鳥遊を殺るから部隊を集めろってんだ…どぅゆーあんだすてぃん？」

ｷﾘﾘ…
トリガーに掛かった指に力がこもる…

「ひ、ひぇど虎琥…」

「…ゴム弾でもこの距離なら穴…開くぞ？」

ｶﾁｶﾁｶﾁ…
B系男は歯の根を震わせる…

「で？」

「れ、連絡してきます」

ドタタタ…ガチャン！

声を震わせ返事をし、B系男は涙を潤ませ慌てて部屋から飛び出ていく…。




～迫る脅威2～

ｰ???ｰ

扉を除き、全てが硝子張りで辺りを一望出来るホールの様な場所

「……この男が小鳥遊…悠なの？」

「そうデス…Accident but, three times,…for this, destiny…(偶然とはいえ、三度も…これは運命…)」

円卓に白いテーブルクロスを広げ向かい合う様に座る。
天然物の金髪をやや後ろでツインテールにして動き安そうなシルクブラウスにホットパンツ姿の少女はﾃｨｰｶｯﾌﾟを投げ捨てないばかりの勢いで振りながらうっとりと話す。

「Were you going what to do do? Is it stupid?(貴女は何しに行ってたの？馬鹿なの？)」

その向かい側に居る、新緑色のショートカットヘアで薄いワンピースを着た少女は無表情だが思い……っきり！馬鹿にした目をする。

「な！だ、誰がバカデスの！」

ダン！
明らかに高級ｱﾝﾃｨｰｸﾃｨｰｶｯﾌﾟをテーブルに力強く置く…

「…それより強いの？」

「そうデスわね。ストリートファイト専門みたいデスが…学生のレベルは軽く凌駕シテマスワ。」

「そ…けど、その程度なら弱いなの。」


「あら…手厳しデスワね。私は興味アリマスケド。」

「貴女は顔が良ければ何でもいいの？やっぱり馬鹿なの？」

相変わらず無表情のままだがワンピースの少女はかなりの毒を吐き出す。

「ま、またバカってイイマシタわね！」

ゴンゴン…
金髪ツインテール娘が再び怒鳴っていると扉が叩かれ…

「How does your Daisy daughter do? You say and has degree got tired?(デイジーお嬢、どうするんだ？いい加減飽きてきたぞ？)」

身長2ﾒｰﾄﾙは軽く超えていてドレッド頭でガタイの良い黒人が返事も待たずに入って来る。

「ローガン…今はお茶の最中デスワよ？」

「構わない。どうせ、もう行く…なの。Is it after Logan prepares a car.(ローガン、車を用意してなの。) 」

「Would you like Daisy daughter…?(デイジーお嬢…いいのか？)」

「It's inevitable, make it… quickness.(仕方ありませんわね…迅速になさい。)」

「It's understanding.(了解だ。)」


………