―廊下―

「ん・・・」

後ろを振り向くとみなみが居た

「みなみか脅かすなよ、はは」

俺は笑顔をつくりごまかそうとするが

「あの・・・本当に大丈夫ですか?」

「・・だいじょばないかも」

俺は壁にもたれ掛かる。

「何かあったのですか?それとも体調が優れないとか?」

みなみが心配してくれる。

「・・・なぁ今から少し時間ある?」

「えっあっはい大丈夫ですけど」

「じゃ、少しでいいから付き合ってくれないか」

「わかりました。」

俺はみなみを連れて出合った公園の近くにある喫茶店{男爵}に足を運んだ。

―男爵―


「いらっしゃい、悠君おや今日は一人じゃ無いみたいだね。」

店に入ると顎に白ヒゲを生やしたマスターが声を掛けてくる。

「ああ、ちょいとね奥の席借りるよ」

「かまわんよ、今日は貸切だ。」

俺はマスターに軽く会釈をして奥の席にみなみと向かう。

「常連なんですね」

みなみが座りながら話してくる。

「ああ、昔から良く世話になってる場所だ、何がいい?」

俺はみなみにメニューを渡す。

「えっいえ私は」

「付き合わせた事と今から愚痴を聞いてもらう分だ奢らせてくれ。それにここのマスターの出すものは一流だぞ」

「じゃあミックスジュースを」

「OKマスター、ミックスジュースとアイスコーヒーそれと何か軽くつまめる物を頼むよ。」

「わかった、少し待ってな。」

マスターは直ぐにコーヒーとジュースそれに一口サンドイッチを運んでくれて、奥に戻っていった。


「さて、まずは悪いな付き合ってもらって」

「いえ、大丈夫です。悠先輩と話すのは、す//た、楽しいですから」

「ありがと、呼び出されたのはしってるよな」

「はい、放送で聞こえていました。」

「それでなある奴から電話が掛かっていたんだ。」

「電話ですか?それってもしかしてお父さんからの?」

俺は面食らう。

「はは、参ったなみなみは鋭いな」

「あっいえ何となくです」

「そうだアイツから電話でな少しブルーになってたんだ」

「差し支えなければですが、どんな話をしたのですか?」

「話なんてして出来てない一方的に切っちゃったよ」

「いいのですか?」

「ああ、話しても喧嘩になるだけだしな・・・はははは、あーーすっきりした!!」

俺は笑い出してしまった。

「それは良かったです」

みなみは微笑を浮かべる。

「まったく俺は情け無いよなたかだか苦手な奴と電話したくらいで落ち込むなんてな」

「そんなこと無いですよ、悠先輩は情けなくなんかありませんよ」

「そうか?」

「私は知ってますよ、悠先輩の強さもやさしさも」

「やめてくれ照れるだろ」

「「あははは」」

二人で談笑していると

「どうやら話は終わったみたいだね」

マスターが顔をだす。

「悪いねマスター」

「いいよ、いいよ悠君それにしても美人の彼女だね」

「いっいいえ///」

みなみは顔を真っ赤にしている。

「あはは違うよマスター。みなみは後輩だよ。」

「そうなのかい?」

マスターはみなみに尋ねる。

「えっと//その//」

みなみは普段と違いわたわたしている。

「マスター困ってるだろ」

「いや、ははすまんね。どれこれは私からのサービスだよ」

マスターはアップルティーとアップルパイを持ってきてくれる。

「甘さ控えめだよな?」

「もちろん」

「じゃ頂くよ。なっみなみ」

「はい、いただきます。マスターさん」

マスターのアップルパイはとてもおいしく疲れを体から除いてくれた。

「ごちそう様マスター」

「ごちそうさまでしたとてもおいしかったです」

俺とみなみはマスターにお礼を言う。

「いくらかな」

「いいよ、元気になったみたいだしサービスだよ」

マスターがヒゲを撫でながら言う。

「ありがとうまた来るよ」

「今度はいつもの笑顔で頼むよ」

「はは、かなわないな」

俺とみなみは男爵を出る。


「ふぅみなみ、今日はありがとな」

「いえ、素敵なお店に連れて行ってもらえましたし悠先輩が元気になられて良かったです。」

「あの店のマスターはな爺さんと友人なんだだから昔から世話になってたんだ。」

「そうですか。」

「ちなみにバロンの名前はあの店からつけたみたいだ」

「男爵、英語でバロンなるほど」

などと話しながら歩いていき途中で分かれて俺は家に帰った。