ー夏休み編ー昼の顔と夜の顔(3)
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そして…ほんの数秒……
しかし、濃厚で数時間にも為りそうな程の数秒…
「なっ…ぁ……」
我が目を両の手を疑った……
紅はただ、殴ってた訳では無い…
蹴りは体勢の崩し
1打目の顎で動きを止め
2打目で顔を下げさせ
止めの打でガードも回避も出来ない状態をぶっ飛ばす。
力・技・理の関係をキッチリと繋げた1つの完璧な【武技術】だ…
その、技を…額で受け止めた男が目の前に居る。
「…………キ……ヒ…」
ガッ!
「ぐ?!」
悠はバットを右手で掴み、左手は紅の肩を掴み…
「掴まえた……おら?いくぞ?」
「(避けれない!)」
グィッ!
肩を引かれ…勢い付いたまま
がっ!
胸に右肘を打ち込まれ、腕が上がり拳で顎を穿ち…
ドッ!ズバッ!
同時に右足を股にの間に踏み込み、左肩を左に引っ張りながら右足を外に払い…
ドッ…オオォォン!!
空中で横に倒れていく紅の鳩尾に拳を打ち落とした……
「がっばぁ…かっ…がぁっ…ぅぇぁ…」
「はぁはぁ…連技…完成だっ…このヤロ…はぁはぁ…」
【連技・ーー(まだ、名前無し)】
悠オリジナル真技の1つ、肩を掴み手前に引くと同時に踏み込みながら打ち込む肘から更に裏拳に繋げ、掴んだ肩を外に引き、逆の足を払い下段突きを撃ち込む大技。
柔術の退
太極拳の裡門頂肘、綵提
ジークンドーのビルジー
合気道の転
空手の下段突きを1つにまとめた連続技とも言える。
「あー……頭痛てぇ…」
バックリと割れた額からはダクダクと血が流れる…
「あ、アニキ!血!血!無茶苦茶出てるぞと!」
「っ…やべ…結構深いかも…」
悠は額の肉を真ん中に寄せて無理やり止血していると……
パチパチ…
パチパチ…
パチパチ…
辺りから拍手が聞こえてくる。
「ずいぶん楽しいそうだな。」
「あ?……崇。」
パチパチ…
手を叩きながら氷の王様が近づいてくる。
「紅を倒したのは俺を除いてお前が初めてだ。」
「っ…何時から見てた?」
「初めからだここは24時で中継されてる。」
崇は顎を微かに動かす。
その方向を良く見るとカメラがある。
と言うか辺りの至るところに仕掛けられている。
「中々の内容だ…250万の賞金が出たぞ。」
「いらねぇよ…痛っっ…」
「う、うげべ…ゴボッゴボッ…」
血ヘドを吐き出し、身体を震わしながら紅が身体を起こす。
「紅、気分はどうだ?」
「うげっ…頭がガンガンしてうぷ…ぎぼぢわ゛り゛ぃ…身体を中痛…ぅぷ…」
「そうか、お前の敗けだ。」
崇のジャッジが下る…
「ぐぶっ…んぐん!…あー…最高で最悪に面白れぇ…崇さん、彼奴強いは…しかもかなり…」
紅はバットを杖代わりに使ってヨロヨロと立ち上がる。
「秋葉のランク1位だからな。」
「な…小鳥遊悠…あっげへげっふ!そ、そうか…聞いたことある訳だ……」
紅は参ったと言いたげに首を左右に振る。
「定時会議の前に紅は…いや、お前ら奥の車に乗れ。治療して風呂に入れ。」
崇は冷たく言い放ち車に戻って行く…