～人の本質～

ｰ夏期講習ゼミｰ

ジリリリン！ジリリリン！

「はい、以上で本日は終了します。」

昼になり終了のベルが鳴ると講師の先生は夏期講習を終了する。

「んぁ～…ちかれた～」

青髪のちびっこ、泉こなたは机の上に倒れて全身でだらけて疲れを表現する。

「こなた、まだ家じゃ無いんだからシャンとしなさいよ。」

その隣で紫のツインテールをした柊かがみは教材を片付けながら、少し困り笑顔でこなたを見る。

「う～…って！今からバイトだった！」

ガバッ！
髪の毛を散らしながらこなたは勢い良く起き上がりバタバタと教材をバックに押し込み。

「バイトなの？」

「うん、じゃ、また明日ねかがみん！」

バタタタ…
青い軌跡を描かんばかりの速さでこなたは教室を抜けて出ていく。

「こなたはバイトか…」

仕方ない1人で帰ろうとかがみも教室から出ると…

ガッ！

「きゃ…」
「ちっ…」

誰かが居たらしくぶつかってしまう。

「すいません、大丈夫で……」

かがみは謝ろうと視線を上げる。

「っ…前見て歩け。」

オールバックに銃弾のネックレスを着けた男…和辰千夜は舌打ちをして、睨みながら小さく毒づく。

「あ、和辰君…」

「あ？……あー小うるさい女。」

千夜は一瞬誰だ？と言いたげな表情を浮かべる。

「む、柊かがみよ！前自己紹介したでしょ！」

気の強いかがみは千夜でも気にせず反論する。

「はぁ…喧しいんだよ。元々興味ねぇし。」

千夜は小指で耳を塞ぎながらかがみを無視してさっさと歩いて行く。

「ちょ！もぅ！何なのよ！」

流石に千夜の態度に気分が悪くなる。

「かがみもここのゼミに来てたんだな。」

千夜の後ろ姿を睨んで居ると後ろから名前を呼ばれ

「何、だれ？」

かがみはやや不機嫌に後ろに振り向く。

「おいおい、いきなり噛みつくなよ。」

ツンツン頭でちょっと目付きの悪い男、岡崎亮は胸元で両手を広げる。

「あ…亮君。」

「何かあったのか？」

「え、いや…和辰君がね………」

かがみはさっきの事を亮に説明する。

「なるほどな…」

「そりゃ、ぶつかった私も悪いけど…あんな言い方は無いわよね？」

「まぁ、千夜はちょっと口が悪いからな。」

亮は苦笑いで答える。

「あんなんで友達居るのかしら…っていうか、亮君も夏期講習？」

「ん？あぁ、悠が最近予約制だから、空いてる日は千夜の付き合いでな。」

今日も朝イチから出ていて昼からは用事があるらしい。

「予約制って……え？和辰君の付き合いなの？」

「ああ。あれはあれで結構頭良いんだぞ？」

「見た目じゃわかんないものね…不良丸出しなのに。」

かがみはふーんと興味無さげに返事をする。

「……あー、かがみ昼飯は？」

「え？帰りにどっか寄るつもりだけど？」

「なら、ちょっと付き合えよ。良い店があるから。」

「なら、折角だから行くわ。」

「決定だ。行こう。」

かがみは亮についていく。

………