後の授業も同じ態度だったせいか休み時間になるたびに説教を受けた。

「はぁ…やってらんねぇ…」

ネクタイを緩め、シャツのボタンを上から外しながら教室に戻ると…

「「「……」」」

わざとらしく教室の空気が変わる。
理由は簡単誇り高い家柄の生徒が集まる由緒正しき学校に態度も礼儀も協調性も無いｸﾗｽﾒｰﾄが気に入らないのだ。

「……」

勿論俺に言わせればこんな檻の中で真面目に学生している方がおかしいと思うが……特に興味も無いので無視して席に座る。

「…あれ？」

机の中がスッキリしている…と言うか中身が床に捨てられている…

「ｸｽｸｽ…」「ｸｸ…」

四方から聞こえてくる笑い声…

「……」

ポリポリ…
2・3度頭を掻き…
腕を降ろした瞬間…

ドガッ！ガゴォォン！！

「「「！！」」」

机が空を舞い、壁にぶち当たり破壊的な音が教室を支配した。

「…誰がやった？」

足を蹴りあげ椅子に座ったまま低い声で呟く。

「「「……」」」

「…最後の警告だ、やった奴は今すぐ名乗りでろ出ないと……全員ぶっ飛ばす。」

ガダン！
座っていた椅子を立ち上がると同時に投げ飛ばす。

「「「！！」」」

「……そうか、ならテメェら…覚悟しろ。」

ガッ！

「ひっ…」

近くに居た奴の胸ぐらを掴み上げ

ﾐﾁﾁ…
右拳に力を込めると同時に…

「コラァ！なんの騒ぎだ！止めんか！」

異変に気付いた教師が怒鳴りながら入ってくる。

「るせぇ！」

「な、何だと…」

「るせぇってんだろ！」

「この…小鳥遊！」

どやどや…
がやがや…
ざわざわ…

…………

ｰ自室ｰ

「暫く頭を冷やしていろ！」

バダン！ガチャ…

「……」

結局俺が悪いことになり、俺は自室で反省と言う形になった。

「ふぅ…好都合だよ、バカヤロォが…」

足音が遠退いて行くのを確認して、俺は窓から飛び出した。

ガサッ…ガササ…トン！

「ふ…」

昨夜と違い辺りが明るかったので楽に木から飛び降りれた。

「ｸﾝ…(あ？ヤニ臭い？)」

「木の上から飛び降りて来るって何処のヒーロー？」

「!？」

バッ！
後ろから声が聞こえたので振り向くと…

「おにぃさんも[これ]？」

目を閉じているよ様に細い糸目で縁の細い眼鏡をかけた男がくわえ煙草をピコピコと振りながら座っている。

「……生徒か？」

「ん～…生徒に見えない位フケガオかなぁ？」

「……」

制服…
どうやら生徒らしいが…

「まぁ、それより。一服いかが？口止め料にサービス。」

ズズィ…
顔元に煙草を差し向けてくる。

「止めろ…くせぇから向けるな。」

「あれ？煙草嫌い？」

「大っ嫌いだ…」

「ふ～ん…そか。ふぅ～…」

何処吹く風な様子で糸目男は煙を吐き出す。

「……」

「あ、チクらないでね。」

「チクるも何も…此方も色々あんだよ…。」

「ん、じゃまた。」

「ふん…」

俺は糸目男の相手を止めて昨日とは逆のルートを探索に向かった。

「誰今の？」

壁の向こうから声が聞こえてくる。

「さぁ…木から落ちてきたからヒーローか妖精？」

「何それ…チクられんじゃ無いの？」

「ん～無いと思うよ。」

「何でわかんのよ？」

「雰囲気…だね。」

糸目の男は相変わらず煙草をくわえてピコピコしている。


………