ｰ男爵ｰ

「にょれれー、ばにょんはーうににきにゃんにゃー」

「それでバロンは家に来たんだ…」

柏が横で翻訳する。

「それ本当の話？」

「熊よりデッカイ犬何かおるんか？」

「ていうか、もう悠君ろれつ回って無いし…」

こなた、海、かがみは色々と疑問を呟く。

「にゃあにゃ…、にゃまにょにゃるにゃるにゃいにょっにゃにょはにゃにゃにゅにゃにょにょにょきにゃんはにょうにゃ？」


「さぁな…、山を丸々買い取ったのは事実だ。轟さんはどうだ？」

「さぁ…どうだろうな。」
轟は渋い笑顔を浮かべて全員の前に珈琲を並べていく。

「良く翻訳出来ますね…」
優日は思わずパチパチと拍手をする。

「しかし、その話が本当なら小鳥遊弥一は余程の化け物だな。」

崇は優雅に珈琲を一口飲み呟く。

[ヤバいとかの次元じゃないね。本当に地上最強。]

[まったくですね…]

摩耶と氷室が頷いていると…


「にゃにゃが、にゃいににゃにゃにたにょに！」

悠はぽこぽこと机を叩く。

「……何て言ってんだ？」
金剛が柏に尋ねると

「何が弥一だ、やっつけてやる。…アホ丸出しだな。」

「弥一さんへの敵意はこんな状態でも変わらないんだね…」

「こなっち、小鳥遊家で武に関わる男はバカか化け物しか居ないのよ。」

「「「ああ…」」」

千草の一言に全員が納得してうなずく。

「にゃにれがにゃかにゃ！」

「誰が馬鹿だ！」

悠と柏は同時に叫ぶ。

「だって馬鹿じゃん。」

「こ・い・つ・はな！」

ゴッゴッ！
指で悠のデコを突っつく。

「ふふ…」

その様子を見て笑ったのは轟だった。

「何だよ。マスターまで俺が馬鹿って言うのか？」

「いや、馬鹿云々は兎も角…小鳥遊家の人間と言えば極める人だらけなのは確かだと思ってな。」

「「「極める？」」」

「はは…どれ昔話とは違うが少し話そうか…あれは確か………」

轟は悠と柏を一度見て語り出す。