ー番外編ー過去と今
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某年某月某日…
ー男爵ー
店内にはマスターと2人の客しか居らず。
そして、2人の客はカウンター席でこんな話をしている。
「化け物?」
「そう、化け物だ。」
「化け物って…何時も訳の解らん話をしているが今日は一段とだな。」
コトッ…コトッ…
マスターの轟は2人の前に入れたての珈琲を置く。
「珈琲か…茶がいいな。」
「私は紅茶がいいな。」
「注文も無しに居座る客がサービスにケチをつけるな。」
「いいだろ、毎日足を運んでやってんだから。」
綺麗な黒髪だが手入れをしていないのでボサボサで態度のデカイ男は一息に熱々の珈琲を飲み干す。
「弥一少しは香りを楽しめ。」
「飲めば同じだ。」
「ま、他に行くところが無いからでもあるのだがな。」
後ろ髪を細い三つ編みにして左肩に流し眼鏡を掛けた男は角砂糖を半分だけ珈琲に入れる。
「柳…使うなら半分に割るな…」
「失礼、お代わりしたら使うよ。」
柳は珈琲カップを一度掲げて口に運ぶ。
「柳、それで、化け物って何なんだ?」
「…京の薊山を知ってるか?」
「薊山……確か神隠しが噂されてる山だったか?新聞に載ってたはずだ。」
轟は弥一のカップに珈琲を注ぎながら、左手で新聞を取り、2人の間に置く。
【恐怖!山でまた人が消えた!】
一面にデカデカと書かれたタイトルを見て弥一は興味無さげに鼻を鳴らす。
「今一番取り上げられてるニュースだな。」
「そうだ、噂ではこの山には神が居たが信仰心が無くなり落神となり山に入る人間を襲っているそうだ。」
「下らんな。柳、お前はそんな話を信じてるのか?」
「物事の結果は過程が有り起こる。少なくともこの山には何かが居る。」
「ふん、卓上の理論でしか語れん奴の言いそうな言い方だ。」
つまらないと言いたげに弥一は再び珈琲を一気に飲み干す。
「まぁまぁ、落ち着け弥一。つまり柳はこの事件は化け物の仕業と言いたいんだな?」
「化け物の仕業と断定はしてない。あくまでも例えだ。」
「……」
一々柳は引っ掛かる言い方をする。
「で、結局何が言いたい?」
「この山に住む「者」とはどの様な者かと思ってな。人間を襲って神隠しにする程の「者」だからな。」
カチャン!
「くどい、はっきり物を言え!」
弥一はカップをカウンター叩きつける様に置く。
「なら言おう、お前とどっちが上だ?」
「何?」
「最強の生物と山に居る者どちらが最強だ?」
柳はキュッと眉と目を細めて笑う。
「玩具を前にしたガキかお前は……」
「知的好奇心が旺盛なだけだ。」
弥一は首を振りながら席を立ち店から出ていく。
ー男爵ー
店内にはマスターと2人の客しか居らず。
そして、2人の客はカウンター席でこんな話をしている。
「化け物?」
「そう、化け物だ。」
「化け物って…何時も訳の解らん話をしているが今日は一段とだな。」
コトッ…コトッ…
マスターの轟は2人の前に入れたての珈琲を置く。
「珈琲か…茶がいいな。」
「私は紅茶がいいな。」
「注文も無しに居座る客がサービスにケチをつけるな。」
「いいだろ、毎日足を運んでやってんだから。」
綺麗な黒髪だが手入れをしていないのでボサボサで態度のデカイ男は一息に熱々の珈琲を飲み干す。
「弥一少しは香りを楽しめ。」
「飲めば同じだ。」
「ま、他に行くところが無いからでもあるのだがな。」
後ろ髪を細い三つ編みにして左肩に流し眼鏡を掛けた男は角砂糖を半分だけ珈琲に入れる。
「柳…使うなら半分に割るな…」
「失礼、お代わりしたら使うよ。」
柳は珈琲カップを一度掲げて口に運ぶ。
「柳、それで、化け物って何なんだ?」
「…京の薊山を知ってるか?」
「薊山……確か神隠しが噂されてる山だったか?新聞に載ってたはずだ。」
轟は弥一のカップに珈琲を注ぎながら、左手で新聞を取り、2人の間に置く。
【恐怖!山でまた人が消えた!】
一面にデカデカと書かれたタイトルを見て弥一は興味無さげに鼻を鳴らす。
「今一番取り上げられてるニュースだな。」
「そうだ、噂ではこの山には神が居たが信仰心が無くなり落神となり山に入る人間を襲っているそうだ。」
「下らんな。柳、お前はそんな話を信じてるのか?」
「物事の結果は過程が有り起こる。少なくともこの山には何かが居る。」
「ふん、卓上の理論でしか語れん奴の言いそうな言い方だ。」
つまらないと言いたげに弥一は再び珈琲を一気に飲み干す。
「まぁまぁ、落ち着け弥一。つまり柳はこの事件は化け物の仕業と言いたいんだな?」
「化け物の仕業と断定はしてない。あくまでも例えだ。」
「……」
一々柳は引っ掛かる言い方をする。
「で、結局何が言いたい?」
「この山に住む「者」とはどの様な者かと思ってな。人間を襲って神隠しにする程の「者」だからな。」
カチャン!
「くどい、はっきり物を言え!」
弥一はカップをカウンター叩きつける様に置く。
「なら言おう、お前とどっちが上だ?」
「何?」
「最強の生物と山に居る者どちらが最強だ?」
柳はキュッと眉と目を細めて笑う。
「玩具を前にしたガキかお前は……」
「知的好奇心が旺盛なだけだ。」
弥一は首を振りながら席を立ち店から出ていく。