-番外編- 過去と今
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―台所―
PM6:14分
「よっと」
玉子焼きを丸める。
「よし、上手に出来ましたーっと♪」
「ほほぉ、うまくなったの」
後ろから爺さんの声がする。
「おはよ、最初の頃よりはな。」
「まったくじゃ、前は玉子焼きがスクランブルエッグになってたしのー」
「けっけど、味は悪くなかったろ?」
「かっかか、朝飯は何だ?」
「ベーコンエッグと焼き鮭どっちがいい?」
「鮭で頼む。」
「あいよ、まかされた。」
―大広間―
「ふむ、ばぁさんの味に似てきたのー」
爺さんは味噌汁を飲みながら言う。
「そうか?」
「ああ、じゃがそれ以上に悠子(ゆうこ)さんの味になってきた・・・」
「・・・母さんの味か」
小鳥遊 紅葉(たかなし もみじ)
悠の母親、中学に上がる前に病気によって亡くなる。病名や症状は父親に隠されていて不明。
「まだ、気にしておるのか?兜馬(とうま)もきっと理由が」
「理由?理由があるなら何をしてもいいのか?母親が入院して居る病院すら教えず、死ぬまで秘密にしてあまつさえ俺に黙って葬儀を終わらせるなんて、俺は母さんの死に顔すら見せてもらえず、送ることすら出来なかったのに・・・」
小鳥遊 兜馬(たかなし とうま)
祖父の弥一から二代に渡り急成長を遂げた小鳥遊財閥の現社長。かなりの切れ者で冷徹でヘビースモーカー、しかし礼儀やることなす事に筋は通っている。
たが、体調を崩した紅葉の事を一切悠には話さず。葬儀も黙って挙げ、何を聞いても答えようとしなかった。そのことで悠と幾度も喧嘩になり、ついに手を挙げてしまい、悠は骨折するほどの怪我をする。それを弥一が引き取ったのだ。
「確かにそれは酷い事じゃ、わしですら知らなかった事だからな。」
「やめようあいつの話は、飯が不味くなる・・・」
重い空気が流れる。
「一ついいかの?」
「なんだよ・・」
「実はな家中の時計を一時間遅らせてあるんだが・・・」
「・・・・」
バッと時計を見る。
AM7:45を指している。
「ということは今本当は8:45って遅刻してるじゃないかーー」
俺は慌てて玄関に向かう。
「はははは、がんばれ若者よー」
「てめー後でぜってーぶっ殺すからなー」
叫びながら学校に向かう。
―教室―
「すいません、また遅れました。」
「それで今日はどうしたのですか?」
「じじぃがわざわざ家中の時計を一時間進めてやがりました。」
もちろん正直に伝えるが。
「よっぽどお爺さんは小鳥遊君を学校に行かせたくないのですね。」
嫌味を言ってくる。
「でしょうね。でなければただのボケ老人ですから。」
クラス全員が笑う。
「いいかげんにしなさい!毎日毎日出たら目な言い訳ばかりして、そんな人居るわけないでしょう。」
先生が切れ笑い声がぴたりと止む。
「居るのだから現にこうなってるんですよ。」
俺はあくまで冷静に答える。
「最近の貴方の行動は目に余るばかりです。遅刻はする学校に来ても授業は出ない」
反論され余計に怒らせ小言を言われる。
「しかも昨日屋上で煙草を吸っていたかも知れないと噂が流れているのですよ!」
その言葉に俺も軽く切れる。
「ふざけるなよ、煙草を吸ってただと?」
冷静にしかし声のトーンを落として聞き返す。
「「!!」」
クラスと先生が固まる。
「俺は煙草が大っ嫌いなんですよ、それが信じられないなら生徒の中から茶髪で顎に傷がある男と腹に痣がある男を捜してくれ。そいつが犯人だ。」
声のトーンを元に戻すその時。
キーンコーンチャイムが鳴る。
「・・・授業は終わります。」
そういい残し教師は出て行く。
「(やっちまったな・・)」
俺は皆の視線が刺さる中席につき鞄を掛ける。
「(良くて呼び出し悪けりゃ爺さんも呼び出されるかな。まっそうなりゃそれでいいけど・・)」
などと考えていると。
「・・くん、・・とりくん
、ことりくんてば」
呼びかけにハッとして
「な、なんだ?」
返事声が裏返る。
「なんか大変だね、疑われたりして」
何ごとも無かったかのように久瀬が話しかけてくる。
「実際疑われても仕方ないさサボりまくりだしな、はは」
「けど何で吸ってた人のこと知ってるの?」
「ああ、それは」
言いかけると
「おー居た居た」
「昨日は世話になったな。」
茶髪の二人が近づいてくる。
「んっ?ああ昨日のお二人さんか顎と腹は平気か?(久瀬どいてろ)」
茶髪を挑発しつつ小声で久瀬をどかす。
「ちょっと、来てもらおうかもちろん拒否権はないぞ?」
「いいよ、どうせサボる予定だったしな。」
俺は席を立ち茶髪に連いて行き教室を出る。
「ちょっと、まずくない?」
「あいつ、ボコボコにされるぞ」
「あーあ、可愛そうに」
教室が騒ぎ出す。
「雪、大丈夫だった?」
古川が駆け寄る。
「私は平気だけど」
「ああ、小鳥遊のが今はヤバイぞ」
火口が焦る。
PM6:14分
「よっと」
玉子焼きを丸める。
「よし、上手に出来ましたーっと♪」
「ほほぉ、うまくなったの」
後ろから爺さんの声がする。
「おはよ、最初の頃よりはな。」
「まったくじゃ、前は玉子焼きがスクランブルエッグになってたしのー」
「けっけど、味は悪くなかったろ?」
「かっかか、朝飯は何だ?」
「ベーコンエッグと焼き鮭どっちがいい?」
「鮭で頼む。」
「あいよ、まかされた。」
―大広間―
「ふむ、ばぁさんの味に似てきたのー」
爺さんは味噌汁を飲みながら言う。
「そうか?」
「ああ、じゃがそれ以上に悠子(ゆうこ)さんの味になってきた・・・」
「・・・母さんの味か」
小鳥遊 紅葉(たかなし もみじ)
悠の母親、中学に上がる前に病気によって亡くなる。病名や症状は父親に隠されていて不明。
「まだ、気にしておるのか?兜馬(とうま)もきっと理由が」
「理由?理由があるなら何をしてもいいのか?母親が入院して居る病院すら教えず、死ぬまで秘密にしてあまつさえ俺に黙って葬儀を終わらせるなんて、俺は母さんの死に顔すら見せてもらえず、送ることすら出来なかったのに・・・」
小鳥遊 兜馬(たかなし とうま)
祖父の弥一から二代に渡り急成長を遂げた小鳥遊財閥の現社長。かなりの切れ者で冷徹でヘビースモーカー、しかし礼儀やることなす事に筋は通っている。
たが、体調を崩した紅葉の事を一切悠には話さず。葬儀も黙って挙げ、何を聞いても答えようとしなかった。そのことで悠と幾度も喧嘩になり、ついに手を挙げてしまい、悠は骨折するほどの怪我をする。それを弥一が引き取ったのだ。
「確かにそれは酷い事じゃ、わしですら知らなかった事だからな。」
「やめようあいつの話は、飯が不味くなる・・・」
重い空気が流れる。
「一ついいかの?」
「なんだよ・・」
「実はな家中の時計を一時間遅らせてあるんだが・・・」
「・・・・」
バッと時計を見る。
AM7:45を指している。
「ということは今本当は8:45って遅刻してるじゃないかーー」
俺は慌てて玄関に向かう。
「はははは、がんばれ若者よー」
「てめー後でぜってーぶっ殺すからなー」
叫びながら学校に向かう。
―教室―
「すいません、また遅れました。」
「それで今日はどうしたのですか?」
「じじぃがわざわざ家中の時計を一時間進めてやがりました。」
もちろん正直に伝えるが。
「よっぽどお爺さんは小鳥遊君を学校に行かせたくないのですね。」
嫌味を言ってくる。
「でしょうね。でなければただのボケ老人ですから。」
クラス全員が笑う。
「いいかげんにしなさい!毎日毎日出たら目な言い訳ばかりして、そんな人居るわけないでしょう。」
先生が切れ笑い声がぴたりと止む。
「居るのだから現にこうなってるんですよ。」
俺はあくまで冷静に答える。
「最近の貴方の行動は目に余るばかりです。遅刻はする学校に来ても授業は出ない」
反論され余計に怒らせ小言を言われる。
「しかも昨日屋上で煙草を吸っていたかも知れないと噂が流れているのですよ!」
その言葉に俺も軽く切れる。
「ふざけるなよ、煙草を吸ってただと?」
冷静にしかし声のトーンを落として聞き返す。
「「!!」」
クラスと先生が固まる。
「俺は煙草が大っ嫌いなんですよ、それが信じられないなら生徒の中から茶髪で顎に傷がある男と腹に痣がある男を捜してくれ。そいつが犯人だ。」
声のトーンを元に戻すその時。
キーンコーンチャイムが鳴る。
「・・・授業は終わります。」
そういい残し教師は出て行く。
「(やっちまったな・・)」
俺は皆の視線が刺さる中席につき鞄を掛ける。
「(良くて呼び出し悪けりゃ爺さんも呼び出されるかな。まっそうなりゃそれでいいけど・・)」
などと考えていると。
「・・くん、・・とりくん
、ことりくんてば」
呼びかけにハッとして
「な、なんだ?」
返事声が裏返る。
「なんか大変だね、疑われたりして」
何ごとも無かったかのように久瀬が話しかけてくる。
「実際疑われても仕方ないさサボりまくりだしな、はは」
「けど何で吸ってた人のこと知ってるの?」
「ああ、それは」
言いかけると
「おー居た居た」
「昨日は世話になったな。」
茶髪の二人が近づいてくる。
「んっ?ああ昨日のお二人さんか顎と腹は平気か?(久瀬どいてろ)」
茶髪を挑発しつつ小声で久瀬をどかす。
「ちょっと、来てもらおうかもちろん拒否権はないぞ?」
「いいよ、どうせサボる予定だったしな。」
俺は席を立ち茶髪に連いて行き教室を出る。
「ちょっと、まずくない?」
「あいつ、ボコボコにされるぞ」
「あーあ、可愛そうに」
教室が騒ぎ出す。
「雪、大丈夫だった?」
古川が駆け寄る。
「私は平気だけど」
「ああ、小鳥遊のが今はヤバイぞ」
火口が焦る。