「ふぅ…気が進まないわね。」

こんどやってきたのは稲葉それに小雪と優日も居る。

「でも…このままじゃ駄目だとおもうの…」

「けど…小鳥君本当に居るのかな?電気も消えてるし…」

「居るのは100％居るわ。」

「どうしてわかるのかな?」

「まず、車がある。そして車庫が開いているという事は鍵を掛けていないから遠出はしていない。それにここからでも中の靴が見えてる。悠はスニーカーとつっかけしか持って無いから居るのは確実よ。」

「なら…お願い稲葉ちゃん。」

「本当に入る気なのね、わかったわ。けどどうなっても知らないわよ。」

稲葉は針金のような器具を玄関のカギ穴に差し込む

かちゃかちゃ……ガち!!

ガララァ…

「開いたわよ。」

「ありがとう稲葉ちゃん。」

「すごいけど、稲葉ちゃん犯罪に使っちゃ駄目だよ?」

優日と小雪は中に入って行く…

「ふぅ………ちょっと?いつまで隠れてるの?いくら日陰でも死ぬわよ?」

「「「ビクッ!!」」」

…………

「お部屋には居なかったかな…」

「じゃあとは…道場だね。」

各部屋を見ていき残ったのは道場だけとなり…

‐道場‐

道場の中は本当に真っ暗で人の気配はなかった。

「小鳥君居るのかな?」

「雪…電気つけてくれる?」

「あ、うん…」

ぱっ…電気が着くと悠の姿はすぐに見つかった。

道場の真ん中で座っていた。

「小鳥君…あの…何て言うか…」

「どうやって…入った…?」

かすれる様な声で質問が来る。

しかし、悠は微動だにせずただ前を向いて座ったままだ。

「稲葉ちゃんにピッキングで開けてもらったの…」

「……むちゃくちゃだな…」

「小鳥君元気出してほしいかな…」

「…ほっといてくれ…」

「あぅ…小鳥君」

「…ねぇ雪少しだけ二人にしてくれない?…」

「え……うん、わかったかな」

小雪は小さくうなずいて道場から出ていき、優日と悠は二人っきりになる。