玄関が開けられ、男は誰かに引っ張り出されていた。

「ひっ…い、ひぃぃ…」

間一髪だった、男が居た部分には大きな穴が開いている。

つまり…悠は本気で男を殺そうとしたのだ。

「……何で邪魔するんだ?亮?千夜?」

がこっ…
悠はハンマーを抜いてまっすぐ突き付ける。

「悠、頼む落ち着いてくれ…」

千夜は男の襟首を掴み、亮は悠の前に立ちふさがっている。

「そこをどいてくれ…」

「嫌だ。」

「どけ…」

「嫌だ。」

「どけってんだろーーーー!!!」

「嫌だっってんだろーー!!」

びゅお!!
悠はハンマーを振り上げ亮もろとも言わんばかりに振り下ろしかかった。

「くっ…千夜!逃げろ!!」

「くそっ…」

ドッごぉん!!

亮は左に千夜は男を無理やり引きずりながら右側から回り込むように悠の一撃を避けた。

「とりあえず中だ!」

「くっ…」

千夜は男を小雪の家の中に投げ込む。

「こなた!その男縛っとけ!!!」

「ちょ、亮君何があったの悠は…」

「説明してる暇はない!!今の悠は話を聞く相手じゃない!!」

「邪魔…するなよ…頼むよ…なぁ…」

悠の様子は明らかにおかしい
むき出しの殺意と怒り…

「千夜…お前あれを止められるか?」

「…あれとタイマンはるなら戦車に喧嘩売るっての…」

「だよな…」

「邪魔するんなら…お前らからだ…」

悠はズンっとハンマーを捨てて向かってくる。

「けど…意地でも止めるぞ。」

「当たり前だ!!」

ズンッ!!びゅっぱっ!!

亮は左の上段突きと見せかけた左の正拳突き。

千夜はわき腹めがけ蹴りを放った。

絶妙なタイミングとコンビネーションこれほど見事な動きも無い。

ガッギリっ…

「なっ…」
「ぐっ…」

蹴りは腹筋で受けられ、拳は手首から掴まれてしまう。

「邪魔を…するな!!!!!」

悠は左腕の肘で千夜の足をたたき落とし、亮の腕を引き一瞬で手を離して顔面に拳をぶつけた。

「がっ…」

「いてぇっ…」

二人とも怯み悠は前に進もうとしたが

「「らっあ!!」」

ガッ!!!
ズダッン…

倒れた二人は同時に悠の足を蹴り飛ばしその場に転倒させた。