「ふっ!!」

息を吐き右・左と蹴りを放とうとしたが

ガッ!ガッ!
千夜は正確に蹴りを蹴りで封じてくる。

「っ…(拉致があかないな…フェイントかけるか)」
グッと腰を引き左を少し引き勢いよく蹴り出そうとした瞬間。

ビュバっ!!
俺は右足でまっすぐに蹴りあげた。

ガッ!ゴンッ!!

「ぶっあぁ!?」

全身がガクリっと低くなる感じがして視界が360度と回転した。

俺の蹴りあげた右足は膝を上から足で蹴り押さえられ、あろうことか千夜は俺の右足を踏み降ろしながら左足で俺の左顔面を蹴り飛ばした…


スザザァ…
悠は転げながら地面に倒れ…

スタッ…
「…何ぁだこの程度かよ。」

千夜は奇麗に着地して転がった悠を興味無く見たあと後ろに向く

「…………成程ね。蹴りかかった瞬間に膝の関節を蹴るからこっちの蹴りは止められた訳か…」

「!!」

こきこきと首を鳴らしつつ、俺は立ち上がりニッと笑いって千夜を見る。

「何で…立ち上がれんだ?」

「さぁ…どうしてでしょうか?」

スッ…千夜は直ぐに向き直り、悠の方に走り出す。

「反撃開始。」

びゅ!ガッ!
びゅ!ガッ!
びゅ!ガッ!
びゅ!ガッ!

1・2・3・4…
再び蹴りと蹴りの封殺が始まり…

「ふっ!」

千夜は息を吐き7度目の蹴りを止めようとしたが…

ガッ!ゴンッ!!
「!!」

止めようと蹴りあげた千夜の左膝を上から蹴り押さえ。

「覚えたぜ…」

「うそ…がっ?!!」

更にそのまま足を踏み押さえ右足で肩の辺りを横に蹴り飛ばした。

千夜は何とか受け身をとったが1メートルは飛び、ズダン!という鈍い音と共に倒れる。

「ふぅ…大丈夫か?」

俺は汗を拭いつつ倒れてる千夜に手を伸ばしながら声をかける。

「……今のなんだ?どうして俺の技を…」

グッと俺の手を取り千夜は驚きの顔で疑問をぶつける。

「ん～なんっうか…見て覚えた。にゃはは」

悠は猫の様な八重歯を見せて笑う。

「お、覚えたぁ?」

「悠さんは対峙した相手の技をそのまま真似て自分の物にできるんですよ。」

ぱちぱちぱちっと拍手をしながら氷室がなぜかかがみ達を連れて歩いてくる。

「真似てって…一石一朝の技じゃないんですけど…それに最初の蹴りは何でダメージなかったんだ?」

「あーあれは蹴られる瞬間に首っか全身で回ってダメージをけした。」

蹴りと同じ方向に瞬時に体全体を回転させて、ふっとんだふりをしたと悠は説明する。