-夏編-シンクロニシティ(運命)
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破裂音が聞こえ、摩耶と亮は慌てて立ち上がって、立ちふさがっている香美梛を見るが…
「…あれ?」
香美梛も何が起こったか分からなく…
「皆さん呆けて無いで逃げますよ。」
三人の前には氷室が居て、一言に反応して4人は後のフェンスを飛び越えて逃げていく…
「…逃げられましたか……!どうやらクレイはしくじった様ですね。仕方ない追いますか…」
すっ… 黒フードはフェンスを│─│に撫でるとガシャンと音を立てて崩れ、当然の様に歩いて行く…
………
-建物の影-
「…どうやら巻いた…みたいだな。」
亮は来た道から誰も追って来ないことを確認して、安どのため息を吐く
「…しかし、変ですね。」
「あ、氷室さんも気付いた?」
摩耶と氷室はキョロキョロと辺りを見渡す
「?どうしたんだ?二人とも?」
「亮君変だと思わない?」
「?さっきの奴の事か?」
「いえ、それも有りますが……さっきから誰にも会って無いのですよ。」
「??」
亮は首を傾げる。
「あのね、いくら平日であんまり人通りが少ない場所だけど、これだけの騒ぎの中誰一人会わないって可笑しく無い?」
「あ…」
亮は言われて見て初めて気が付いた…ここまでの道のり所か駐車場でも誰一人にも会って居ない…
「……」
「……一応尋ねます、貴方は何か知っていますか?」
氷室は無言のままの香美梛に話掛ける
「……その、何て言ったらいいのか…俺にも……」
「いえ、構いません、あの様な現実離れした諸行を見て私も説明など出来ませんから…しかし、弱りましたね…」
「うん、切れの良すぎる手刀、それと謎の仕込み…」
「おまけにあの謎の遠距離攻撃、さっきはどうにか出来ましたが数が来ると正直きついですね…」
氷室はポケットから手を出すと点々と皮膚が裂けていて不気味な斑模様になっている…
「あんた怪我してんのかよ!」
「私は平気です…(…抜き手は使えませんね)摩耶さんはいかがです?」
「ん~…右は多分もぅ最初見たいな威力は出せない…かな?切れ後が怖い位にきれいだから傷は塞がったけど…」
摩耶はグッ…グッ…と拳を握る…
「さて、ここで問題です。…このままではじり貧です。しかも相手は並大抵の攻撃は効かなく、威力の高い手刀と遠距離攻撃……中々難しい問ですね…」
氷室は眼鏡を直しつつ質問する。
「「「……」」」
「皆は…」
香美梛が口を開こうとしたが
「先に言うけど逃げる選択肢は無いよ?」
「っ!」
「あぁ、今更見捨てて行くわけには行かないな。」
「そうですね、私もやられたまま逃げるのは断りです。」
「け、けど!!」
タッタッタッタ…
奥から足音が聞こえてくる
「やば!追い付かれた!」
バッと全員はその場を離れようとしたが…
「あ!シンペイいたー!」
「ルネス!!」
角からは黒フードでは無く、司祭服の女の子が飛び出て来て香美梛の元に駆けよって来る
「心配したんだよ!」
「お前どうやって…っか一人か?」
「うんうん、コンゴウとゆうが逃がしてくれたんだよ、あの二人凄いんだよ!」
ルネスはやや興奮気味に身振り手振りで話す。
「悠達は勝ったみたいだな…」
「悠君と金剛君はすごく相性良いからね~」
「なら…次はこちらの番といきたいですが…」
三人は再び悩みだしていると…
「ほぅ…これは好都合ですね、全員お集まりとは…」
ゾクッ…
頭の上から声が聞こえ、見上げると屋根の上に黒フードがいて、次の瞬間には飛び、壁を滑る様にして、摩耶側と香美梛側のちょうど間に着地する。
「油断しましね…」
黒フードはルネスの腕を掴もうとした…
「きゃ…」「ルネ…!」「くぉの…」
「そっちがね…」
ルネルが悲鳴をあげるより、香美梛がルネルを引き寄せるより、亮が動きだすよりも一番最初に行動したのは摩耶はだった…
「心意六合金剛八式!天地虎狼撃!」
バチギィィィン
右足を軸に全身を振り回す様にひねり右手を胸、左手を腹に振り抜いた!
「!!」
……ガァゴァンン!
一瞬音に間が空き、ルネス、香美梛の前を何かが通りすぎ…向かいの壁が砕ける音が鳴る…
「…え、あ…」
「大丈夫?」
摩耶は二人に無垢な笑顔向けた後コキコキと肩を鳴らす。
「なんだ…今の…」
亮はさっきまで黒フードが居たところを見た後、向かい側の壁が崩れて居るのを見る…
「摩耶さんの必殺技と言う所でしょうか。さて…壁に埋もれて死なれても困りますから掘り出して警察に…」
「ダメ!近寄っちゃダメー!」
ずごン!
ルネスの叫びとほぼ同時に瓦礫の中から足が伸び氷室は膝を上げてギリギリガードするが…
ヒュン!バチン!
「っ痛」
バチン!バチン!バチン!
音が鳴るたびに氷室はざっざっざっと後に後退り
バチィィィン!
「ッ!」
一際は大きな破裂音が鳴ると同時に氷室は突き飛ばされた様に香美梛の前に転がってくる…
「氷室さん!」
「皆下がって!」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!
バチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチン!
さっきまでとは桁違いの透明な弾丸が辺りに飛び散り壁は弾け窓は粉々に割れ…
ガラガラ…
「油断ですか…そうですね、もう油断しません。」
崩れた瓦礫の中から黒フードは無傷で立ち上がり、ゆっくりと前進してくる…
………
「弱ったねぇ…」
「と言うか…あぶね!」
ヒュン!バチン!
影から覗こうとした亮の顔もとを透明な弾丸が通過する。
無数の弾丸が降り注ぐ瞬間摩耶は亮とルネスを香美梛は氷室を引っ張り端まで逃げたが、ジリジリと黒フードは絶えず弾丸を飛ばしながら近づいてくる…
「せめて、あの防御力とあれが何なのか分かればまだ対策練れるかも知れないけど…」
「……弾丸の正体ならわかりましたよ…」
「あんた、起きて平気なのか!?」
氷室はもたれていた香美梛から体を起こし…
「平気とは言えませんが…そんな事言ってる余裕もありませんから…」
眼鏡が無いことに気付き、ポケットからスペア(?)の眼鏡をかけなおす…
「じゃあ、いきなりだけどあの弾丸って何?」
「「水(だよ)ですね。」」
氷室と同時にルネスも口を開き…
「…もしかして、貴女は何か知ってますか?」
「あれはルーンを刻んで水に加護を纏わせた擬似的な聖水、恵みの雨だよ。」
「加護?聖水?…何の冗談だ…」
亮はあきれつつ此方に向かって来る黒フードの動きを角から確認しようとする…
「本当だもん!だから、あの雨で出来た傷は塞がってるはずだよ!」
「「…」」
言われて見れば摩耶の手の傷はすぐに塞がり、氷室も先程直撃を受けた肩や腹は血が出ていない…
「ルネス、やっぱりあれも…なのか?」
「うん………だよ」
ルネスと香美梛は何かを話していたが聞き取れず…
「…じゃあさ、ルネスちゃん、あの防御力は何か分かる?」
「摩耶、まさか今の話信じるのか?おわっ!」
ヒュン!バチン!ヒュン!バチン!
「ルネスさんは嘘をついていません、今この現状を打破するためには彼女を頼るのが得策です。」
「そう言う事、で、ルネスちゃん分かる?」
「勿論だよ、あれも聖水のだよ、服の下にきっと薄い聖水を纏わせて聖域を作ってるんだよ。」
「…ルネスもうわかりやすく説明出来ないか?」
香美梛は頭を揺らし困り顔をする。
「シンペイは理解力が乏しいよ。」
ルネスははぁ…っとため息を吐く…
「ルネスちゃん簡単言えばどういう事なの?」
「簡単に言えば対熱と衝撃に特化した水の鎧だよ。」
「破る方法は無いのですか?」
「う~ん…加護を消せば何とかかるかもだけど無理だしシンペイが直接触るのも無理だし…」
ルネスは色々と考えている様だが良い手が無いらしい…
「くそ、ダメージなしってのがヤバすぎだ…。」
「……おかしく無いか?」
そう口を開いたのは香美梛だった。
「あの水の鎧は衝撃を消すんだろ?じゃあ何でさっき吹っ飛んだんだよ?」
「「「あ…」」」
言われてみるとそうだ、黒フードは二回も摩耶の打撃で吹っ飛ばされている。
「……もしかしたら、ねぇねぇ!攻撃した時に何か付加してないかな?加護とか精霊とか!」
「??良くわから無いけど…六合は勁を打ち込む技だよ?」
摩耶は質問の意味が分からず珍しく苦笑いになる
「けい?けいって何?」
「勁は気の事だよ、口で説明するのは難しいけど…」
摩耶は簡単に、出来るだけ分かりやすく気について説明すると
「気…東洋の神秘…そうか!わかったんだよ!加護は対魔と衝にしか対応出来て無いんだよ!だからけいってのを使った時はガード仕切れて無いんだよ!」
「けど…ダメージが無いのはどうしてだ?」
「それも簡単、水の鎧は弾けて破れても身体にまでは届いて無いだよ。」
「「??」」
亮と香美梛は顔を見合わせて意味が解らないと言いたげな顔をする。
「成る程…つまり、摩耶さんの一撃では打ち破るまではいきますが元に戻ってしまう訳ですか…」
「じゃあ少なくとも、ダメージを与えるには連続かほぼ同時に威力の高い一撃が必要だね…」
「そうそう!二人はさっしがいいんだよ。香美梛とそっちの人とは大違いだよ。」
ルネスは分かってくれたのが嬉しいのか摩耶と氷室の前で跳び跳ね、亮と香美梛は……と黙ってしまう。
「摩耶さん、同じ威力で連続に攻撃出来ますか?」
「無理かな、動きは六合拳だけど僕が使ってるのは八極拳だから二撃目に勁は込められない。(それにさっきみたいなのは後1回が限界)」
「そうですか…私に威力のある一撃は打てませんし…亮君はどうですか?」
「え?………俺は」
速破突、悠のガードもぶち抜く一撃必殺の突き…亮は考えたが…
「有る。けど…駄目だ…」
「?どうして?」
「未完成なんだ…対象が動いたら上手くいかない…」
「……では私が動きを止めます。」
「な…!」
「決定だね、じゃあ最後の問題は…」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
バチンバチンバチンバチンバチン
破裂音はかなり近づいてきている…
「あの水弾ですね…」
「あれは俺が止めるよ。」
そう言い出したのは香美梛だった。
「失礼ですが…何か策がおありなのですか?」
「必ず止めてみせる。」
香美梛は真剣な顔でうなずく。
「なら…任せたぞ。」
「さぁ決着だ。」
「ふぅ、責任重大ですね。」
5人は立ち上がり…弾幕に飛び込む体勢をとる…
「…あれ?」
香美梛も何が起こったか分からなく…
「皆さん呆けて無いで逃げますよ。」
三人の前には氷室が居て、一言に反応して4人は後のフェンスを飛び越えて逃げていく…
「…逃げられましたか……!どうやらクレイはしくじった様ですね。仕方ない追いますか…」
すっ… 黒フードはフェンスを│─│に撫でるとガシャンと音を立てて崩れ、当然の様に歩いて行く…
………
-建物の影-
「…どうやら巻いた…みたいだな。」
亮は来た道から誰も追って来ないことを確認して、安どのため息を吐く
「…しかし、変ですね。」
「あ、氷室さんも気付いた?」
摩耶と氷室はキョロキョロと辺りを見渡す
「?どうしたんだ?二人とも?」
「亮君変だと思わない?」
「?さっきの奴の事か?」
「いえ、それも有りますが……さっきから誰にも会って無いのですよ。」
「??」
亮は首を傾げる。
「あのね、いくら平日であんまり人通りが少ない場所だけど、これだけの騒ぎの中誰一人会わないって可笑しく無い?」
「あ…」
亮は言われて見て初めて気が付いた…ここまでの道のり所か駐車場でも誰一人にも会って居ない…
「……」
「……一応尋ねます、貴方は何か知っていますか?」
氷室は無言のままの香美梛に話掛ける
「……その、何て言ったらいいのか…俺にも……」
「いえ、構いません、あの様な現実離れした諸行を見て私も説明など出来ませんから…しかし、弱りましたね…」
「うん、切れの良すぎる手刀、それと謎の仕込み…」
「おまけにあの謎の遠距離攻撃、さっきはどうにか出来ましたが数が来ると正直きついですね…」
氷室はポケットから手を出すと点々と皮膚が裂けていて不気味な斑模様になっている…
「あんた怪我してんのかよ!」
「私は平気です…(…抜き手は使えませんね)摩耶さんはいかがです?」
「ん~…右は多分もぅ最初見たいな威力は出せない…かな?切れ後が怖い位にきれいだから傷は塞がったけど…」
摩耶はグッ…グッ…と拳を握る…
「さて、ここで問題です。…このままではじり貧です。しかも相手は並大抵の攻撃は効かなく、威力の高い手刀と遠距離攻撃……中々難しい問ですね…」
氷室は眼鏡を直しつつ質問する。
「「「……」」」
「皆は…」
香美梛が口を開こうとしたが
「先に言うけど逃げる選択肢は無いよ?」
「っ!」
「あぁ、今更見捨てて行くわけには行かないな。」
「そうですね、私もやられたまま逃げるのは断りです。」
「け、けど!!」
タッタッタッタ…
奥から足音が聞こえてくる
「やば!追い付かれた!」
バッと全員はその場を離れようとしたが…
「あ!シンペイいたー!」
「ルネス!!」
角からは黒フードでは無く、司祭服の女の子が飛び出て来て香美梛の元に駆けよって来る
「心配したんだよ!」
「お前どうやって…っか一人か?」
「うんうん、コンゴウとゆうが逃がしてくれたんだよ、あの二人凄いんだよ!」
ルネスはやや興奮気味に身振り手振りで話す。
「悠達は勝ったみたいだな…」
「悠君と金剛君はすごく相性良いからね~」
「なら…次はこちらの番といきたいですが…」
三人は再び悩みだしていると…
「ほぅ…これは好都合ですね、全員お集まりとは…」
ゾクッ…
頭の上から声が聞こえ、見上げると屋根の上に黒フードがいて、次の瞬間には飛び、壁を滑る様にして、摩耶側と香美梛側のちょうど間に着地する。
「油断しましね…」
黒フードはルネスの腕を掴もうとした…
「きゃ…」「ルネ…!」「くぉの…」
「そっちがね…」
ルネルが悲鳴をあげるより、香美梛がルネルを引き寄せるより、亮が動きだすよりも一番最初に行動したのは摩耶はだった…
「心意六合金剛八式!天地虎狼撃!」
バチギィィィン
右足を軸に全身を振り回す様にひねり右手を胸、左手を腹に振り抜いた!
「!!」
……ガァゴァンン!
一瞬音に間が空き、ルネス、香美梛の前を何かが通りすぎ…向かいの壁が砕ける音が鳴る…
「…え、あ…」
「大丈夫?」
摩耶は二人に無垢な笑顔向けた後コキコキと肩を鳴らす。
「なんだ…今の…」
亮はさっきまで黒フードが居たところを見た後、向かい側の壁が崩れて居るのを見る…
「摩耶さんの必殺技と言う所でしょうか。さて…壁に埋もれて死なれても困りますから掘り出して警察に…」
「ダメ!近寄っちゃダメー!」
ずごン!
ルネスの叫びとほぼ同時に瓦礫の中から足が伸び氷室は膝を上げてギリギリガードするが…
ヒュン!バチン!
「っ痛」
バチン!バチン!バチン!
音が鳴るたびに氷室はざっざっざっと後に後退り
バチィィィン!
「ッ!」
一際は大きな破裂音が鳴ると同時に氷室は突き飛ばされた様に香美梛の前に転がってくる…
「氷室さん!」
「皆下がって!」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!
バチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチン!
さっきまでとは桁違いの透明な弾丸が辺りに飛び散り壁は弾け窓は粉々に割れ…
ガラガラ…
「油断ですか…そうですね、もう油断しません。」
崩れた瓦礫の中から黒フードは無傷で立ち上がり、ゆっくりと前進してくる…
………
「弱ったねぇ…」
「と言うか…あぶね!」
ヒュン!バチン!
影から覗こうとした亮の顔もとを透明な弾丸が通過する。
無数の弾丸が降り注ぐ瞬間摩耶は亮とルネスを香美梛は氷室を引っ張り端まで逃げたが、ジリジリと黒フードは絶えず弾丸を飛ばしながら近づいてくる…
「せめて、あの防御力とあれが何なのか分かればまだ対策練れるかも知れないけど…」
「……弾丸の正体ならわかりましたよ…」
「あんた、起きて平気なのか!?」
氷室はもたれていた香美梛から体を起こし…
「平気とは言えませんが…そんな事言ってる余裕もありませんから…」
眼鏡が無いことに気付き、ポケットからスペア(?)の眼鏡をかけなおす…
「じゃあ、いきなりだけどあの弾丸って何?」
「「水(だよ)ですね。」」
氷室と同時にルネスも口を開き…
「…もしかして、貴女は何か知ってますか?」
「あれはルーンを刻んで水に加護を纏わせた擬似的な聖水、恵みの雨だよ。」
「加護?聖水?…何の冗談だ…」
亮はあきれつつ此方に向かって来る黒フードの動きを角から確認しようとする…
「本当だもん!だから、あの雨で出来た傷は塞がってるはずだよ!」
「「…」」
言われて見れば摩耶の手の傷はすぐに塞がり、氷室も先程直撃を受けた肩や腹は血が出ていない…
「ルネス、やっぱりあれも…なのか?」
「うん………だよ」
ルネスと香美梛は何かを話していたが聞き取れず…
「…じゃあさ、ルネスちゃん、あの防御力は何か分かる?」
「摩耶、まさか今の話信じるのか?おわっ!」
ヒュン!バチン!ヒュン!バチン!
「ルネスさんは嘘をついていません、今この現状を打破するためには彼女を頼るのが得策です。」
「そう言う事、で、ルネスちゃん分かる?」
「勿論だよ、あれも聖水のだよ、服の下にきっと薄い聖水を纏わせて聖域を作ってるんだよ。」
「…ルネスもうわかりやすく説明出来ないか?」
香美梛は頭を揺らし困り顔をする。
「シンペイは理解力が乏しいよ。」
ルネスははぁ…っとため息を吐く…
「ルネスちゃん簡単言えばどういう事なの?」
「簡単に言えば対熱と衝撃に特化した水の鎧だよ。」
「破る方法は無いのですか?」
「う~ん…加護を消せば何とかかるかもだけど無理だしシンペイが直接触るのも無理だし…」
ルネスは色々と考えている様だが良い手が無いらしい…
「くそ、ダメージなしってのがヤバすぎだ…。」
「……おかしく無いか?」
そう口を開いたのは香美梛だった。
「あの水の鎧は衝撃を消すんだろ?じゃあ何でさっき吹っ飛んだんだよ?」
「「「あ…」」」
言われてみるとそうだ、黒フードは二回も摩耶の打撃で吹っ飛ばされている。
「……もしかしたら、ねぇねぇ!攻撃した時に何か付加してないかな?加護とか精霊とか!」
「??良くわから無いけど…六合は勁を打ち込む技だよ?」
摩耶は質問の意味が分からず珍しく苦笑いになる
「けい?けいって何?」
「勁は気の事だよ、口で説明するのは難しいけど…」
摩耶は簡単に、出来るだけ分かりやすく気について説明すると
「気…東洋の神秘…そうか!わかったんだよ!加護は対魔と衝にしか対応出来て無いんだよ!だからけいってのを使った時はガード仕切れて無いんだよ!」
「けど…ダメージが無いのはどうしてだ?」
「それも簡単、水の鎧は弾けて破れても身体にまでは届いて無いだよ。」
「「??」」
亮と香美梛は顔を見合わせて意味が解らないと言いたげな顔をする。
「成る程…つまり、摩耶さんの一撃では打ち破るまではいきますが元に戻ってしまう訳ですか…」
「じゃあ少なくとも、ダメージを与えるには連続かほぼ同時に威力の高い一撃が必要だね…」
「そうそう!二人はさっしがいいんだよ。香美梛とそっちの人とは大違いだよ。」
ルネスは分かってくれたのが嬉しいのか摩耶と氷室の前で跳び跳ね、亮と香美梛は……と黙ってしまう。
「摩耶さん、同じ威力で連続に攻撃出来ますか?」
「無理かな、動きは六合拳だけど僕が使ってるのは八極拳だから二撃目に勁は込められない。(それにさっきみたいなのは後1回が限界)」
「そうですか…私に威力のある一撃は打てませんし…亮君はどうですか?」
「え?………俺は」
速破突、悠のガードもぶち抜く一撃必殺の突き…亮は考えたが…
「有る。けど…駄目だ…」
「?どうして?」
「未完成なんだ…対象が動いたら上手くいかない…」
「……では私が動きを止めます。」
「な…!」
「決定だね、じゃあ最後の問題は…」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
バチンバチンバチンバチンバチン
破裂音はかなり近づいてきている…
「あの水弾ですね…」
「あれは俺が止めるよ。」
そう言い出したのは香美梛だった。
「失礼ですが…何か策がおありなのですか?」
「必ず止めてみせる。」
香美梛は真剣な顔でうなずく。
「なら…任せたぞ。」
「さぁ決着だ。」
「ふぅ、責任重大ですね。」
5人は立ち上がり…弾幕に飛び込む体勢をとる…