-夏編-シンクロニシティ(運命)
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「…あの子が居ないなら用事は無い。」
黒フードは入口を封鎖した氷室を見た後
「こんな物…足止めにもならない…」
気にせず進もうとしたが
「そうわさせないよ?」
「えぇ、あの子の安全が確認出来るまでは一応ここで束縛させてもらいます。」
前門の虎、後方の狼ならぬ前門の氷室、後方の摩耶…
「大丈夫か?アンタ?」
亮は摩耶と氷室に任せて置けば大丈夫と任せ、制服姿の男に話かけた。
「あぁ……なぁアンタ達はルネスの知り合いか?」
「ルネス?…さっきの子か?」
「あぁ…その様子なら知り合いじゃ無いみたいだな…なら何で助けてくれたんだ?」
「…そうだな、困ってるみたいだったら、かな(悠ならそう言うだろう。)」
「そ、そおか…(カッコいい)」
「あぁ、所で名前は?」
「あ、俺は香美梛真平(かみなしんぺい)」
「かみな…どんな字だ?」
「香り美しい梛…」
「綺麗な苗字だな、俺は亮だ岡崎亮、それで眼鏡の人が氷室さんで小さい女みたいなのが摩耶だ。」
二人の紹介をしようと前を向くと
「邪魔だ。」
「おっと逃がさないよ。」
ズガッ!!
黒フードは前に行く振りをして右腕を摩耶の顔を目掛け振り上げた。
「危ない…なっあ!!」
摩耶はぐっと身を屈め裏拳を避けると同時に右足を滑らすように伸ばし黒フードの足首辺りを蹴飛ばした。
「すこし…痛いっよ!」
ガクンっと黒フードの身体が傾き踏み止まったが摩耶は横腹に肘を打ち込み、更にそのまま腕を振り伸ばし胸の辺りに裏拳を叩き込み、ズザザアァァ!!
黒フードはその打突力(だとつりょく)に大きく後に飛び、2,3メートル離れた所で片手をついてひれ伏す様に動きを止める。
「…ダメージ受けてないよね?」
「…気づきましたか、やりますね。」
黒フードは何事も無かった様に立ち上がる…
「妙な感触だったけど…服の下何か仕込んでるみたいだね。」
「仕込んでいるですか…やはり、そこまでですね。」
「?」
摩耶は首を傾げていると
「鍛えられた体技ですが…これはどうです?」
ヒュ…
「おっと!(あ、速い…)」
黒フードは摩耶との距離を詰め、顔を目掛け平手の突きつけたが摩耶は頭を左に傾け避けたが…
ズキ…
「あれ?」
頬に痛みが走ったと思うと一筋の傷が出来、白い頬に赤い線が伝い落ちる…
「問います、そこを退きなさい。」
「…やだ。」
ヒュ、ヒュ、ヒュ!
パンッ!パンッ!パンッ!
黒フードは右斜め、左斜め、真上からと手刀を繰り出されたが摩耶は総て右手で払い受けた。
「痛っ…」
「お返しです。」
ドゴッン!!
右手に冷やかな痛みが走り一瞬動きが鈍った摩耶の腹を黒フードは半身をひねり蹴飛ばした!
「がはっ…」
摩耶は身長が高くなく蹴りは腹部と言うより胸の辺りに直撃し、体重も軽いため軽々と後に飛び…
「おわっ!!」
ガシッリィ…ザッ…
フェンスにぶつかりかけた摩耶を香美梛は受け止め…
「摩耶大丈…!」
「ゴホッ…ゲホッ…うん…ゴホッ平気…」
摩耶は笑顔で平気と言うが右手のひらに傷が出来ていて血がドクドクと流れている…
「く!野郎!」
香美梛は摩耶を亮に預け黒フードを睨んだが…
「「!!」」
「手荒くなりますが…仲良く寝ていてください。」
亮、摩耶は息を飲み、思考が停止する…「何か丸い玉」具体的な言葉にするなら「無数の半透明な弾丸」の様な物が三人に向かって来ているのだから…
「(しまった!逃げれない!)」
「(直撃する!)」
バッ!
亮と摩耶は反応出来ずに居ると香美梛が二人の盾になるように立ちふさがった。
バチン!バチン!バチン!バチン!破裂音響いた…
……………
「受け止めたか。」
「何だこりゃ…」
金剛は自分の腕に先が刺さった鉄の釘だった物を見る
「抜かないとどんどん食い込むぞ?」
「…ぐっ!」
金剛は顔を歪め釘だった物を引き抜く…
釘だった物は先が矢の様に鋭くしかも釣り針の様な取っ掛かりがついており、引き抜くと同時に肉が抉れるのを見てルネスはヒッと小さく悲鳴を漏らす…
「…(伸縮性の形状記憶合金か?)」
「今のは最終警告だ、これ以上傷を負いたく無かったらその子を渡せ」
じゃらじゃらとクレイは釘を構える。
「……はっ、言っただろ断る!」
「っち、なら、病院で後悔しろ!!冷徹な杭は迷いを捨て大地に堕ちる(ニードル・スタンプレイン)」
じゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃら!
クレイは無数の釘を金剛の真上に投げ飛ばし、釘は再び膨れ上がり恐ろしいスピードで降り注ぐ。
「種はわからんが、この程度柏の卑劣技に比べたらぁ!」
ガチッ!ビュンビュンビュンビュン!ガンガンガンガンガンガンガンガン!
「何!」
金剛はチェーンベルトを抜き取りそれを力の限り振り回し、鉄の釘だった物を総て弾き辺りに飛散し壁や床に突き刺さる。
「や、止めろ!馬鹿野郎!!ルネ…」
クレイは飛散した釘がルネスにも当たる事を恐れたようだが…
「……!」
ルネスは顔を手で覆っていてそっと目を開けると自分の方には1本も釘は飛んで来ていない…
「遅かったな…」
「ちょっとな…っか何だあの壁にこの釘?みたいな物は?」
ルネスの前にはいつの間にか悠が居て、両手に釘の束を掴み立っていた。
「貴様…どうやって…」
「あん?声が聞こえたから後ろの壁飛び越えて来た。」
がしゃん!悠は釘だった物を投げ捨てつつ後ろの壁を指差す。
「馬鹿な…」
壁の高さは7,8メートルは有る…
「ルネス無事か?」
「う、うん平気だよ」
「そうか、なら俺と金剛は彼奴の相手をするから逃げるんだぞ!」
「えっ?あぇぇ!」
悠はルネスをお姫様抱っこで持ち上げ
「よっ!ほっ!」
タン!タン!タン!
左右の壁を蹴り、ルネスを抱いたまま器用に後ろの壁を飛び越え反対側に着地してルネスを降ろし、悠は再び反対側に戻って行く。
「あ、ありがとう!」
「おぅ!いいから行け!」
壁越しにルネスのお礼の声と走って行く足音が遠ざかる
「よっ!やられてるな」
「お互い様だろ。」
金剛と悠は笑いあっていると…
「お前らぁ!!!」
クレイが激怒の声を上げる!
「あぁ…忘れてた、金剛動けるよな?」
「辺り前だ。」
「なら…「あの」タッグ技だな」
「初めて聞くぞ…」
「あ!ばらすなよ!」
「黙れぇ!!冷徹な杭は迷いを捨てる!(ニードル・スタンプ)」
ズバババッ!機関銃の発砲音の様に悠と金剛目掛け直線的に釘が放たれたが…
「金剛!」
「おう!」
金剛は両手を組み、悠はそれを踏み台にして前に飛び上がり、そして、金剛はぐっと身を屈め前に滑り込み自分に向かって来る釘を避け…クレイの前に走り
「な、何ぃ!」
「ガードしてみろ!」
ミシシッ!ドッゴッ!!ミキキキィ…
「グブッ!」
金剛の一撃は腹部にまともに当たりクレイの身体はくの字に曲ながらは空中に撃ち上がり……
「とどめだ!悠!」
「任せろ!」
バギィィン!!ドゴッ!!
更に撃ち上がったクレイは空中に居た悠の蹴りにより地面に叩き落ちた。
「よっと!ナイス撃ち上げ!」
「お前こそ、いい一撃だ。」
着地した悠は金剛と手を叩く。
「き、貴様らぁ…」
「うわ、まだ立った!」
クレイはよろよろと立ち上がるが、喋る口元からは血の沫を散らし、横腹を押さえている所を見ると肋が折れて居るのだろう…
「が…」
「やめとけ、それ以上はマジで身体壊れるぜ?」
「れ、冷徹な杭は迷いを捨て去り、罪を穿つ!(スピアニードル・スタンプ)」
ガッ!
カランカランカラン…
突然クレイの手から釘が地面に散らばり…
「な…んだ!!」
ヒュンヒュン…パシッ…
「クレイ=マチド、一般人に力を使うとは情けないな…」
「貴様は…!」
「チャイナ女!」
分銅を構えつつ、クレイの後ろには先程のチャイナ女が現れる…
「くっ…」
「退きなさい、今の貴方に勝ち目は無い。」
「ぐぐ……くそ!」
ブワッ!
「うっ…」
「っ……」
突然砂塵が舞い上がり、悠が目を開けるとクレイの姿は消え、後ろの壁もあれだけ散らばっていた釘も無くなっていた……
「…何なんだ、こりゃ?」
「わからんが……現実みたいだな…」
金剛の抉れた傷は残っていてまだ血が流れている…
「傷か…これを…」
チャイナ女が悠と金剛に近づき、金剛に何かを投げ渡す。
「?」
小さなボトルを金剛は受け取り…
「迷惑を掛けた…」
「待て、チャイナ女!色々聞きたい…」
「話せない…」
話せない…の一言には完全な拒絶が込められていて悠て金剛は言葉を飲み込む
「だが…先程はすまなかった…」
「……その言い方だと俺は勘違いで襲われたのか…」
「…」
「なら…さっきの借りは返してもらうぞ!」
ビュバ!
悠はチャイナ女に殴りかかったが…
「…どうした?」
チャイナ女は微動だにしなかった…
「…何で避けない?」
「借りは返す……それだけだ…」
「はぁ、無抵抗な奴は殴れないな…そうだ一つ忠告だ…」
「?なんだ?」
「そのスリットで上段蹴りは完全に下着見えるぞ」
「!!///」
ビュバ!
「ぐばっ!」
チャイナ女は顔を真っ赤にして悠の顎を垂直に蹴り上げてバタバタと走って消えていく…
「…悠感想は?」
金剛は傷に薬を塗るとすぐに血が止まり、倒れている悠を見る。
「…決まりだ…」
「何が?…」
「奴の名前はシマパンチャイナに決定…」
金剛はため息をつきつつ背負って摩耶達の元へ移動し始めた…
黒フードは入口を封鎖した氷室を見た後
「こんな物…足止めにもならない…」
気にせず進もうとしたが
「そうわさせないよ?」
「えぇ、あの子の安全が確認出来るまでは一応ここで束縛させてもらいます。」
前門の虎、後方の狼ならぬ前門の氷室、後方の摩耶…
「大丈夫か?アンタ?」
亮は摩耶と氷室に任せて置けば大丈夫と任せ、制服姿の男に話かけた。
「あぁ……なぁアンタ達はルネスの知り合いか?」
「ルネス?…さっきの子か?」
「あぁ…その様子なら知り合いじゃ無いみたいだな…なら何で助けてくれたんだ?」
「…そうだな、困ってるみたいだったら、かな(悠ならそう言うだろう。)」
「そ、そおか…(カッコいい)」
「あぁ、所で名前は?」
「あ、俺は香美梛真平(かみなしんぺい)」
「かみな…どんな字だ?」
「香り美しい梛…」
「綺麗な苗字だな、俺は亮だ岡崎亮、それで眼鏡の人が氷室さんで小さい女みたいなのが摩耶だ。」
二人の紹介をしようと前を向くと
「邪魔だ。」
「おっと逃がさないよ。」
ズガッ!!
黒フードは前に行く振りをして右腕を摩耶の顔を目掛け振り上げた。
「危ない…なっあ!!」
摩耶はぐっと身を屈め裏拳を避けると同時に右足を滑らすように伸ばし黒フードの足首辺りを蹴飛ばした。
「すこし…痛いっよ!」
ガクンっと黒フードの身体が傾き踏み止まったが摩耶は横腹に肘を打ち込み、更にそのまま腕を振り伸ばし胸の辺りに裏拳を叩き込み、ズザザアァァ!!
黒フードはその打突力(だとつりょく)に大きく後に飛び、2,3メートル離れた所で片手をついてひれ伏す様に動きを止める。
「…ダメージ受けてないよね?」
「…気づきましたか、やりますね。」
黒フードは何事も無かった様に立ち上がる…
「妙な感触だったけど…服の下何か仕込んでるみたいだね。」
「仕込んでいるですか…やはり、そこまでですね。」
「?」
摩耶は首を傾げていると
「鍛えられた体技ですが…これはどうです?」
ヒュ…
「おっと!(あ、速い…)」
黒フードは摩耶との距離を詰め、顔を目掛け平手の突きつけたが摩耶は頭を左に傾け避けたが…
ズキ…
「あれ?」
頬に痛みが走ったと思うと一筋の傷が出来、白い頬に赤い線が伝い落ちる…
「問います、そこを退きなさい。」
「…やだ。」
ヒュ、ヒュ、ヒュ!
パンッ!パンッ!パンッ!
黒フードは右斜め、左斜め、真上からと手刀を繰り出されたが摩耶は総て右手で払い受けた。
「痛っ…」
「お返しです。」
ドゴッン!!
右手に冷やかな痛みが走り一瞬動きが鈍った摩耶の腹を黒フードは半身をひねり蹴飛ばした!
「がはっ…」
摩耶は身長が高くなく蹴りは腹部と言うより胸の辺りに直撃し、体重も軽いため軽々と後に飛び…
「おわっ!!」
ガシッリィ…ザッ…
フェンスにぶつかりかけた摩耶を香美梛は受け止め…
「摩耶大丈…!」
「ゴホッ…ゲホッ…うん…ゴホッ平気…」
摩耶は笑顔で平気と言うが右手のひらに傷が出来ていて血がドクドクと流れている…
「く!野郎!」
香美梛は摩耶を亮に預け黒フードを睨んだが…
「「!!」」
「手荒くなりますが…仲良く寝ていてください。」
亮、摩耶は息を飲み、思考が停止する…「何か丸い玉」具体的な言葉にするなら「無数の半透明な弾丸」の様な物が三人に向かって来ているのだから…
「(しまった!逃げれない!)」
「(直撃する!)」
バッ!
亮と摩耶は反応出来ずに居ると香美梛が二人の盾になるように立ちふさがった。
バチン!バチン!バチン!バチン!破裂音響いた…
……………
「受け止めたか。」
「何だこりゃ…」
金剛は自分の腕に先が刺さった鉄の釘だった物を見る
「抜かないとどんどん食い込むぞ?」
「…ぐっ!」
金剛は顔を歪め釘だった物を引き抜く…
釘だった物は先が矢の様に鋭くしかも釣り針の様な取っ掛かりがついており、引き抜くと同時に肉が抉れるのを見てルネスはヒッと小さく悲鳴を漏らす…
「…(伸縮性の形状記憶合金か?)」
「今のは最終警告だ、これ以上傷を負いたく無かったらその子を渡せ」
じゃらじゃらとクレイは釘を構える。
「……はっ、言っただろ断る!」
「っち、なら、病院で後悔しろ!!冷徹な杭は迷いを捨て大地に堕ちる(ニードル・スタンプレイン)」
じゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃら!
クレイは無数の釘を金剛の真上に投げ飛ばし、釘は再び膨れ上がり恐ろしいスピードで降り注ぐ。
「種はわからんが、この程度柏の卑劣技に比べたらぁ!」
ガチッ!ビュンビュンビュンビュン!ガンガンガンガンガンガンガンガン!
「何!」
金剛はチェーンベルトを抜き取りそれを力の限り振り回し、鉄の釘だった物を総て弾き辺りに飛散し壁や床に突き刺さる。
「や、止めろ!馬鹿野郎!!ルネ…」
クレイは飛散した釘がルネスにも当たる事を恐れたようだが…
「……!」
ルネスは顔を手で覆っていてそっと目を開けると自分の方には1本も釘は飛んで来ていない…
「遅かったな…」
「ちょっとな…っか何だあの壁にこの釘?みたいな物は?」
ルネスの前にはいつの間にか悠が居て、両手に釘の束を掴み立っていた。
「貴様…どうやって…」
「あん?声が聞こえたから後ろの壁飛び越えて来た。」
がしゃん!悠は釘だった物を投げ捨てつつ後ろの壁を指差す。
「馬鹿な…」
壁の高さは7,8メートルは有る…
「ルネス無事か?」
「う、うん平気だよ」
「そうか、なら俺と金剛は彼奴の相手をするから逃げるんだぞ!」
「えっ?あぇぇ!」
悠はルネスをお姫様抱っこで持ち上げ
「よっ!ほっ!」
タン!タン!タン!
左右の壁を蹴り、ルネスを抱いたまま器用に後ろの壁を飛び越え反対側に着地してルネスを降ろし、悠は再び反対側に戻って行く。
「あ、ありがとう!」
「おぅ!いいから行け!」
壁越しにルネスのお礼の声と走って行く足音が遠ざかる
「よっ!やられてるな」
「お互い様だろ。」
金剛と悠は笑いあっていると…
「お前らぁ!!!」
クレイが激怒の声を上げる!
「あぁ…忘れてた、金剛動けるよな?」
「辺り前だ。」
「なら…「あの」タッグ技だな」
「初めて聞くぞ…」
「あ!ばらすなよ!」
「黙れぇ!!冷徹な杭は迷いを捨てる!(ニードル・スタンプ)」
ズバババッ!機関銃の発砲音の様に悠と金剛目掛け直線的に釘が放たれたが…
「金剛!」
「おう!」
金剛は両手を組み、悠はそれを踏み台にして前に飛び上がり、そして、金剛はぐっと身を屈め前に滑り込み自分に向かって来る釘を避け…クレイの前に走り
「な、何ぃ!」
「ガードしてみろ!」
ミシシッ!ドッゴッ!!ミキキキィ…
「グブッ!」
金剛の一撃は腹部にまともに当たりクレイの身体はくの字に曲ながらは空中に撃ち上がり……
「とどめだ!悠!」
「任せろ!」
バギィィン!!ドゴッ!!
更に撃ち上がったクレイは空中に居た悠の蹴りにより地面に叩き落ちた。
「よっと!ナイス撃ち上げ!」
「お前こそ、いい一撃だ。」
着地した悠は金剛と手を叩く。
「き、貴様らぁ…」
「うわ、まだ立った!」
クレイはよろよろと立ち上がるが、喋る口元からは血の沫を散らし、横腹を押さえている所を見ると肋が折れて居るのだろう…
「が…」
「やめとけ、それ以上はマジで身体壊れるぜ?」
「れ、冷徹な杭は迷いを捨て去り、罪を穿つ!(スピアニードル・スタンプ)」
ガッ!
カランカランカラン…
突然クレイの手から釘が地面に散らばり…
「な…んだ!!」
ヒュンヒュン…パシッ…
「クレイ=マチド、一般人に力を使うとは情けないな…」
「貴様は…!」
「チャイナ女!」
分銅を構えつつ、クレイの後ろには先程のチャイナ女が現れる…
「くっ…」
「退きなさい、今の貴方に勝ち目は無い。」
「ぐぐ……くそ!」
ブワッ!
「うっ…」
「っ……」
突然砂塵が舞い上がり、悠が目を開けるとクレイの姿は消え、後ろの壁もあれだけ散らばっていた釘も無くなっていた……
「…何なんだ、こりゃ?」
「わからんが……現実みたいだな…」
金剛の抉れた傷は残っていてまだ血が流れている…
「傷か…これを…」
チャイナ女が悠と金剛に近づき、金剛に何かを投げ渡す。
「?」
小さなボトルを金剛は受け取り…
「迷惑を掛けた…」
「待て、チャイナ女!色々聞きたい…」
「話せない…」
話せない…の一言には完全な拒絶が込められていて悠て金剛は言葉を飲み込む
「だが…先程はすまなかった…」
「……その言い方だと俺は勘違いで襲われたのか…」
「…」
「なら…さっきの借りは返してもらうぞ!」
ビュバ!
悠はチャイナ女に殴りかかったが…
「…どうした?」
チャイナ女は微動だにしなかった…
「…何で避けない?」
「借りは返す……それだけだ…」
「はぁ、無抵抗な奴は殴れないな…そうだ一つ忠告だ…」
「?なんだ?」
「そのスリットで上段蹴りは完全に下着見えるぞ」
「!!///」
ビュバ!
「ぐばっ!」
チャイナ女は顔を真っ赤にして悠の顎を垂直に蹴り上げてバタバタと走って消えていく…
「…悠感想は?」
金剛は傷に薬を塗るとすぐに血が止まり、倒れている悠を見る。
「…決まりだ…」
「何が?…」
「奴の名前はシマパンチャイナに決定…」
金剛はため息をつきつつ背負って摩耶達の元へ移動し始めた…