-教室(3-B)-

「しまった、しまった」

さっき、まゆに連れていかれたのでバックを教室に放置したままだったのを玄関で思い出して教室に戻ると…

「流石に誰も居ないな…」

時間は6時前外はまだ明るいがほとんどの生徒は大抵下校している。

「……よいしょ」

意味は無いが自分の席に座って机の上に足を置いて天井を見上げていると……

「…(眠。)」

あれだけ(授業中)寝たのにこうしてるとまた眠たくなってきた…

「…ん～」

バックからiPodを取り出してｲﾔﾎﾝを抜き取り

「再生っと…」

♪～II vento diviene bufera～♪

心地好い西洋楽器の曲が流れだし…

♪～Infurianoimarosi～♪
「夜を渡り逝く月に潮は高く満ちて♪…」

～♪～♪

俺はそのまま、暫く時間が経つのを忘れて、目を閉じ曲に身を任せていた…


… … …

-帰路-

「あ～失敗したな…」

結局寝てしまって、家につく頃には７時を越えていた…

「…あれ？」

家に電気がついている…

「…？」

家の鍵を持って居るのは、俺、親父、近藤。
一応玄関に予備の鍵を隠してあるが知っているのは亮、千草位だ…

「(千草か？それとも近藤が来てるのか？)」

玄関を開けて中に入り…

「誰か来てるのか？」

………

返事は返って来ない…

「…？」

小さい靴が3足分並んでいる…

「まさか…」

-大広間-

「やっぱり…」

まさかと思い大広間に向かうと…

「あ、帰ってきた！」

「お、お邪魔してます。」

「……」

海、星凪、翡翠がﾊﾞﾛﾝやマリオをおもちゃにしている…

「どうやって入った？っか何してる…」

「何してるって、##NAME3##が遊びに来いってゆうてたやん」

「いや、言ったけどな普通アポ位取るだろ…それに鍵掛かってたろ？」

とりあえずバックをその辺に放り投げ、台所にいき冷蔵庫からお茶を取り出す。

「ほっほほ、鍵は私が開けました。」

「柳じい…」

お茶を机に並べていると、柳が仏間から出てくる。

「ほっほほ、弥一に手を合わさせていただきましたよ。」

「ありがとよ、爺も喜ぶか嫌味を言ってると思うよ。」

「十中八九嫌味でしょう。ほっほほ」

「それで爺に手を合わせるだけに来たのか？こいつらまで連れてきて」

「この子らは来たいと言って居たので連れきました、私の用件は診察ですよ。診察。」

柳は診察と言って鞄から色々取り出す。

「診察って…俺はもう治ったぞ。」

「ほっほほ、「診察」は建前ですからの。」

「うをぃ…」

柳は、はっきり建前と言いやがった…

「じゃ、早速服を脱いだ、脱いだ。」

「今、建前ったろ…」

「ほっほほ、怪我が治ったからとどうせ毎日ｵｰﾊﾞｰﾄﾚｰﾆﾝｸﾞをして負担をかけてないかの確認じゃ、あ、目は一応診察しますぞ？」

「わかったから、引っ張らないでくれ…」

悠はボタンを片手で外していきカッターシャツをバックの横に投げる

ｶﾞﾀﾝ…

「んで、どうしたら良い？聴診でもするのか？」

「服を脱ぐ様にいいましたぞ？中のシャツも脱いだ脱いだ。」

「はぁ？これもかよ…ったく。」

仕方なくシャツも脱ぎ…

「これでいいか？」

「ふむ…」

柳は真剣な顔で視診を始める…