「はっ！！」

ｸﾞﾜｷｨｨｨｯ！！

まゆは射程内に入って来た悠の顎目掛けて両手で打ち上げ！

グラｯ…

「しゅっ！」

バシィ！ まゆは浮いた悠の足を蹴りで払い！悠は空中でほぼ一回転する形になり！

「しぃい！」

ズパン！！
悠の顔面に正拳を打ち込んだ！


ドン！ｻﾞｧｧｯ…

悠は頭から落ちてしまう…

「ふっ…」

まゆは短く息を吐き悠を見る。

……

「今…彼奴空中で殴られたよな…」
「し、死んでない？頭から落ちたわよ…」
「空手なのか今の…ワイヤーアクションだろ…」


辺りは静まり変えるが…

「悠悪いが何がどうなったか全く分からん…」

「うん、一方的にやられてる様には見えたけど。」

「まぁだ流血してないけどなぁ…」


亮、こなた、みさお、あやの、つかさはもう慣れているので対して心配してないが…

「悠！生きてマスカ！」

「悠先輩！無事っすか！」

パティ、ひよりは悠の心配をする。

「ん～ちょっと受け身失敗して背中痛いな…」

悠は再びヒョイっと身体を起こす。

「君は何者なんだ…」

まゆは思わず笑ってしまう。

「ん…ただのいち生徒だ、さて…じゃそろそろ攻めるか。」

悠はまゆにゆっくりと近づいて行く。

「…(悠…君はやっぱり…)ハッ！」

ビュッ！

半身ひねり横蹴り！(空手版)通常の蹴りとは違い足の指をすべて曲げて骨を強張らせて放つ蹴り。

「ごはっ！」

悠は蹴りをまともに受けた…

「何てな！」

「！」

ｸﾞﾘﾝ！悠は蹴りが当たる瞬間に身体を回転し蹴りの衝撃をすべて流したのだ！

「よっ！」

ガシ！ビュッン

そして、まゆの足を持って裏拳を顔面に…

「っ……」

… … …

まゆが目を開けると…

ｺﾂﾝ！

「あぅ…」

おでこに軽く拳があたる。

「俺の勝ち」

悠は足を解放して笑顔を向ける。

「…はは、うん君の勝ちだ悠」

スッ…

「空手ならまゆの勝ちだったよ、喧嘩だから勝てた。」

ギュッ互いに手を握る。

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
辺りから拍手喝采！

「うっわ…こんなに集まってたのか…」

「気づいて無かったのか！」

「俺喧嘩に集中すると辺り見えなくなるから…」

「悠、まゆ、お疲れ。」

亮が拍手しながら近づいて来る。

「亮、柏の技解ったか？」
「…当たったように見えて避ける技…」

「半分正解、当たったようにじゃなく当たって流す技だ。変則カウンターって所だな。」

「とう！」

ギュッ！

「ぬぉ！」

亮と話して居ると何かが背中に飛び付いて来る。

「悠～素敵だったよ～」

「こ、こなた、飛び付くなよ」

「ん～悠汗くさ～」

「うっさい！なら離れろ！」

悠はこなたを振り落とす。

「ゆう先輩どうぞ。」

「お、ゆたか、サンキュー」

「はい//」

悠はゆたかから水を受け取り半分ほど飲み干し

「ぷはっ…ほい、まゆも飲めよ。」

「あ、ありがとう//」

悠は水をまゆにも渡す。

「悠～、やるじゃんよ～柔道、剣道、空手全部倒したぞ！」

「みさお、わかったから背中に抱きつくな、今は汗かいてベタベタだから…」

悠はみさおを引き剥がして…

「よっす。」

「…」

岸部の元に行き

「まぁ…何だ…俺は格闘技を馬鹿にしてるつもりは無い、それに空手ではまゆの勝ちだった。」

「…」

「岸部…悠は立派な格闘家だ。」

まゆも岸部に近より語る。

「…うっす。」

「よし、じゃあ皆を帰してくれ、それで今回の件は無しだ！」

岸部は一礼して集まった集団を帰していく。

… … …

「ふぃ～疲れた…」

「いや～いい戦いだったね～」

大抵の者は出ていったが悠と亮それにこなた達とまゆは残っていた。

「悠胴着脱がないのかぁ？」

「何か今は動きたく無いや…」

悠は中央で大の字になって倒れている。

「悠格好良かったデスヨ！」

「やっぱり、悠は良いよね～」

「はは、そらどうも…」

「…悠、少しいいかな…」

「あん？何だ？」

目を開けるとちょうど頭元にまゆが立っている。

「君は今…誰かと……付き合っているか？」

「…」

「「「はぁ？」」」

悠は思わず立ち上がり こなた達は声を揃える…

「何だいきなり？」

「……その僕と…」

「！！」

まゆが何かを言おうとしたが悠は先に体が動いた！

ﾋｭﾊﾟﾝ…

まゆの顔の横から悠目掛けて竹刀が飛んできて悠は自分に当たるスレスレで竹刀を掴む…

「おい…テメェ悪戯にしたら度が過ぎるぞコラ…」

悠は真っ直ぐ前を睨み付ける…