－大広間－

「その後、私は少なくとも親父が来てくれて無ければ悠を殺していた…」

たんたんと兜馬は説明を終える。

「…」「…」

流石の二人も声を失う

「つ、つまり、俺は親父を殺しかけたのか？」

「まぁそう言う事だ、私に武の才が無かったのも悪かったのだが…その後は親父にお前を頼んだ。」

「マジか…はは…ヤバ、俺全く覚えてないわ…」

悠は頭を押さえる。

「今思えば、あれが悠の武の才だったと親父が言ってたな…」

兜馬は笑うが

「…(あれ…じゃあ…爺はみんな知ってたのか？…あれ…あの爺何も知らないって……つまり…知っててあの爺は笑ってやがったのか…？)」

急に恥ずかしくなり顔が赤くなるのが自分でもわかる…

「(つ、つまり、爺は俺が自分で謝るまで知らんふりを……！)」

後ろに気配を感じて…

「ふ、ふふ」

「悠？」「悠ちゃん？」

「ふふふふ、爺！てめぇ//知ってて何も言いやがらなかったな//！」

悠は立ち上がり後に向かって怒鳴る。

「な、何言うてるんや悠ちゃ…」

梔が悠が壊れたかと思って居ると

『くっくくく、あははは！つ、遂にバレてしもうたか！』

「「！？」」

『久々じゃの～兜馬、梔ちゃん』

兜馬と梔は我が目を疑った…

「くぉの//妖怪爺が！」

『にひひ、照れて親父と呼ぶのは中々見ものじゃったのー！』

弥一が…目の前で笑い喋っている…

「も、もしかして、ゆ、幽霊…どすか？」

「お、親父…」

『成仏しきれんでの～たま～に現れとるんじゃよ～』

弥一はさも当然の様に振る舞う。



－空き地－

「え？何これどう言う事？」

「弥一？ってたしかゆうくんのおじいさんだよね？」

「今幽霊って…」

こちらは此方で大混乱するなか…

「弥一さんだと！」

ダッ！！

柏はいきなり走りだし

「ちょ！柏！～～亮行くわよ！」

「お、おい千草！」

千草も亮を連れて走り出す。

「もう、これは音声だけじゃダメ！我慢できないわ！」

「稲葉ちゃん！ま、私も行くよ！」

「ちょ！待ちなさいよアンタ達！」

稲葉達も走る中

「金剛君行こう！」

「…」

「どうしたの早く行こうよ？」

「…どうかしましたか？」
動こうとしない金剛に摩耶、卯天、みなみが声をかけると…

「ゆ、幽霊とかダメ何だ…」

金剛はそう呟く…

「「…行くよ！」」

金剛を引っ張り悠の家に向かって走って行く。