―台所―

「何か有ったかな・・」

ごそごそと冷蔵庫の中をあさって

「お、いい物があった!」

中からオレンジを2個取り出して
包丁と小皿を持ち広間に向った

―大広間―

昼間と違いシーンとした、夜の広間はかなり怖い雰囲気を出しているが俺はむしろ落ち着く

「さて、食べますか。」

ショリ、ショリ

皮を剥き、切り分けて皿に盛っていると

「誰か居るの?」

廊下から声が聞こえる

「居ませんよ～♪」

こう言う時脅かさないようにするコツはおどけることが大切だ。

「もう、ゆう君だね」

俺と判りあやのが顔を覗かせる

「よっす、どうした?眠れないか?」

俺は切り分けたオレンジに楊枝を刺してあやのに向ける。

「ありがと。うん少し目が冴えちゃって・・」

あやのは俺の前のソファーに座る

「まっ、人の家じゃ落ち着かないってのも有るだろうしな・・」

「そうかもね、ゆう君はどうしたの早めに寝てたみたいだったけど?」

「いや、寝るつもりは無かったんだけど、いつの間にか寝ててさっき起きたんだよ」

「そうなんだ。」

「眠れないなら何か貸そうか?小説、漫画、ゲームなら貸せるぞ?」

「じゃあ・・小説借りようかな。」

「OK」

俺は残ったオレンジを胃に放り込んであやのを連れて部屋に向った。

―悠の部屋―

「ここだ、入るの初めてだろ?」

「うん、凄い本棚多いね!」

「まぁ、暇人だからな、小説の棚はそこだから適当に取っていってくれ。」

俺はベットに腰掛けて言う。

「ありがとう、じゃあ・・このフェイトって言うの借りてくね」

「OKじゃおやすみ」

「うん、また明日ね」

あやのは部屋を出て行く。

「・・・何かもう俺の家は本当に自由になってきたな・・」


普通に女子が泊まり、夜中に部屋に来たり、これも環境の変化かと思いつつ

「明後日・・いや・・もう明日か・・」

ランカー狩りの事を考えるが悠は再び眠りの中に誘われて行く・・・


ＥＮＤ