七英雄わちゃわちゃ
ワグナスにバニースーツを着せたいロックブーケの話。
筋肉とかバニースーツの知識はネットで調べたのを書いているだけなので、薄くてすみません。
ロックブーケはバニーガール、ボクオーン&スービエはバニーボーイ姿なのでご注意を。
ターム討伐軍の家計は火の車である――
「ねぇねぇ、ボクオーン。良い儲け話がありますの」
だから、普段なら馬鹿馬鹿しいと一蹴する、ロックブーケの誘いに乗ることにした。
そもそも、ボクオーンは軍師としてこの軍に参加することになった身だ。それがなぜ金の心配をしなければならないのか。理由は、この軍に所属しているのは兵士ばかりで、雑務をこなす人間が圧倒的に足りていないからだ。
評議会で予算を勝ち取ってくるのはワグナスだ。いくらかは彼の私財を投じているとも聞く。
だが彼は、その金がどう使われているかについてはあまり関心がない。必要なものを買えばいいと雑に思っている。
それでは成り立たなくなるのも必然というものだ。
ロックブーケが持ち込んだのはバニー服というものらしい。
ウサギの耳がついたカチューシャ。男性用はウェイターが着るような服がアレンジされたもの。女性用はレオタードのような服に編みタイツだ。さらにカフスと蝶ネクタイが色っぽい服に上品なアクセントを加えている。
これを着て喫茶店を開けば、客が殺到するとのことだ。
ノリがいいスービエを巻き込むことには成功した。
しかし、ワグナスとノエルには逃げられた。
いつも仲間に入りたそうにしているから声を掛けたのに、クジンシーにも逃げられた。
ダンターグは遠征中である。
普段は軍議に使われる円卓を囲んで、バニー服を身に纏った三人は会議を行なっていた。
「なんとしても、ワグナス様に着ていただかなければっ」
ロックブーケが力説をする。
それは軍資金のためか、自らの欲望のためか。
――ボクオーンは金が稼げれば良いので、問わなかった。
そのボクオーンのウサギの耳は黒色で、丈が短くへそが出ているベストに、半ズボン姿だ。網目状のニーハイを渡されたが、なんとなく嫌だったので網目状のソックスを履いたところ、これはこれで可愛いとロックブーケは大絶賛をしていた。
スービエはワグナス用のバニー服をしげしげと眺めていた。彼はウェイター服を着崩して、立派な胸筋や腹筋を惜しみなく晒している。色男は何を着ても様になる。そんな彼のウサギ耳は白色だ。
「ボクオーンとスービエだけでも集客は望めますけれど、やはり本命はワグナス様ですわっ」
そう力説をするロックブーケもまた、バニー服を身に纏っていた。彼女のは女性用で、ウサギの耳はオレンジ色だ。色気と愛らしさが入り混じった見た目は、彼女一人で男性客を大量に呼び込めること間違いなしだ。
「でも、なんだってバニー服かねぇ? いや、バニーの良さは俺にも分かるぜ。だけど、これは本来女性が着るもんじゃないのか?」
「スービエ、あなたは何もわかっていませんわっ」
ロックブーケは声を荒げ、円卓を力一杯叩いた。
彼女の熱意でビリビリと空気が揺れ、その振動がボクオーン達に伝わってくる。
「あなたはバニースーツを嫌らしい目で見ているのではなくて? そうではないのです。この光沢のある生地が、身体のラインに吸い付いて、ワグナス様の美しい筋肉を強調してくれますの。普段はゆったりとした服でお目見えすることがない、鍛えられた大胸筋、腹直筋も浮いて見えるでしょう。背中が大きく開いていることにより広背筋や僧帽筋が晒されて、逆三角形の美しいシルエットを際立たせてくれること間違いなしですわ。そして、上腕二頭筋っ! ワグナス様はお兄様達のように筋肉隆々ではないとは思うのです。でも、長剣を振るために鍛えられた引き締まった筋肉は私達を魅力すること間違いなしですわ。そして極め付けは、スラリと伸びた御御足をも、最高の形で引き出してくれます。芸術なのです」
ロックブーケはかつて見た事がないほどに興奮し切った様子で、力説をする。そうだそうだと言わんばかりに、彼女のうさぎ耳がひょこひょこと動いた。
ボクオーンは思った。ロックブーケは筋肉マニアだっただろうか。兄のノエルが筋トレ好きだったので、その影響かもしれない。
ボクオーンは箱の中から白いウサギ耳と尻尾を取り出した。これらを装備したワグナスを想像する。普段は隠された至高の筋肉達を拝める。しかも、こんなに可愛い耳や尻尾付きでだ。そのギャップは、まあ、アリかもしれない。
「……確かに、たいそうお美しいでしょうね」
「ワグナスならなんでも着こなせるだろう」
ボクオーンとスービエは視線を交わし、頷きあった。スービエはどこか得意げだ。
同意を得られて嬉しいようで、「そうですわ、その通りですわ!」とロックブーケの高い声が室内に響く。
「それにしても、このハイレグの角度はなかなかエグいな」
「それも全て計算されているのです。このハイレグは腰のラインを強調し、大腿四頭筋とハムストリングスの美しさを引き立て、ワグナス様の長い足をさらに長く美しく見せます。さらにこの網タイツ。ワグナス様の美しい御御足の魅力を最大限に引き出す至高の網目サイズを選びました。網目が生み出す光と影が、筋肉の陰影を美しく際立たせることでしょう! さらにハイヒールによって腓腹筋が引き締まり、ふくらはぎの美しい曲線も浮かび上がるでしょう。これら全てが、ワグナス様の美術品のような神秘的な美しさを演出すること間違いなしですわ。そしてそのウサ耳と尻尾は可愛らしさを添えてくれます。美しさとのギャップで胸きゅんですわ。ワグナス様なら完璧に着こなしてくれることも間違いなしです」
ご高説を賜り、ボクオーンとスービエは拍手を送った。
あまり意味は分からないが、勢いに負けた。なんだか凄そうな気持ちになってきた。理論派のボクオーンを勢いだけで納得させるとは、ロックブーケ恐るべし。
ボクオーンもスービエも、多少なりともロックブーケと同じくワグナスを信仰している。
だから、いつもとは違う格好も、たまには良いかもしれないと思ってしまった。
「それでは、ワグナス様の捕獲作戦に入りましょう。ボクオーン、お願いします」
やることが決まれば作戦の立案はボクオーンの役割だ。
今回の作戦の最終目標はワグナスと、ついでにクジンシーの捕縛。
ノエルはあちら側につくかもしれないが、ならばロックブーケをぶつけてやればいい。
相手に不足はない。
ワグナス達が潜んでいるところはすでに探らせている。目星はスービエがつけた。ワグナスのことならなんでも知っていると豪語する従兄弟の勘は頼りになる。
伝令が届くまでの間で、三人で彼らに勝利できる策を考えよう。そして作戦を成功させ、バニー喫茶・七英雄をオープンへと導いてみせよう。
軍資金をたんまりと稼いで、武器防具を新調するのだ。
筋肉とかバニースーツの知識はネットで調べたのを書いているだけなので、薄くてすみません。
ロックブーケはバニーガール、ボクオーン&スービエはバニーボーイ姿なのでご注意を。
バニーの日
ターム討伐軍の家計は火の車である――
「ねぇねぇ、ボクオーン。良い儲け話がありますの」
だから、普段なら馬鹿馬鹿しいと一蹴する、ロックブーケの誘いに乗ることにした。
そもそも、ボクオーンは軍師としてこの軍に参加することになった身だ。それがなぜ金の心配をしなければならないのか。理由は、この軍に所属しているのは兵士ばかりで、雑務をこなす人間が圧倒的に足りていないからだ。
評議会で予算を勝ち取ってくるのはワグナスだ。いくらかは彼の私財を投じているとも聞く。
だが彼は、その金がどう使われているかについてはあまり関心がない。必要なものを買えばいいと雑に思っている。
それでは成り立たなくなるのも必然というものだ。
ロックブーケが持ち込んだのはバニー服というものらしい。
ウサギの耳がついたカチューシャ。男性用はウェイターが着るような服がアレンジされたもの。女性用はレオタードのような服に編みタイツだ。さらにカフスと蝶ネクタイが色っぽい服に上品なアクセントを加えている。
これを着て喫茶店を開けば、客が殺到するとのことだ。
ノリがいいスービエを巻き込むことには成功した。
しかし、ワグナスとノエルには逃げられた。
いつも仲間に入りたそうにしているから声を掛けたのに、クジンシーにも逃げられた。
ダンターグは遠征中である。
普段は軍議に使われる円卓を囲んで、バニー服を身に纏った三人は会議を行なっていた。
「なんとしても、ワグナス様に着ていただかなければっ」
ロックブーケが力説をする。
それは軍資金のためか、自らの欲望のためか。
――ボクオーンは金が稼げれば良いので、問わなかった。
そのボクオーンのウサギの耳は黒色で、丈が短くへそが出ているベストに、半ズボン姿だ。網目状のニーハイを渡されたが、なんとなく嫌だったので網目状のソックスを履いたところ、これはこれで可愛いとロックブーケは大絶賛をしていた。
スービエはワグナス用のバニー服をしげしげと眺めていた。彼はウェイター服を着崩して、立派な胸筋や腹筋を惜しみなく晒している。色男は何を着ても様になる。そんな彼のウサギ耳は白色だ。
「ボクオーンとスービエだけでも集客は望めますけれど、やはり本命はワグナス様ですわっ」
そう力説をするロックブーケもまた、バニー服を身に纏っていた。彼女のは女性用で、ウサギの耳はオレンジ色だ。色気と愛らしさが入り混じった見た目は、彼女一人で男性客を大量に呼び込めること間違いなしだ。
「でも、なんだってバニー服かねぇ? いや、バニーの良さは俺にも分かるぜ。だけど、これは本来女性が着るもんじゃないのか?」
「スービエ、あなたは何もわかっていませんわっ」
ロックブーケは声を荒げ、円卓を力一杯叩いた。
彼女の熱意でビリビリと空気が揺れ、その振動がボクオーン達に伝わってくる。
「あなたはバニースーツを嫌らしい目で見ているのではなくて? そうではないのです。この光沢のある生地が、身体のラインに吸い付いて、ワグナス様の美しい筋肉を強調してくれますの。普段はゆったりとした服でお目見えすることがない、鍛えられた大胸筋、腹直筋も浮いて見えるでしょう。背中が大きく開いていることにより広背筋や僧帽筋が晒されて、逆三角形の美しいシルエットを際立たせてくれること間違いなしですわ。そして、上腕二頭筋っ! ワグナス様はお兄様達のように筋肉隆々ではないとは思うのです。でも、長剣を振るために鍛えられた引き締まった筋肉は私達を魅力すること間違いなしですわ。そして極め付けは、スラリと伸びた御御足をも、最高の形で引き出してくれます。芸術なのです」
ロックブーケはかつて見た事がないほどに興奮し切った様子で、力説をする。そうだそうだと言わんばかりに、彼女のうさぎ耳がひょこひょこと動いた。
ボクオーンは思った。ロックブーケは筋肉マニアだっただろうか。兄のノエルが筋トレ好きだったので、その影響かもしれない。
ボクオーンは箱の中から白いウサギ耳と尻尾を取り出した。これらを装備したワグナスを想像する。普段は隠された至高の筋肉達を拝める。しかも、こんなに可愛い耳や尻尾付きでだ。そのギャップは、まあ、アリかもしれない。
「……確かに、たいそうお美しいでしょうね」
「ワグナスならなんでも着こなせるだろう」
ボクオーンとスービエは視線を交わし、頷きあった。スービエはどこか得意げだ。
同意を得られて嬉しいようで、「そうですわ、その通りですわ!」とロックブーケの高い声が室内に響く。
「それにしても、このハイレグの角度はなかなかエグいな」
「それも全て計算されているのです。このハイレグは腰のラインを強調し、大腿四頭筋とハムストリングスの美しさを引き立て、ワグナス様の長い足をさらに長く美しく見せます。さらにこの網タイツ。ワグナス様の美しい御御足の魅力を最大限に引き出す至高の網目サイズを選びました。網目が生み出す光と影が、筋肉の陰影を美しく際立たせることでしょう! さらにハイヒールによって腓腹筋が引き締まり、ふくらはぎの美しい曲線も浮かび上がるでしょう。これら全てが、ワグナス様の美術品のような神秘的な美しさを演出すること間違いなしですわ。そしてそのウサ耳と尻尾は可愛らしさを添えてくれます。美しさとのギャップで胸きゅんですわ。ワグナス様なら完璧に着こなしてくれることも間違いなしです」
ご高説を賜り、ボクオーンとスービエは拍手を送った。
あまり意味は分からないが、勢いに負けた。なんだか凄そうな気持ちになってきた。理論派のボクオーンを勢いだけで納得させるとは、ロックブーケ恐るべし。
ボクオーンもスービエも、多少なりともロックブーケと同じくワグナスを信仰している。
だから、いつもとは違う格好も、たまには良いかもしれないと思ってしまった。
「それでは、ワグナス様の捕獲作戦に入りましょう。ボクオーン、お願いします」
やることが決まれば作戦の立案はボクオーンの役割だ。
今回の作戦の最終目標はワグナスと、ついでにクジンシーの捕縛。
ノエルはあちら側につくかもしれないが、ならばロックブーケをぶつけてやればいい。
相手に不足はない。
ワグナス達が潜んでいるところはすでに探らせている。目星はスービエがつけた。ワグナスのことならなんでも知っていると豪語する従兄弟の勘は頼りになる。
伝令が届くまでの間で、三人で彼らに勝利できる策を考えよう。そして作戦を成功させ、バニー喫茶・七英雄をオープンへと導いてみせよう。
軍資金をたんまりと稼いで、武器防具を新調するのだ。