短編

帝ボクでポッキーゲーム

ポッキーゲーム



 十一月十一日。ポッキーの日。
 ボクオーンは思った。ポッキーゲームがしたい、と。
 そして勝利した暁には何か望みを叶えさせよう。

「ポッキーゲーム? 良いぞ、やろう」
 皇帝は笑顔で快諾をした。
 向かい合ってポッキーの端と端を咥え合う。至近距離にあるアイスブルーの瞳がじっとこちらを向いた。
 サクッ、と音を立てて、ボクオーンが一口分前に進む。
 皇帝は身じろぎひとつせずに、悠然と構えていた。
 ――何を企んでいるんだ?
 だが爽やかな微笑みを湛えた彼の表情からは何も読めなかった。
 一口ずつ慎重に進むが、皇帝は動かない。
 唇が触れ合いそうなほどに近づいた時、そっと彼の瞳が伏せられた。
「……」
 ぱきっ、と音を立ててポッキーを噛み切り、ボクオーンは身を引いた。彼は唇を突き出して待っている。キス待ち顔という言葉が似合う顔だった。
「あなたの負けです」
「え、キスするまで続けるものだろう!?」
「違います」
「ボクオーンからキスをしてくれることなんて滅多にないから、楽しみに待っていたんだ!」
「却下です」
 皇帝が必死に訴えるので、ボクオーンも意地を張って拒否をし続けた。

 ボクオーンが根負けをするまで、あと三十分――
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