短いお題色々

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「恋と呼ぶには遅すぎて、愛と呼ぶには早すぎる」からお借りました。
クジボク。付き合っているのかどうかは特に決めていません。

振り返って欲しくはないから、君の前しか歩かない


「前に出過ぎですっ! こら、ちょっと、聞いているんですかっ」
 背後からボクオーンの怒鳴り声が聞こえる。
 クジンシーは無視をして前に進んだ。

 七英雄は皆強くて賢い。
 一番最後に仲間入りしたクジンシーは、ロックブーケと共に子供扱いだった。
 お目付役に任命されたボクオーンは戦いの最中、後ろのクジンシーを振り返っては無事を確認した。
 だけど今は、彼のことを守れるくらいに強くなった。

 足が何かのスイッチを踏む。
 次の瞬間足元が消えた。体にかかる浮遊感――。紫色の糸が全身に絡まり、後ろに引っ張られた。
 後頭部を地面に打ちつけて、見上げれば不機嫌な顔のボクオーンがいた。その瞳が理由を問うていたから、素直に白状をする。
「俺が後ろにいると、お前、心配して振り向くじゃん」
 ボクオーンは呆れながら杖で頭を殴った。
「ならば隣を歩けばいいでしょう」
「カッコつけたいんだよっ。……お前の前ではさ」
 覗き込んでいたボクオーンが上体を起こし、視線を横に滑らせた。
 クジンシーはその仕草の意味を深く考えずに、勢いよく立ち上がって歩き出した。
 ボクオーンはため息をつきながらも、斜め後ろについてきてくれた。
 静かに、歩調を合わせながら。
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