短いお題色々

https://shindanmaker.com/386208
「140文字で綴るSS小説お題」からお題をお借りしました。
カテゴリ的にはスビボクでワグ←ボクの矢印が出ているかもしれないし、ワグボクと警戒しているスビという関係かもしれない。

真実って必要ですか



「なぜワグナスに力を貸す?」
 鋭い声に呼び止められた。振り向くと、スービエの蒼い目が探るようにこちらを向いていた。面に浮かんでいるのは不審だ。
 ボクオーンは芝居がかった調子で、肩をすくめてみせた。
「タームを倒せると思うからです」
 彼の表情は変わらない。胡散臭い自分が、彼の大切な従兄弟殿に近づくのが気に入らないのだろう。
「その栄誉のおこぼれをもらえれば、地位や名声が得られるでしょう」
「そんなことに命をかけるのか?」
 その問いかけに、ボクオーンは口元に笑みを作った。
「それらを捨てたあなたには分かりませんよ」
 金色の瞳は冷えたまま、睨みつけてくるスービエを写す。
 互いに目を逸らさず、空気が張り詰める。

 ――ワグナスは光のような男だ。彼の理想も慈悲深さも、自らを投げ打つ高潔さも。愚かしくも愛おしいと、憧れを抱いた。だから力になりたいと思った。
 だが、それを口にする必要はない。

 話は終わりとばかりに、ボクオーンは踵を返した。
「ワグナス殿には必要以上に近づきませんので、ご心配なく」
 遠ざかるボクオーンの背中に、制止の声はかけられなかった。
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