短編

ワグボクでポッキーゲームをする短いお話。

ポッキーゲーム


 
 十一月十一日。ポッキーの日。
 ボクオーンは思った。ポッキーゲームがしたい、と。
 そして勝利した暁には何か望みを叶えさせよう。

「ポッキーゲームをしましょう」
 なんだそれはと首を傾げるワグナスにルールを説明をした。
「君が望むのならば、構わぬよ」
 ポッキーの長さ分の至近距離で見つめあう。
 ワグナスの喉が鳴り、頬が染まる。そっと視線を落として節目がちになった目元に長いまつ毛の影が落ちた。
 ――照れすぎでは? と、きゅんと胸がときめいた。
「では、始めるぞ」
 ワグナスの口がゆっくりと開く。赤い舌がチラリと覗き、その艶かしさにぞわりと肌が粟立った。
 ワグナスが咥えたポッキーの反対側をボクオーンの口に近づけて来るので、咄嗟に口を開いてポッキーを受け入れる。
 上目づかいに目を合わせてくるワグナスが妙に官能的に見えて、ボクオーンは固まった。サクサクという軽い音と共に、抗う間もなくワグナスの顔が近づいてくる。
 ぽきっと小気味のいい音が鳴り、一瞬だけ唇が重なった。
 くくっ、と彼らしくない意地悪げな笑い声が聞こえて、気恥ずかしくなって体を起こしながら口元を押さえた。
「かわいいな」
 愛おしさが溢れた声で告げ、優しく微笑むワグナス。
 ボクオーンはワグナスが照れる様を観察したかったのに、と思いながら天井を仰いだ。
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