10回目のプロポーズ
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「ちくしょおおおおお侮辱しやがってあのいけすかない眉なし!!チューリップ頭!!次会った時にはぶちのめぇす!!はっ!はっ!」
「船長おおお!修行できる体じゃねぇんだ、寝てくれお願いだからー!」
「うるせええ!じっとしてられっかああ!!……う、気持ち悪…」
「ほら言ったろうが!貧血だそれは!」
船医プティルは、目覚めた私を監視するためにつきっきりだった。
あのユースタスとの戦いの2日後、私は目を覚ました。無様な負けに嫁にしてやると言う侮辱、じっとしていられるわけもなくこうして動いては連れ戻されることを繰り返している。
グロームたちは2日前のことなんて忘れたかのようにそんな私を見てゲラゲラ笑う。
「船長〜念願の自分より強い男が見つかったのにずいぶん荒れてんじゃねえか」
「あんなのは嫌だ!あんな悪魔!それに婚活はついでだっつったろ!」
「お口が悪いといつまでも貰い手が現れませんよ」
オスカーの言葉には言い返せず、枕を投げつけた。
「いいか、あいつには多分また会う。対応次第じゃ今度は雷の力を惜しまない、今回は私がバカだったよ、真剣勝負なんかにけしこんで!」
「いいじゃねえか、あんたの姿に惚れたよ俺は」
「最後にはお前に助けられたんだけどな」
グロームは口ひげを撫でながら照れ臭そうに笑った。
***
「で、また会うとは思ったがそれがこんなにすぐとは、さすがに夢にもおもわなかったわ」
「船長、」
「いいよ、敵意は感じない。無用な争いは避けよう」
とある島。落ち着いた気候のこの街は、補給にはうってつけだった。そんな島で争いあうのはできればしたくないところだし、と私はすぐ隣に停泊したキッド海賊団の船を見上げる。
「お前ら補給は頼む」
「船長せっかくの島だぞ? おりねぇのか」
「降りたらあのチューリップ野郎と出合い頭に大事故をおこしてしまう自信がある」
「めっちゃ根に持ってる! さわやかに喧嘩しない宣言したのにすげぇ根に持ってる!」
「うるさい! さっさといかんかぁ~!」
クルーたちを怒鳴りつけて補給に生かせる。この島はすぐにログがたまる。一刻も早くここを出たい。
「よー、雷女」
なんて思っていると、さっそく隣の船から声が聞こえる。
私は甲板で仁王立ちしたままだ。ここで部屋に戻れば逃げたと思われる。それは癪だ。
「おい、お前の手配書見せてもらったぞ。」
「……」
「セアラってんだなお前」
「……(賞金額じゃなくて名前に触れるのかよ)」
「おい、無視すんなよ、未来の旦那だぞ俺は」
「、……」
「っは、強情な女だぜ。だがそこもまたいい、お前の手配書、次更新されるときにはこうなってるだろうよ、雷女ユースタス・セアラ」
「はあ!?!? なにそれキモ!! 変な妄想しないでくれる!? 、あ」
「やっと反応したな」
「くっ……お前があまりに気色悪いからだ!」
あいつ、あんな悪魔顔で意外にも気持ち悪いな!
「もう話しかけんな!」
「嫌なら部屋にでも戻ればいいだろうが」
「それは嫌!」
「満更でもねぇってことか」
「違うわ! 負けたみたいで悔しいじゃん!」
「かわいいところあるんだな、さすが船長」
「からかうな! てかお前が部屋に戻れ! 船長としていろいろすることあるでしょうが! 航路の確認とか!」
「俺はああいうのは苦手なんだよ、それともセアラが教えてくれんのか?」
「教えるかあああ!」
「さてはお前地図が読めないんだろう、女ってのは地図が苦手らしいからな。よし、俺が教えてやる」
「お前らん所の航路は知りたくない!まったくもって!」
「いいじゃねぇか、で、いつ結婚してくれんだ? あ?」
「しねぇっつの!!」
二回目、船の上にて。
(キラー、頭は何をしているんだ)(さぁ…)
(船長…結局ユースタスと喧嘩してる…)(でもなんか楽しそうな…)