あなたを鳥にしたい。(連載中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれから…あの悲劇の日から数日。ええ、猛練習の末なんとかコントロールできるようになったし、あたらしい手配書も手に入ったのでよしとするけれど、未だ自分の手で頭を葬ってしまったショックは消えません。
ウチが食べた悪魔の実は、図鑑には載ってなかったけどどうやらどこにでも翼を生えさせて操れるとかいう能力を持っているよう。
ウチ自身はなーんもつよくなってないです。
最悪。ああ、
でも実はあたらしく戦い方を考案中。ウチの両親の道場では合気道というのを教えている。ウチは娘だから一応ならっていたんだけど、それは力の弱いものが相手の襲いかかってくる力を逆に利用して相手を吹っ飛ばすとか言う、簡単に言えば護身術だ。さすがにこの世界の人たちは強すぎてその技はなかなかつかえない。だけど相手に羽を生やしてちょこっと浮かせば簡単に技を決められる。と、思う。
練習中なので何とも言えない。一応敵襲があったときとか自分の身は守りたいし。頭に会う前に死ぬのはゴメンだし。
「カヤ」
甲板でそのあたらしい戦法について考えていると、カードを片手にホーキンスさんがやってきた。今日も女子力の高い髪ですな。
「西に、いる。ユースタスだ」
「え…!とっとととととうとう頭が…!」
「今、烏の使いを送った」
「烏とかダークですね」
「お前に譲りたいクルーが居ると記しておいた。損は無いともな。俺たちは一応同盟を組んでいる。とりあえず対面だけは無事に果たせるだろう」
「おっ…おぅふ…とうとうこの日が…。お世話になりましたホーキンス様」
「礼は無事ユースタスのクルーになってから言うんだな」
「大丈夫です!一応あたらしい戦い方も考案中ですし、あっちのクルーにあわせてメッチャ派手な服かっておきましたし!ああそうだ着替えなくては!ではのちほど!」
「……」
こっここここここの日を、ウチは待ってましたええ生まれたその瞬間から!(嘘ですごめんなさい)
恥ずかしいけど、網タイツとかはいてみちゃったり、大丈夫多分。色気は求めていない。異質さを求めているので。よし、これで完璧。部屋を出ようとしたところで、船が止まった。そぉっと部屋から外をうかがえば、ホーキンスさんの声が聞こえてきた。
「先に手紙を送ったとおり、あわせたいヤツがいてな。よければそのまま連れて行ってやってほしい」
「あのなぁ、俺はボランティアじゃねぇんだ!」
はぅぅぅぅう! この! このドスのきいたお声!
「天使! ああ天使! ありがとう神様!」
「カヤ、そこから見ていないで出てきたらどうだ」
「っひゃい!」
ああ、緊張する!
見える。赤いコートが。金属の腕が。深紅の髪が、おっきい切り傷と、ゴーグルと。
「キッド…ユースタス…キャプテン・キッド…ほんもの…」
「あぁあ? ずいぶんと貧弱そうな女じゃねぇか」
「ああしゃべっておられる! 頭がしゃべっておられるよぉおお!」
「はぁあ? つぅかいつ俺がお前の頭になったんだ」
「っふぁあごめんなさい閣下! キッド様!」
「ふっ…まぁ服の趣味は悪くねぇよ」
「あざます!」
ああ、天使が居る! 天使がここにいる! あれ、てかもう翼が見えた。
「なっ、なんだ!?」
翼をはためかせて頭がふわりと浮かんでみる。ああ、ふわふわしているのは私の脳内だけど…
「おいどういうことだ!? なんで俺が浮いていやがる!」
「ああ、神よ! 天使が今降臨した!」
「カヤ、天使はここには居ない。お前の能力の暴走だ」
え――能力の暴走…ってことはぁああ!
「わぁあ!ごめんなさい失礼いたしましたすぐにおろしますね! どうぞ!」
「っと。急におろすなアブねぇだろうが!」
「ごっごごごごめんなさい! ついキッド様をみていたら天使の幻想が脳内に…!」
このまま、あなたを飛ばせられたらどんなにいいだろうか。鳥のように飛ぶ貴方を、船の上から見上げられたら、きっと素敵だろう。そうか…そうだこの能力はそのためにある! そうにちがいない!
「キッド様! あなたの翼にしてください!」
はじめて、ホーキンスさんの吹き出す声を聞いた気がした。
ウチが食べた悪魔の実は、図鑑には載ってなかったけどどうやらどこにでも翼を生えさせて操れるとかいう能力を持っているよう。
ウチ自身はなーんもつよくなってないです。
最悪。ああ、
でも実はあたらしく戦い方を考案中。ウチの両親の道場では合気道というのを教えている。ウチは娘だから一応ならっていたんだけど、それは力の弱いものが相手の襲いかかってくる力を逆に利用して相手を吹っ飛ばすとか言う、簡単に言えば護身術だ。さすがにこの世界の人たちは強すぎてその技はなかなかつかえない。だけど相手に羽を生やしてちょこっと浮かせば簡単に技を決められる。と、思う。
練習中なので何とも言えない。一応敵襲があったときとか自分の身は守りたいし。頭に会う前に死ぬのはゴメンだし。
「カヤ」
甲板でそのあたらしい戦法について考えていると、カードを片手にホーキンスさんがやってきた。今日も女子力の高い髪ですな。
「西に、いる。ユースタスだ」
「え…!とっとととととうとう頭が…!」
「今、烏の使いを送った」
「烏とかダークですね」
「お前に譲りたいクルーが居ると記しておいた。損は無いともな。俺たちは一応同盟を組んでいる。とりあえず対面だけは無事に果たせるだろう」
「おっ…おぅふ…とうとうこの日が…。お世話になりましたホーキンス様」
「礼は無事ユースタスのクルーになってから言うんだな」
「大丈夫です!一応あたらしい戦い方も考案中ですし、あっちのクルーにあわせてメッチャ派手な服かっておきましたし!ああそうだ着替えなくては!ではのちほど!」
「……」
こっここここここの日を、ウチは待ってましたええ生まれたその瞬間から!(嘘ですごめんなさい)
恥ずかしいけど、網タイツとかはいてみちゃったり、大丈夫多分。色気は求めていない。異質さを求めているので。よし、これで完璧。部屋を出ようとしたところで、船が止まった。そぉっと部屋から外をうかがえば、ホーキンスさんの声が聞こえてきた。
「先に手紙を送ったとおり、あわせたいヤツがいてな。よければそのまま連れて行ってやってほしい」
「あのなぁ、俺はボランティアじゃねぇんだ!」
はぅぅぅぅう! この! このドスのきいたお声!
「天使! ああ天使! ありがとう神様!」
「カヤ、そこから見ていないで出てきたらどうだ」
「っひゃい!」
ああ、緊張する!
見える。赤いコートが。金属の腕が。深紅の髪が、おっきい切り傷と、ゴーグルと。
「キッド…ユースタス…キャプテン・キッド…ほんもの…」
「あぁあ? ずいぶんと貧弱そうな女じゃねぇか」
「ああしゃべっておられる! 頭がしゃべっておられるよぉおお!」
「はぁあ? つぅかいつ俺がお前の頭になったんだ」
「っふぁあごめんなさい閣下! キッド様!」
「ふっ…まぁ服の趣味は悪くねぇよ」
「あざます!」
ああ、天使が居る! 天使がここにいる! あれ、てかもう翼が見えた。
「なっ、なんだ!?」
翼をはためかせて頭がふわりと浮かんでみる。ああ、ふわふわしているのは私の脳内だけど…
「おいどういうことだ!? なんで俺が浮いていやがる!」
「ああ、神よ! 天使が今降臨した!」
「カヤ、天使はここには居ない。お前の能力の暴走だ」
え――能力の暴走…ってことはぁああ!
「わぁあ!ごめんなさい失礼いたしましたすぐにおろしますね! どうぞ!」
「っと。急におろすなアブねぇだろうが!」
「ごっごごごごめんなさい! ついキッド様をみていたら天使の幻想が脳内に…!」
このまま、あなたを飛ばせられたらどんなにいいだろうか。鳥のように飛ぶ貴方を、船の上から見上げられたら、きっと素敵だろう。そうか…そうだこの能力はそのためにある! そうにちがいない!
「キッド様! あなたの翼にしてください!」
はじめて、ホーキンスさんの吹き出す声を聞いた気がした。