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「はぁ……まったく、貴方には困りましたな」
「いやあの、その、着替え持ってくの忘れて」
「私は言ったはずですがねぇ、着替えを忘れないように、と」
「ご、ごめんなさい……」
今朝、自室のシャワーが壊れてしまったフロイラインは、今恋人であるシェーンコップの部屋のシャワーを借りたところである。
フレデリカに借りようと思ったけれど、彼女はヤン夫人になってしまい、少し気が引ける。
そんなフロイラインに「ならあの不良中年のところへ行けばいいじゃないか。付き合い始めたんだろう?」と提案したのはポプランである。
なるほど、答えは案外近くにあったと喜んで貸してもらいに来たのだが、冒頭にもあるように彼女は忠告をされたにもかかわらず着替えを忘れたのだった。
もちろん部屋までは着替えを持ってきている。けれどシェーンコップと居られることがうれしくて少し話し込んだとき、ソファの端っこに置きっぱなしにしてしまったのである。
「で、でもでも自分の座ってるソファに着替えあったのに気が付かない中将だって――」
「ほう、私のせいにするのかね」
「……」
「まぁ、仕方あるまい。だが、何もそんな恰好で出てくることもないだろうに……」
そんな恰好、というのはシェーンコップのワイシャツだけをきて出てきたことである。
「だってちょうどよく着替えがおいてあって、タオルで出ていくよりはいいかなって思ったんです」
「そういう時はまず私に声を掛けなさい」
「かけたかったですよ! でもなんか電話してらっしゃるから……」
「貴方のせいで取り落して電話はきれましたがな」
「ううっ、と、とりあえず着替えをください、ちゃんと自分の着てきますから……あ、でも中将のシャツいい香りですね、洗剤なに使ってるんですか?」
フロイラインはシャツの襟をつかんですん、と香りをかぐ、あらわになる胸元と、裾が上がって見える白いふとももに、シェーンコップはめまいがした。
わざとか、いっそわざとなら清々しいのに! 彼はとうとう冷静に受け答えする余裕がなくなった。
気づけば警戒心のかけらもなくソファに手を伸ばす彼女の手をつかんでいた。
「え……中将?」
「ワルターだ」
「へ!? あ、いや、ちょっとそれはまだご勘弁を~っていうか腕放していただけま――」
「貴方が悪い。私は、悪くない」
シェーンコップは自分に言い聞かせるようにそういうと、次の瞬間ソファにフロイラインを押し倒した。
「……!」
何が起こったのかわからない様子のフロイラインだったが、その真剣で熱を帯びた瞳に見つめられるとだんだんと顔を赤らめていった。
「ちゅっ、ちゅうじょっ……!」
「このワルター・フォン・シェーンコップをその気にさせておきながら何事もなく帰れるとは思わないことですな」
深い口づけが、厚い吐息に満たされて。
「いやあの、その、着替え持ってくの忘れて」
「私は言ったはずですがねぇ、着替えを忘れないように、と」
「ご、ごめんなさい……」
今朝、自室のシャワーが壊れてしまったフロイラインは、今恋人であるシェーンコップの部屋のシャワーを借りたところである。
フレデリカに借りようと思ったけれど、彼女はヤン夫人になってしまい、少し気が引ける。
そんなフロイラインに「ならあの不良中年のところへ行けばいいじゃないか。付き合い始めたんだろう?」と提案したのはポプランである。
なるほど、答えは案外近くにあったと喜んで貸してもらいに来たのだが、冒頭にもあるように彼女は忠告をされたにもかかわらず着替えを忘れたのだった。
もちろん部屋までは着替えを持ってきている。けれどシェーンコップと居られることがうれしくて少し話し込んだとき、ソファの端っこに置きっぱなしにしてしまったのである。
「で、でもでも自分の座ってるソファに着替えあったのに気が付かない中将だって――」
「ほう、私のせいにするのかね」
「……」
「まぁ、仕方あるまい。だが、何もそんな恰好で出てくることもないだろうに……」
そんな恰好、というのはシェーンコップのワイシャツだけをきて出てきたことである。
「だってちょうどよく着替えがおいてあって、タオルで出ていくよりはいいかなって思ったんです」
「そういう時はまず私に声を掛けなさい」
「かけたかったですよ! でもなんか電話してらっしゃるから……」
「貴方のせいで取り落して電話はきれましたがな」
「ううっ、と、とりあえず着替えをください、ちゃんと自分の着てきますから……あ、でも中将のシャツいい香りですね、洗剤なに使ってるんですか?」
フロイラインはシャツの襟をつかんですん、と香りをかぐ、あらわになる胸元と、裾が上がって見える白いふとももに、シェーンコップはめまいがした。
わざとか、いっそわざとなら清々しいのに! 彼はとうとう冷静に受け答えする余裕がなくなった。
気づけば警戒心のかけらもなくソファに手を伸ばす彼女の手をつかんでいた。
「え……中将?」
「ワルターだ」
「へ!? あ、いや、ちょっとそれはまだご勘弁を~っていうか腕放していただけま――」
「貴方が悪い。私は、悪くない」
シェーンコップは自分に言い聞かせるようにそういうと、次の瞬間ソファにフロイラインを押し倒した。
「……!」
何が起こったのかわからない様子のフロイラインだったが、その真剣で熱を帯びた瞳に見つめられるとだんだんと顔を赤らめていった。
「ちゅっ、ちゅうじょっ……!」
「このワルター・フォン・シェーンコップをその気にさせておきながら何事もなく帰れるとは思わないことですな」
深い口づけが、厚い吐息に満たされて。