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「好きだ! 卿が好きだ!」
「ひぃい!」
「嫌でなければ、卿が俺の気持ちを受け入れてくれるならば結婚を前提に交際してほしい!」
真っ赤なバラの花を持って突然訪問してきたことのことは、よく覚えている。
上級大将がいっかいの兵士である自分の自室へ訪れただけでも心臓が飛び出るほど驚いたのに、交際まで申し込まれては驚いて当然、あれは人生で最も驚いた瞬間と言って間違いはないだろう。
「か、閣下!?」
「む、まさか今日には既に想い人が……!?」
「い、いえ違いますけど……」
「ならば俺ではだめだろうか!」
そ、そんな大声じゃ外に聞こえるよ、ととにかく焦ったり驚いたりで、しかも超絶上司のビッテンフェルト上級大将に断りなど入れられるはずもなく、結局交際することになったのは、今思うとよかったと思う。
「ふふふっ」
「突然どうしたのだ、笑いだしたりして」
「いいえ、なんでも。朝ごはんを作りましょうか?」
「いや、いい。もう少しこのままで……」
いつも後ろになでつけられている髪は寝起きのため乱れている。
そんな彼の姿を見られるのは、きっと私だけ。
「あなたが私の部屋にバラを持ってきたときのことを思い出して、笑ったのよ」
「何がおかしい、俺は真剣だったぞ」
「わかってるわよ」
迷わずにバラの花束を選んだと後から聞いたとき、彼らしいと思った。
包み隠さず愛を示してくれたことが。
「あのあと大変だったのよ?
同僚たちにあなたの大声全部聞こえてたみたいだから」
「ふん、聞かせておけば良い」
「朝から面白いものを聞かせてもらったって、偶然にも通りかかった閣下に言われた時は死ぬかと思ったわね」
「……その閣下、というのはまさかロイエンタールではあるまいな?」
「さぁ? どうだったかしらね」
「誰に聞かれても構わんが、ロイエンタールあたりに聞かれるのは心外だし、予想外だ」
「あんな花もって歩いてたらすぐにばれるわよ」
「それは盲点だったな」
ぐっと腰に腕を回されて、後ろから引き寄せられる。
犬みたいにすん、と首に鼻を寄せられてくすぐったい。
「ふふっ、もう」
「さて、貴重な休日だが何かご要望は?」
「あなたが行きたいところ」
「本当にそれでかまわないか」
「ええ、どこにいきたいんですか?」
そうだな、と考えるそぶりを見せてから、答えが出た彼はがばっと起き上がった。
「ウェディングドレスを見に行こう」
「え?」
「どうだ、嫌か? 言ったであろう、結婚を前提に、と」
すこし赤くなりながら、迷いなく提案するあなたは、やっぱり素敵だ。
「嫌じゃないですよ」
「そ、そうか! よぉし、そうと決まれば――」
「でもまだ朝早いから、お店は開いていませんよ」
「くっ、一度思い立ったらすぐに動かんと気が済まん」
「本当に動いていないとダメなひとなんですね。
じゃあ、お店が開く時間まで私との関係を前進させるのはどうですか?」
「ふむ、そうだな! それは悪くない」
腕を広げる彼に抱きついて、ゆったりと流れる朝の時間、二人より添った。
猪突猛進、後退無し
あとがき
ビッテンフェルトがよぅ、最近とても好きなんだよぅ
2015.10.16
「ひぃい!」
「嫌でなければ、卿が俺の気持ちを受け入れてくれるならば結婚を前提に交際してほしい!」
真っ赤なバラの花を持って突然訪問してきたことのことは、よく覚えている。
上級大将がいっかいの兵士である自分の自室へ訪れただけでも心臓が飛び出るほど驚いたのに、交際まで申し込まれては驚いて当然、あれは人生で最も驚いた瞬間と言って間違いはないだろう。
「か、閣下!?」
「む、まさか今日には既に想い人が……!?」
「い、いえ違いますけど……」
「ならば俺ではだめだろうか!」
そ、そんな大声じゃ外に聞こえるよ、ととにかく焦ったり驚いたりで、しかも超絶上司のビッテンフェルト上級大将に断りなど入れられるはずもなく、結局交際することになったのは、今思うとよかったと思う。
「ふふふっ」
「突然どうしたのだ、笑いだしたりして」
「いいえ、なんでも。朝ごはんを作りましょうか?」
「いや、いい。もう少しこのままで……」
いつも後ろになでつけられている髪は寝起きのため乱れている。
そんな彼の姿を見られるのは、きっと私だけ。
「あなたが私の部屋にバラを持ってきたときのことを思い出して、笑ったのよ」
「何がおかしい、俺は真剣だったぞ」
「わかってるわよ」
迷わずにバラの花束を選んだと後から聞いたとき、彼らしいと思った。
包み隠さず愛を示してくれたことが。
「あのあと大変だったのよ?
同僚たちにあなたの大声全部聞こえてたみたいだから」
「ふん、聞かせておけば良い」
「朝から面白いものを聞かせてもらったって、偶然にも通りかかった閣下に言われた時は死ぬかと思ったわね」
「……その閣下、というのはまさかロイエンタールではあるまいな?」
「さぁ? どうだったかしらね」
「誰に聞かれても構わんが、ロイエンタールあたりに聞かれるのは心外だし、予想外だ」
「あんな花もって歩いてたらすぐにばれるわよ」
「それは盲点だったな」
ぐっと腰に腕を回されて、後ろから引き寄せられる。
犬みたいにすん、と首に鼻を寄せられてくすぐったい。
「ふふっ、もう」
「さて、貴重な休日だが何かご要望は?」
「あなたが行きたいところ」
「本当にそれでかまわないか」
「ええ、どこにいきたいんですか?」
そうだな、と考えるそぶりを見せてから、答えが出た彼はがばっと起き上がった。
「ウェディングドレスを見に行こう」
「え?」
「どうだ、嫌か? 言ったであろう、結婚を前提に、と」
すこし赤くなりながら、迷いなく提案するあなたは、やっぱり素敵だ。
「嫌じゃないですよ」
「そ、そうか! よぉし、そうと決まれば――」
「でもまだ朝早いから、お店は開いていませんよ」
「くっ、一度思い立ったらすぐに動かんと気が済まん」
「本当に動いていないとダメなひとなんですね。
じゃあ、お店が開く時間まで私との関係を前進させるのはどうですか?」
「ふむ、そうだな! それは悪くない」
腕を広げる彼に抱きついて、ゆったりと流れる朝の時間、二人より添った。
猪突猛進、後退無し
あとがき
ビッテンフェルトがよぅ、最近とても好きなんだよぅ
2015.10.16