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原作読んでない為、ロイエンタールが女を好きになるのは無理!てひとは避けてくださいませ。
「卿に想い人がいたとは、これは驚きだな」
「……ねぇ殺していいですか」
「卿が俺に勝てるならば考えてやってもよかろう」
「みったーーーーまいやぁぁぁああ!!」
叫んだ。
今日は会議があった。そ
れが終わった後でミッターマイヤーにワインでもどうだと誘いを受けたのがきっかけだ。二人とはわりと長い付き合いだと思う。
もちろんロイエンタールとミッターマイヤーの男の友情に割って入れるほどではないけれど、こうしてふたりの飲み会に時々呼ばれるくらいには。
実はミッターマイヤーは私がこのどうしようもない荒んだ男を好いていることを知っている。それで、だいたいこういう時は律儀な彼に似合わずわざと時間より遅れて部屋に来たりする。
今回もその例に倣って私とロイエンタールは先に部屋に入って雑談をしていた。
なんでこんな話題になったかは忘れたが、私に想い人が居るかいないかと言う話になって、今に至る。
「どうしたフロイライン、外まで声が聞こえたぞ」
扉を開けて入ってきたのはわざと遅れてきたミッターマイヤーだ。
「遅いぞミッターマイヤー」
「あ、ああすまん。少し用事が長引いてな。それより、どうしたのだ」
「あなたの親友を殺すからあなたの許可をもらおうと思ったの」
「……なにかあったのか?」
ミッターマイヤーは怪訝そうな顔をしながら空いた席に着いた。
「聞いてよ、あのねロイエンタールがね、私に想い人がいたことが驚きだと言ったのよ」
「ああ、なんだそんなことか。いいぞ、殺してやって」
「……ミッターマイヤー」
「っはは、冗談に決まっているだろう、そう睨むなよロイエンタール」
しかし困ったな、とミッターマイヤーは私を見て苦笑い。
そこへロイエンタールがものすごい爆弾を落とした。
「卿は、ミッターマイヤーを好いていると思ったのだがな。
だがミッターマイヤーが結婚してからそういうそぶりは見せなくなったから、今はいないものかと」
「ぶふぉ!」
「なっ、冗談が過ぎるぞロイエンタール!」
「冗談なものか」
くっそなんだその顔はロイエンタール!
くそだろ! デリケートすぎる話題だろ!
しかも何年前の話なんだ…!
しかもしかも、ロイエンタールが気づいてたなんて…
「墓場に持っていく前に落とした……」
「え……フロイライン?」
「しかたねぇ、聞いてくれウォルフガングよ」
不本意だが、昔の話なので堂々と言っておこうか。
「まだ私たちが知り合って間もないころ、私には君に想い人がいるとは思いもしなくてね、メチャクチャ正直に言うと、惚れてたんですよ。まぁそれもあなたが結婚して、なんだかんだ一年程度だったんだけどね」
「フロイライン……」
「ああ、勘違いしないで、もちろんあなたと奥さんってすごく素敵だし、私二人とも大好きだから。
そんなこともあって余計に早くあきらめがついたんだ。
今は同僚であり、友達だって思ってる。
それに、ミッターマイヤーに失恋して早いうちに次の人が現れたしね」
「……それでも、話してくれてありがとう。俺は素直にうれしいよ」
「そこまで清々しく言ってもらえると墓場に行く前に落としてよかったと思えるわ。
よかったわねロイエンタールあなたの首は皮一枚でつながったわよ」
そう言ってやれば話を振った当のロイエンタールは不服そうである。
「で、その、次に現れたって言うのが、今の人で間違いないんだな」
「そうよん、ミッターマイヤーも知っているかの人よ」
「過去の片思いをぶちまけたんだ、この際だから俺たちにそいつのことを教えてくれてもよさそうなものだな。
墓場に持っていくくらいなら」
「ねぇ失恋するって決めつけないでもらえるかな。
いや、たしかに失恋の可能性は……ううう」
相手はあのロイエンタールだもんね、失恋しかありえないよな。
それに私にはこの話をしたくない理由が二つあるんだけど……。
「俺は良い機会だと思うぞ。なんなら席をはずそう」
気を聞かせて立ち上がりかけたミッターマイヤーに私たちは同時に言った。
「なぜ卿が席を外す必要があるのだ」
「ああ待っていかないで疾風ウォルフ!」
ロイエンタールはともかく、私の必死の顔に彼は席に腰を戻す。
「別に言ってもいいけど、二つ言いたくない理由があったんだよね、まぁ……この先ずっと引きずるのも嫌だし、今日はミッターマイヤーもいてくれることだし」
「俺はお前の保護者かなにかなのか」
「ミッターマイヤーがいてくれると言いやすいじゃん?
よく考えて、ロイエンタールと二人きりの時に話したりしたらどうなると?」
最悪無言で立ち去るよ。
想像がついたのかミッターマイヤーは苦笑した。
「何でもいいが話すならさっさと話せ」
「ロイエンタール何聞いても席から立たないでね」
「約束しよう」
本当だか。
しっかし、いざ言おうとすると緊張するな、いい歳してみっともないや。
「……あのね、まず言いたくなかった一つ目の理由から行くけど、まわりから地位の高いやつならだれでもいいんだって思われたくないっていうか、それが一つね。
まぁ、周りは私の片思いを知らないはず、なのでこれは私の内心的なちょっとした理由だけど」
「なるほど、地位が高い、か。
まさかカイザーだというんじゃあ、あるまいな?」
「そんなわけあるかい!
結論だけど、オスカー・フォン・ロイエンタール」
「ん?」
「私が好きなのは、きょっ、卿だ!」
がっと、見開かれた色違いの目。
立ち上がろうと腰を浮かせたものの、彼は先刻の言葉を思い出したのは座りなおす。
「本当に言いたくなかった理由は、あなたが受け入れないと思ったから。
あなたが女性とうまく行かないの知ってるし、昔の話も聞いたからそのことはある程度理解している、つもり」
「……俺がいつその話をお前にした」
「え……うーわー、ショックだよそれは。
忘れたの?
まぁお酒はいってたもんね。
きっとミッターマイヤーはあの話知ってるだろうと思ったけど、私あなたの人に言うなよって約束守るためにミッターマイヤーに知ってるかどうかの確認も取れなかったのに」
「フロイラインが知っていたことは、俺も知らなかったな」
「でしょ?
それで、そんなことも知ってるからあなたに好きなんていったら、私は同僚じゃなくてその辺の女と一緒にされるって分かってた。
だから、言えなかった」
怖くて、顔が見られなかった。
顔を見たらあの青い目と赤い目が、怒りに染まって私を見ているかもしれないと思った。
誰だって嫌じゃない? 好きな人の怒ってる顔なんか、見たくないから。
「ねぇ、もう二人とワイン飲むの、誘ってもらえなくなるかな。
それはちょっともったいないな。
二人が持ってくるワインはいいやつばかりだし、楽しいもの」
「フロイライン……。ロイエンタール、どうか怒らないでほしい。彼女は真剣だし……ロイエンタール?」
「…………」
「お、おいロイエンタール」
「すまんが……一度退席してもいいだろうか」
「ま、待て!」
立ち上がるロイエンタールを、どうやらミッターマイヤーが羽交い絞めで抑えたようだ。
身長はロイエンタールのほうがあるけどミッターマイヤーといい勝負だろうな、まぁうつむいていて見えないからわからんが。
「フロイライン! おいこっちを見てくれ、俺の一生の願いだ!」
「な、なにをするミッターマイヤー! 放さんか!」
「いいやだめだ! 頼む、はやくロイエンタールの顔を見ろ!」
二人して何をそんな必死に……とりあえずミッターマイヤーが一生のお願いだとか似合わないことまで言うので顔を上げる。
すると、彼に抑えられながらもがくロイエンタールと目があった。
ロイエンタールはぶわっと赤面して、動きを止める。つられて私も、赤面した。
「ろ、ろいえん、たーる?」
「……なんだ」
「か、顔赤いけど……」
「……卿も、赤いではないか」
やれやれ、とミッターマイヤーが手を放して私たちを見る。
ちょっと、睨まれる覚悟だったのに赤面されるってコレどういう状況ですか。
ていうかあなた赤面するキャラですか。
「もうわかっただろうお前たち。
あとはちゃんと話し合え。ロイエンタール、お前は素直になるべきだ、いいな」
「ウォ、ウォルフくん? ちょっと、ちょっとちょっと私を置いて行くんですか、この男と二人きりにして、ま、まさかそんなひどいことしないよね……?
しないと言ってくれよウォルフガング!」
「いいや俺は行くぞ。ああ、それと俺のことをウォルフガングと呼ぶなら、オスカーと呼んでやれよ」
「お、俺は冗談が嫌いだミッターマイヤー!」
「え、え、え、待って…待ってミッターマイヤーーー!」
「「ミッタマイヤーーー!!!」」
気付いて
あとがき
いや、なんかミッターマイヤーって叫びたかっただけだよね…
ロイエンタールとミッターマイヤーが会話するとやたら相手の名前を呼ぶ頻度が上がる気がするんだが、名前が長いせいでそう思うだけだろうか。
まぁ、ラインハルト様もジークに話しかけるとき、ジークしかいなくてもキルヒアイスって呼びかけてたもんね、うん。
2015.10.24
「卿に想い人がいたとは、これは驚きだな」
「……ねぇ殺していいですか」
「卿が俺に勝てるならば考えてやってもよかろう」
「みったーーーーまいやぁぁぁああ!!」
叫んだ。
今日は会議があった。そ
れが終わった後でミッターマイヤーにワインでもどうだと誘いを受けたのがきっかけだ。二人とはわりと長い付き合いだと思う。
もちろんロイエンタールとミッターマイヤーの男の友情に割って入れるほどではないけれど、こうしてふたりの飲み会に時々呼ばれるくらいには。
実はミッターマイヤーは私がこのどうしようもない荒んだ男を好いていることを知っている。それで、だいたいこういう時は律儀な彼に似合わずわざと時間より遅れて部屋に来たりする。
今回もその例に倣って私とロイエンタールは先に部屋に入って雑談をしていた。
なんでこんな話題になったかは忘れたが、私に想い人が居るかいないかと言う話になって、今に至る。
「どうしたフロイライン、外まで声が聞こえたぞ」
扉を開けて入ってきたのはわざと遅れてきたミッターマイヤーだ。
「遅いぞミッターマイヤー」
「あ、ああすまん。少し用事が長引いてな。それより、どうしたのだ」
「あなたの親友を殺すからあなたの許可をもらおうと思ったの」
「……なにかあったのか?」
ミッターマイヤーは怪訝そうな顔をしながら空いた席に着いた。
「聞いてよ、あのねロイエンタールがね、私に想い人がいたことが驚きだと言ったのよ」
「ああ、なんだそんなことか。いいぞ、殺してやって」
「……ミッターマイヤー」
「っはは、冗談に決まっているだろう、そう睨むなよロイエンタール」
しかし困ったな、とミッターマイヤーは私を見て苦笑い。
そこへロイエンタールがものすごい爆弾を落とした。
「卿は、ミッターマイヤーを好いていると思ったのだがな。
だがミッターマイヤーが結婚してからそういうそぶりは見せなくなったから、今はいないものかと」
「ぶふぉ!」
「なっ、冗談が過ぎるぞロイエンタール!」
「冗談なものか」
くっそなんだその顔はロイエンタール!
くそだろ! デリケートすぎる話題だろ!
しかも何年前の話なんだ…!
しかもしかも、ロイエンタールが気づいてたなんて…
「墓場に持っていく前に落とした……」
「え……フロイライン?」
「しかたねぇ、聞いてくれウォルフガングよ」
不本意だが、昔の話なので堂々と言っておこうか。
「まだ私たちが知り合って間もないころ、私には君に想い人がいるとは思いもしなくてね、メチャクチャ正直に言うと、惚れてたんですよ。まぁそれもあなたが結婚して、なんだかんだ一年程度だったんだけどね」
「フロイライン……」
「ああ、勘違いしないで、もちろんあなたと奥さんってすごく素敵だし、私二人とも大好きだから。
そんなこともあって余計に早くあきらめがついたんだ。
今は同僚であり、友達だって思ってる。
それに、ミッターマイヤーに失恋して早いうちに次の人が現れたしね」
「……それでも、話してくれてありがとう。俺は素直にうれしいよ」
「そこまで清々しく言ってもらえると墓場に行く前に落としてよかったと思えるわ。
よかったわねロイエンタールあなたの首は皮一枚でつながったわよ」
そう言ってやれば話を振った当のロイエンタールは不服そうである。
「で、その、次に現れたって言うのが、今の人で間違いないんだな」
「そうよん、ミッターマイヤーも知っているかの人よ」
「過去の片思いをぶちまけたんだ、この際だから俺たちにそいつのことを教えてくれてもよさそうなものだな。
墓場に持っていくくらいなら」
「ねぇ失恋するって決めつけないでもらえるかな。
いや、たしかに失恋の可能性は……ううう」
相手はあのロイエンタールだもんね、失恋しかありえないよな。
それに私にはこの話をしたくない理由が二つあるんだけど……。
「俺は良い機会だと思うぞ。なんなら席をはずそう」
気を聞かせて立ち上がりかけたミッターマイヤーに私たちは同時に言った。
「なぜ卿が席を外す必要があるのだ」
「ああ待っていかないで疾風ウォルフ!」
ロイエンタールはともかく、私の必死の顔に彼は席に腰を戻す。
「別に言ってもいいけど、二つ言いたくない理由があったんだよね、まぁ……この先ずっと引きずるのも嫌だし、今日はミッターマイヤーもいてくれることだし」
「俺はお前の保護者かなにかなのか」
「ミッターマイヤーがいてくれると言いやすいじゃん?
よく考えて、ロイエンタールと二人きりの時に話したりしたらどうなると?」
最悪無言で立ち去るよ。
想像がついたのかミッターマイヤーは苦笑した。
「何でもいいが話すならさっさと話せ」
「ロイエンタール何聞いても席から立たないでね」
「約束しよう」
本当だか。
しっかし、いざ言おうとすると緊張するな、いい歳してみっともないや。
「……あのね、まず言いたくなかった一つ目の理由から行くけど、まわりから地位の高いやつならだれでもいいんだって思われたくないっていうか、それが一つね。
まぁ、周りは私の片思いを知らないはず、なのでこれは私の内心的なちょっとした理由だけど」
「なるほど、地位が高い、か。
まさかカイザーだというんじゃあ、あるまいな?」
「そんなわけあるかい!
結論だけど、オスカー・フォン・ロイエンタール」
「ん?」
「私が好きなのは、きょっ、卿だ!」
がっと、見開かれた色違いの目。
立ち上がろうと腰を浮かせたものの、彼は先刻の言葉を思い出したのは座りなおす。
「本当に言いたくなかった理由は、あなたが受け入れないと思ったから。
あなたが女性とうまく行かないの知ってるし、昔の話も聞いたからそのことはある程度理解している、つもり」
「……俺がいつその話をお前にした」
「え……うーわー、ショックだよそれは。
忘れたの?
まぁお酒はいってたもんね。
きっとミッターマイヤーはあの話知ってるだろうと思ったけど、私あなたの人に言うなよって約束守るためにミッターマイヤーに知ってるかどうかの確認も取れなかったのに」
「フロイラインが知っていたことは、俺も知らなかったな」
「でしょ?
それで、そんなことも知ってるからあなたに好きなんていったら、私は同僚じゃなくてその辺の女と一緒にされるって分かってた。
だから、言えなかった」
怖くて、顔が見られなかった。
顔を見たらあの青い目と赤い目が、怒りに染まって私を見ているかもしれないと思った。
誰だって嫌じゃない? 好きな人の怒ってる顔なんか、見たくないから。
「ねぇ、もう二人とワイン飲むの、誘ってもらえなくなるかな。
それはちょっともったいないな。
二人が持ってくるワインはいいやつばかりだし、楽しいもの」
「フロイライン……。ロイエンタール、どうか怒らないでほしい。彼女は真剣だし……ロイエンタール?」
「…………」
「お、おいロイエンタール」
「すまんが……一度退席してもいいだろうか」
「ま、待て!」
立ち上がるロイエンタールを、どうやらミッターマイヤーが羽交い絞めで抑えたようだ。
身長はロイエンタールのほうがあるけどミッターマイヤーといい勝負だろうな、まぁうつむいていて見えないからわからんが。
「フロイライン! おいこっちを見てくれ、俺の一生の願いだ!」
「な、なにをするミッターマイヤー! 放さんか!」
「いいやだめだ! 頼む、はやくロイエンタールの顔を見ろ!」
二人して何をそんな必死に……とりあえずミッターマイヤーが一生のお願いだとか似合わないことまで言うので顔を上げる。
すると、彼に抑えられながらもがくロイエンタールと目があった。
ロイエンタールはぶわっと赤面して、動きを止める。つられて私も、赤面した。
「ろ、ろいえん、たーる?」
「……なんだ」
「か、顔赤いけど……」
「……卿も、赤いではないか」
やれやれ、とミッターマイヤーが手を放して私たちを見る。
ちょっと、睨まれる覚悟だったのに赤面されるってコレどういう状況ですか。
ていうかあなた赤面するキャラですか。
「もうわかっただろうお前たち。
あとはちゃんと話し合え。ロイエンタール、お前は素直になるべきだ、いいな」
「ウォ、ウォルフくん? ちょっと、ちょっとちょっと私を置いて行くんですか、この男と二人きりにして、ま、まさかそんなひどいことしないよね……?
しないと言ってくれよウォルフガング!」
「いいや俺は行くぞ。ああ、それと俺のことをウォルフガングと呼ぶなら、オスカーと呼んでやれよ」
「お、俺は冗談が嫌いだミッターマイヤー!」
「え、え、え、待って…待ってミッターマイヤーーー!」
「「ミッタマイヤーーー!!!」」
気付いて
あとがき
いや、なんかミッターマイヤーって叫びたかっただけだよね…
ロイエンタールとミッターマイヤーが会話するとやたら相手の名前を呼ぶ頻度が上がる気がするんだが、名前が長いせいでそう思うだけだろうか。
まぁ、ラインハルト様もジークに話しかけるとき、ジークしかいなくてもキルヒアイスって呼びかけてたもんね、うん。
2015.10.24