君の夢を捕まえに
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とある日の風景。
「ヒート、お話ししよう」
「おう、どうしたセアラ」
「頭のことを語り合おう!」
「なんだ、なんかあったのか」
「なんでもない、なんでもないことが出来事なの! 毎日が出来事!」
「お前本当にアタマん中お花畑だな、だからキラーに天使ちゃんだなんていわれてるんだぞ」
あきれながらも、ヒートはこの手の話にはよく乗ってくれる。
「でも、頭のことならキラーが一番知ってるんだから、そっちの方がいいんじゃねぇか?」
「だめだよ、キラーさんに言うと全部頭に筒抜けにされちゃう」
「それもそうだな」
で、なにがあったんだ、とヒートは聞いてやる。
時々、二人はあたたかな日差しが差す午後の時間、コックの作るおやつとともにキッドの話をする。この時間はキッドも部屋にこもって機械いじりだとかをしているから、都合がいいのだ。
「仲間になったときのこと思い出してたんだ。私ってほら、親もいないし、好き勝手にいろんな島を回ってて。変な海賊にナンパされて、腹立って全員ぶんなぐって、目の前で船をぎったんばったんに壊してやったの」
「そういやそうだったなあ」
「ちょうどみんながその島に停泊してさ、頭が船の上から私のやりたい放題を見ていたの。で終わった後に大声上げてひでーことすんなーって笑ってた。あの時の笑顔、最高だったなぁって思いだしたの」
「そのあとだよな、頭が、俺がナンパしてやっから、いっかい真剣勝負させろって言ったの。ありゃすげぇ光景だったな」
「全然かなわなかった。頭と戦ったのあの一回きり、ぞくぞくっとした。だって全然かなわないの! こんなことあるのかって! 興奮した、世界にはこんな人がいるんだって」
「わかるよ。俺の時もそうだった。火を噴く俺に、何の迷いもなく突っ込んできたのはあの人が初めてだったな」
コックが焼いたクッキーはチョコレートチップが入っていて、とても極悪海賊団の食堂とはおもえないような温かさを演出していた。
セアラはミルクがたっぷり入ったコーヒーを口につける。
ヒートにはその彼女の横顔が、すこし憂鬱そうに見た。なにか思い悩むような顔だ。
「なんか、頭のことで悩んでるのか?」
核心を突かれて、セアラは居心地わるそうにカップを置いた。
「最近ちょっと思うんだよね、私、この海賊団に見合わないのかなぁって」
「どこがだ?」
「天使ちゃんな所?」
「いや自分で天使ちゃん言うなよ」
「ふふ、まぁ、冗談はさておきさ。私って、闘ってる時インパクトないし、さすがに2000万って懸賞金、この海賊団の怖さみたいなの下げてないかなぁって」
「はぁ?」
「だってやっぱりさ、女一人だし、これで賞金も低いとなるとさ、言われるじゃん。頭が戦闘員とかじゃなくて、そういう意味で私を乗せてるって周りにさ」
「そんなことないだろう、懸賞金2000万の娼婦なんていねぇよ」
「でもこの辺りまで来ると、こんな賞金ごろごろいるじゃない」
ついこの前懸賞金が5000万をうわまわったヒートが何を言っても、たぶんあまりひびかないのだろう。
ヒートたちはセアラの戦闘中の様子をよく知っている。よくよく腕を見ればワイヤーや自分と同じくらいの賞金がついてもおかしくないくらいの実力がある。たりないのはインパクトなのだ。海軍の印象に残ることさえなにかすれば、すぐに上がるとは思うのだが。
「頭も懸賞金でどうこうは思ってないだろう。直接セアラと戦って、引き入れようと決めたんだから」
「もぉ、ヒートはわかってない、私にもプライドがあるってこと!」
「しかたないなぁ、そんなにごねるなら今度は見せ場作ってやるって」
「無理、ヒート火吐くだけで目立ってるもん」
「うぐぐ」
どうしろってんだと唸るヒートを見て、セアラは「ごめんって冗談だからさ」と笑って見せた。
「ヒート、お話ししよう」
「おう、どうしたセアラ」
「頭のことを語り合おう!」
「なんだ、なんかあったのか」
「なんでもない、なんでもないことが出来事なの! 毎日が出来事!」
「お前本当にアタマん中お花畑だな、だからキラーに天使ちゃんだなんていわれてるんだぞ」
あきれながらも、ヒートはこの手の話にはよく乗ってくれる。
「でも、頭のことならキラーが一番知ってるんだから、そっちの方がいいんじゃねぇか?」
「だめだよ、キラーさんに言うと全部頭に筒抜けにされちゃう」
「それもそうだな」
で、なにがあったんだ、とヒートは聞いてやる。
時々、二人はあたたかな日差しが差す午後の時間、コックの作るおやつとともにキッドの話をする。この時間はキッドも部屋にこもって機械いじりだとかをしているから、都合がいいのだ。
「仲間になったときのこと思い出してたんだ。私ってほら、親もいないし、好き勝手にいろんな島を回ってて。変な海賊にナンパされて、腹立って全員ぶんなぐって、目の前で船をぎったんばったんに壊してやったの」
「そういやそうだったなあ」
「ちょうどみんながその島に停泊してさ、頭が船の上から私のやりたい放題を見ていたの。で終わった後に大声上げてひでーことすんなーって笑ってた。あの時の笑顔、最高だったなぁって思いだしたの」
「そのあとだよな、頭が、俺がナンパしてやっから、いっかい真剣勝負させろって言ったの。ありゃすげぇ光景だったな」
「全然かなわなかった。頭と戦ったのあの一回きり、ぞくぞくっとした。だって全然かなわないの! こんなことあるのかって! 興奮した、世界にはこんな人がいるんだって」
「わかるよ。俺の時もそうだった。火を噴く俺に、何の迷いもなく突っ込んできたのはあの人が初めてだったな」
コックが焼いたクッキーはチョコレートチップが入っていて、とても極悪海賊団の食堂とはおもえないような温かさを演出していた。
セアラはミルクがたっぷり入ったコーヒーを口につける。
ヒートにはその彼女の横顔が、すこし憂鬱そうに見た。なにか思い悩むような顔だ。
「なんか、頭のことで悩んでるのか?」
核心を突かれて、セアラは居心地わるそうにカップを置いた。
「最近ちょっと思うんだよね、私、この海賊団に見合わないのかなぁって」
「どこがだ?」
「天使ちゃんな所?」
「いや自分で天使ちゃん言うなよ」
「ふふ、まぁ、冗談はさておきさ。私って、闘ってる時インパクトないし、さすがに2000万って懸賞金、この海賊団の怖さみたいなの下げてないかなぁって」
「はぁ?」
「だってやっぱりさ、女一人だし、これで賞金も低いとなるとさ、言われるじゃん。頭が戦闘員とかじゃなくて、そういう意味で私を乗せてるって周りにさ」
「そんなことないだろう、懸賞金2000万の娼婦なんていねぇよ」
「でもこの辺りまで来ると、こんな賞金ごろごろいるじゃない」
ついこの前懸賞金が5000万をうわまわったヒートが何を言っても、たぶんあまりひびかないのだろう。
ヒートたちはセアラの戦闘中の様子をよく知っている。よくよく腕を見ればワイヤーや自分と同じくらいの賞金がついてもおかしくないくらいの実力がある。たりないのはインパクトなのだ。海軍の印象に残ることさえなにかすれば、すぐに上がるとは思うのだが。
「頭も懸賞金でどうこうは思ってないだろう。直接セアラと戦って、引き入れようと決めたんだから」
「もぉ、ヒートはわかってない、私にもプライドがあるってこと!」
「しかたないなぁ、そんなにごねるなら今度は見せ場作ってやるって」
「無理、ヒート火吐くだけで目立ってるもん」
「うぐぐ」
どうしろってんだと唸るヒートを見て、セアラは「ごめんって冗談だからさ」と笑って見せた。