8章 交差

「初めまして、僕はマサト。……って、わかるよね?」

リョウスケの思った通り、タカナオは戸惑っていた。苦笑しながら頷く。まさか、マサトが現れるとは夢にも思っていなかった。戸惑ったタカナオを見るのは久しぶりなゼニガメとバタフリーは不安な表情を作る。

「ぼ、僕は、タカナオ。よろしく」
「フィフィ」

ひきつった笑いのタカナオを横目にニコッとしたエーフィがマサトに擦り寄った。

「やぁ、エーフィ。久しぶりだね」

ボーッと、エーフィの頭を撫でるマサトを見る。そうか。エーフィもマサトを知っているのか。エーフィとマサトは、久しぶりの再会に嬉しそうな表情を浮かべていた。

「それでさ、君とバトルをしたいんだ」

ふいに最初の話題に戻った。

「いいけど……」
「決まりだね。持ちポケモンは何匹いる?」

タカナオが最後まで言い終わる前に、マサトは先に話を進める。

「この三匹」
「じゃあ、ルールは二対二の入れ替え自由のバトルで良い?」
「え?」

3対3かと思ったら違った。タカナオは目をパチクリさせる。

「エーフィとは、ミズカとバトルする時までのお預けなんだ。ミズカと、この世界でまた会ったらバトルしてほしいって約束してるんだよ」

タカナオはエーフィを見る。彼女はニッとして頷いた。どうやら、マサトと契約済みらしい。

「わかった。ゼニガメ、バタフリー、頼んだよ」
「ゼニィ!」
「フリィフリィ!」

タカナオの言葉に、ゼニガメとバタフリーはやる気満々と言った表情で返事をした。

「マサト~!」
「あ、お姉ちゃん」

そこへ、ハルカが来た。後ろには、リョウスケ達もいる。

「なんとか、間に合ったな」
「君達、今からバトル?」
「うん、二対二のバトルを申し込んだんだ」

ヒナに聞かれ、マサトが答えた。

「さぁ、始めようか」
「あ、うん」

こうして、二対二のバトルは始まった。

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