4章 バタフリーと密猟団
「タカナオってモテるのね」
「まあ、ポケモンだけどな」
「からかうのやめてよ……」
からかいの言葉をかけるヒナとリョウスケにため息混じりに彼は言った。なんとなくわかってはいる。きっと彼女はポケモンでありながら、人間の自分に好いていると。
「もうゲットで良いじゃないのよ」
ヒナの言葉に、バタフリーは大きく頷いた。彼女もそれが良いらしい。
「え……、でも僕で良いの?」
「フリィ!」
タカナオが聞くと、バタフリーはもう一度頷いた。バタフリーからするとタカナオじゃないとゲットされたくない。
「決まりだな」
リョウスケが彼の肩にポンと手を乗せた。タカナオは口角を上げるとオーキド博士からもらっていた空のモンスターボールをバタフリーに当てた。
吸い込まれるように、彼女はボールへ入っていき、何回か手の中で揺れると、手の中におさまった。タカナオにとって初のゲットである。
「バタフリー、ゲット!」
そう呟くと、彼は再びニビシティへと進み始めた。後の二人も続く。次はニビシティのニビジムだ。タカナオは一体どんなバトルをするのだろうか。